2月7日土曜日12時45分~17時すぎまで
ミトコンドリア病に関する情報を流して頂き、
みどりの会も15分間の時間を頂きました。
今年も、会場には出向けず、介護の合間をぬっての参加でしたので、発表も慌てて参加する始末で お聞き苦しい点があったことをお詫び申し上げます。
今は限定ユーチューブで見ることができるので、先生たちのお話を繰り返し聞きながら勉強させていただいています。ミトコンドリアのお話は一般の情報としてたくさん散見することができるようになりましたが、ミトコンドリア病については、やはり奥が深いことを感じながら、拝聴させていただいております。
今回もお話に沿って、スライドを加藤由里子さんにまとめてもらい、当日の発表にはパワーポイントの操作も角田隆二さんにお願いでき大変幸せな連携が組めましたこと心から感謝申し上げます。
「 古賀靖敏先生のアルギニン勉強会」は、みどりの会発足以来の念願の勉強会でした。 60枚にも及ぶスライドを用いての講義は、単元ごとに質疑応答を行い、「エネルギー産生」という視点だけでなく、「血管障害」という新たな切り口でミトコンドリア病をくわしく学ぶことによって、患者の体で何が起こっているのかを理解でき、目に鱗の連続でした。
また、ミトコンドリア病患者すべてが、血管内皮の機能不全により、血管が収縮しやすいという体質をもつことを理解し、メラスだけでなく、リー脳症やマーフ等の患者さんにとってもアルギニン治療が一つの選択肢になり得ることを学びました。
アルギニンの副作用については、高クロール性アシドーシスを起こしやすい体質の方には腎機能の確認が必要であること、連日のアルギニン点滴が招くリスクについても注意喚起がありました。また質問者の中に、症状を詳しく聞くうちにアルギニンではなく、ピルビン酸の使用を勧めることもあり、豊富な臨床経験に基づいたアドバイスは、参加者もそれぞれ沢山の勇気をいただきました。
12月には神経学のスペシャリスト三牧正和先生に、「てんかんなど神経症状と生活の工夫について」を、お話しいただきました。 てんかん発作の際、体のどちら側から症状が始まったか、眼球はどちらを向いていたか。こうした家族による「観察」こそが、焦点発作か全般発作かを判断する重要な情報になり、適切な処方につながることを学びました。生活の中で、てんかんの向き合い方や気をつけることも詳しくお話しくださいました。
「患者家族こそが、その病のスペシャリストになるべきだ」と先生方はおっしゃいました。医師が診察室で見ることのできない日常の変化を私たち患者家族が伝え、医師と信頼関係を築く。その共同作業こそが、ミトコンドリア病診療の鍵であることを痛感いたしました。

「地元の病院で診てもらえない」という悩みは後を絶ちません。「年に数回しか来ないミトコンドリア病患者のために、薬剤を備蓄することは病院の経営上できないと言われている」と医師が説明する基幹病院もあります。地元でかかりつけの病院先を探しても「ミトコンドリア病を診れる医師はどこにもいないのだから、救急搬送される病院があるだけで充分だ」と門前払いされることもあります。
基幹病院こそ希少疾病の患者を安心して受け入れられる体制を整え、全国でミトコンドリア病を診ていただける医療機関が一つでも多く増えることを切に願っています。
ミトコンドリア病の精神症状は、心因性や性格の問題ではなく、脳のエネルギー代謝障害による「器質性精神障害」です。
17歳で発症、25歳再発、現在29歳の我が息子の話をさせてください。
再発前に釣りをしたり、絵を描いたり、イベントも楽しめていたのは、なんとかエネルギーを保てていた時期です。
4年前の再発をきっかけに、エネルギー不足が顕著となりました。去年のエピソードですが、彼の誕生日に、良かれと思って、かつて慕っていた友人を招待すると、「喜び」などの感情刺激も脳の興奮とエネルギー不足を招き、衝動、混乱の末、突然外に飛び出して、大声で転げ回るといった理解できない行動に転化してしまいました。すぐにヘルパーさんと彼を車に入れて、友人を送りがてらのドライブに変更しました。車という個室に収まり、気分を変えたことで、時間がスムーズに流れました。
このような話は茶和会でよく出ますが、家族は、理解されない行動に直面し、強い孤立感を抱えています。
しかし患者は「できなくなった人」ではなく、「守られなければ壊れてしまう脳で、必死に生きている人」です。
ヘルパーさんたちの支えの中で、一時的に興奮しても必ず収まるという体験を積み重ね、「回復」は難しくとも「適応」しようとしています。脳のエネルギーが枯渇しても、彼らの中に「感じる心」は残っています。
「ミトコンドリアとともに生きる」とは、どういうことなのかを探りながら生活する毎日です。
一人一人違う個性のミトコンドリア病患者に寄り添って、代謝異常と脳障害の視点で診てもらえる精神科医がとても大切だと思います。
生活を支える制度についても触れたいと思います。
自宅での重度訪問介護については皆さんも御存知だと思いますが、病院や施設へも派遣要請ができるのをご存知でしょうか?
感染時や家族などが付き添いできないとき、意思疎通がうまくできない患者を一人で入院させるのは不安ではないでしょうか。医療行為を損ねると判断されれば、ベッドの周りに柵を付けて鍵をかける高柵ベッドが使用されることもあります。意思疎通に支援が必要な場合、熟知している支援者が付き添いできる制度は、去年2024年に支援区分4と5の患者まで拡大されました。強い不安や、恐怖などによる混乱(パニック)を防ぐためにも、本人にあった環境や生活習慣を整え、医療環境を安全に保ち、安心して療養生活を送るようにしたいです。こうした制度を周知し、安心して療養できる環境を整えていくことが大切だと思います。
次に、患者家族から寄せられた具体的な要望を二つお伝えします。
一つ目は、治験への配慮です。 ミトコンドリア病には、確立された治療薬がない中で、治験は私たち患者家族にとって、「明日への希望」そのものです。
第Ⅱ相に進まれた方も、参加には至らなかった方も「自分の経験が、誰かの未来につながるのなら」と、願いは皆、同じです。その中で時に、治験の条件や判断について、明確な説明が得られなかったり、生活や心情への配慮が十分に伝わらなかったりすることもあるようです。どうか、患者の心情や生活に寄り添った対話をお願いします。私たちは、先生方と共にゴールを目指す、対等なパートナーでありたいと願っています。
二つ目は、遺伝子診断と心のケアです。近年、遺伝子検査が保険適用となり、これまで専門施設でしか分からなかったミトコンドリア病が、一般の医療機関でも診断される時代になりました。この進歩に、患者・家族は大きな希望を感じています。一方で、遺伝子検査で「ミトコンドリア病」と診断されたものの、主治医の先生がこの疾患に詳しくなく、患者が十分な説明を受けられないまま不安の中に置かれてしまうケースも増えています。患者の多くは、診断後にインターネットで情報を探し、「難病」「進行性」「予後不良」といった言葉に強く心を痛めます。その時、医師から病気の本質や多様性について説明がないと、「自分の将来はどうなるのか」「何も分からない」という思いの中で、孤立した気持ちになってしまいます。遺伝子診断が広がった今だからこそ、一般診療に携わる医師の先生方にも、ミトコンドリア病の基本的な考え方や臨床的な特徴を共有していただけることが、患者の安心と適切な医療につながります。
ミトコンドリア病の理解が医療の現場に広がることを、心より願っています
また、診断の過程で行われる家系調査は、時にご家族の罪悪感や孤立感を深めることもあります。だからこそ、「いつ、どのように遺伝のことを伝えるか」という点も、治療や支援の大切な一部として考えていただけると幸いです。
本日も思いましたが、ミトコンドリア病に深く向き合い、診察・研究を続けてくださる専門医の先生方の熱意は計り知れません。その知恵と経験が、どうか全国各地の医療現場に広がり、届けられることを祈ってやみません。










