6月25日土曜日13時から15時まで
オンラインみどりの会患者会 グループホーム、介護支援について
今回のオンラインみどりの会患者会 渡邉美沙緒先生のグループホームのお話は私達の心に泉が湧く会であったと思います。そして直前に古賀靖敏先生がオブザーバーとして参加くださることになり、今春グループホームを立ち上げたばかりの友人も加わり、本当に盛りだくさんの貴重な知恵を賜り、心温まるひとときを作ることができましたこと、参加くださいました皆様に、感謝感激です。
●渡邉美佐緒先生
社会福祉法人ビーハッピー 理事、
生活介護 短期入所「みのりの家」相談支援事業所「えん」 共同生活援助「ビーハッピーホーム」居宅介護「りん」 グループホーム「ゆう」(建設中)
総合施設長
昭和25年東京生まれ。高校一年のとき、日本女子大付属高校校長、一番ヶ瀬康子先生の「しょうがいを持った子どもたちが光り輝いて暮らせる社会が成熟した社会。この人達が光そのものなのです。」というメッセージに心打たれ、福祉の勉強をしたい!現場で働きたい!との思いがスタート地点。その後しょがいのおもちの方の入所施設で働き、だんなさま(今のみのりの家の理事長)と知り合い、家庭を築き、男の子2人に恵まれました。旦那様の大病から、今を生きることを実感し、突然「夢」が湧いてきました。「空気として、その場に身を運んだら、誰と比べる必要もなく、その意味さえ存在しない場所を作りたい。その場に身を運んだら、素直に愛されている自分を感じられる空気のある場を、一日でも良いから実現したい」。気付いたら、口が夢物語を語っていたということです。お子さんたちも同じ福祉の仕事に携わり、そして嬉しいことに、その「夢」が形となり、ビーハッピーみのりの家を32年間(令和4年現在で34年)続けています。(令和2年月間「人間」ゆめのつづきより編集抜粋)
●古賀靖敏先生
久留米大学名誉教授・現ふくむら小児科 副院長
日本ミトコンドリア学会名誉理事長 アジアミトコンドリア学会理事長
●藤岡章子氏
大学時代の演劇活動を活かし、埼玉県でバリアフリーコンサートなど好評を博す寿座座長。今春NPO法人を立ち上げ、グループホームの施設長をしている。
美佐緒先生の本人の気持ちを常に察し、目に見えないものを感じ合う。利用者も介護者も対等であるという向き合い方、そしてその方の個性から醸し出されるものをともに過ごせた時間に感謝するというお話しをゆっくりしてくださいました。
これを実践として34年続けていらっしゃることに敬意を感じます。その理想をどこかで聞いてはいますが、実態は「介護がしんどい」という声に理想が形で埋まってしまっているケースを見てきました。
親でも「介護がしんどい」と音を上げたくなるのですから当然だと思います。
美沙緒先生は「苦手な介護の分野は、他の介護に委ね、何人かの介護人がワンチームで一人一人対応を実現している」ことをお話しくださいました。であればワンチームの信頼関係も大切であると思います。そして、「しんどい介護」を如何に充実してゆくかは、目に見えぬ心で感じ合う喜びを見出すことであるということもさり気なくお話しくださいました。これは一人介護ではなかなかできないものであります。
複数の利用者と複数の支援者の間で生まれるもの。
1⃣ワンチームの中ではそこで連携が生まれ、感受性を共有する喜び。
2⃣人として大事なものは何か、いのちの原点に立つこと。
3⃣いろんな病を持ついろんな悩みを持つ人が複雑に絡み合って生まれる新たな繋がり。
例えば
時間をかけゆっくりゆっくり、向き合うお話し
落ち込んで一時間かかる食事の介助が苦手な介助者はゆっくりが得意な介護者に変わってチームで見守るという感じです。
汲み取り方の難しいときも、言葉ではきつく響いてしまうので一呼吸おいて、気持ちに寄り添うようにしてゆくと、大変な介護の場が、宝物のひとときになる。
介助の場だけでなく家庭での過ごし方を家族と連携を無理なく進めないと、介護者も良い場のオーラを感じ会えることはできない。
ひとり親の自分が感じる介護にもあることを、さらりとお話くださり納得。
またこのようなお話しもありました。
津久井やまゆり園の事件以来、神奈川県の障害ある人難病の人を守る権利についての条例が変わり、グループホームも立ち上げのハードルが低くなりました。中身の充実のために、患者家族同士が集まってグループホームを立ち上げるということが一番やりやすいのではないかと思う。ただしNPOにするためにはたくさんの書類書き上げること必須(あっこさんからの助言)。
友人のあっこさんのグループホーム介護のお話し
その暖かさと持ち前の臨機応変ド根性で乗り越えている姿、勇気をもらえました。「さり気なくが好きなの。精神状態との向き合い方が大変な時など、ごめんね。自分もうまくできないの」と本音を言って、こちらの気持ちもわかってもらい長くお付き合いしてゆくようにすると、さり気なく場が和んでゆく。お試し期間中の、精神症状の悪くなる方との過ごし方に音を上げそうになったのだけど、気負いをやめて、自分に正直になったら、その方が変わってきてくれて、長続きしていたということでした。
古賀靖敏先生から
全国にある筋疾患に特化した専門病院についてのお話をいただきました。
国からの補助金を利用して、優れた機材を有し、リハビリにも力を入れている。親御さんが大変疲れ、抱え込むのは良くないので、自分は患者家族に優秀は施設を紹介し、喜ばれている。親がいなくなっても社会で患者をみていくのが理想であり、患者が社会の中で自立してゆくことも大事である。
最後にアルギニンのミトコンドリア病患者への有効性のお話しはとても納得行くものがありました。
参加者の感想の中にもありましたが、古賀先生のお話は地に足がついていて、とてもわかりやすく、安心感を植え付けてくれます。今回は、外来受診の中でのひとときの参加で、大変お忙しい中私達のために身を粉にしてくださる先生のお姿に勇気をもらいました。感謝。
皆さんのお話を聞きながら、なかなか家庭で自分一人で乗り越えられないときのヘルプがいろんな選択肢があったほうが良いなと思いました。一人の患者もいろんな側面を持ちます、今はこんな状態だから、といった選択肢は家族のも本人も安心の場になります。
またミトコンドリア病だけでないいろんな病の方からもいろんな知恵がいただけるのではないかと美沙緒先生が言っておられましたが、私も常日頃そのように思っています。
希少疾患ミトコンドリア病患者の介護は、病状や、進行によって、臨機応変に、対応してゆかなくてはいけないものと思います。様々な困難を乗り越えなくてはいけない介護は家族だけでなく、地域や本人の個性にも合わせて、セッテイングしなくてはいけないものとも思います。今後色んな角度でミトコンドリア病の周知・理解を求めることにおいても、様々な人とのお話が必要でないかと思います。
美沙緒先生がお帰りの玄関先でのお話
私のリラックスはバイオリンの音色なの。音楽がわかるわけではないけどバイオリンの奏でる音が脳内に行き渡ると、とっても楽になるのよ。
介護の無理は禁物!と言っても、常にないが起きるかわからない臨機応変に対処しなくてはいけない私たち。いつも心が青空なんて無理。泣きたいときは思い切り泣いて、吐き出すことも大事だと思います。今度皆さんのリラックス方法も聞いてみたいな。
参加いただいた方からの声たくさん頂いています。一部ですが掲載させていただきます。
◆グループホームのお話、大切にしていること、心がけていること、利用者さんの想い、チームワーク、、、等、温かい居心地、安心感が伝わってきて、こんな施設で過ごしてみたい、働いてみたいと思いました。
◆今回のzoom会、渡邉美佐緒さんの立ち位置に心ふるえるものを感じました。目には見えないものを「コトバ」として、“強く敏感に”、感受している人々。美佐緒さんがご自分の体験から実感した「強い疎外感を抱く人々の増加」。このことは、障碍者と呼ばれる方々に限らず健常者であるとみなされている方々の多くに広がりつつあるよう。じつは、わたしたちのこと。だからこそ、「障碍者」とか「健常者」とか「○○病患者」のような“枠”を取っ払う感性の復活が大事だと。
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今後の患者会の予定
●今夏、古賀靖敏先生をお招きしての懇親会を計画中。
●今回ギャラリーとしてお呼びした友人の加藤さんは、横浜で介護士として働き、ほぼボランティアで認知症や障害ある方などとお話・踊り・音楽などで、ボーダーレス交流の場(現在はオンライン)を作る活動をしています。その方との交流会も今後計画してみたいと思っています。
●発症して間もない方の不安や、小さなお子さんの対処の仕方も、感じ会える患者会もやってみたいと思います。