グループホーム入所記念日🌸

桜の季節になりましたね。

新しい門出の時候。新しい出会いに期待で胸いっぱいになる頃ではないでしょうか。

さてミトコンドリア病メラスの次男龍は2014年発症から10年を迎え、2024年4月3日にみのりの家のグループホームゆうに入居できる運びとなりました。

みどりの会での介護についてのZOOM患者会でもお話してもらいました。

みどりの会患者会 グループホームなど介護支援について 報告

 

龍の最近のミトコンドリア身体状況は、2022年メラス再発時胃ろうを取り付けてから、食事量も安定し、体重も少し増えるくらいになったこと。薬も定期的に入れられるので、筋肉の動きは前より良くなりました。食べれるときには、ステーキやお寿司も一人前を食べてしまうほどです。

精神症状は悪化しているのですが記憶は戻っているようでそのジレンマで、本人がからだとこころでもだえるような事が起きます。

生き物の絵もかけなくなり、大好きな釣りもできなくなり、友達にもあえなくなり、自暴自棄になって、興奮から乱暴行為が始まってしまうこともあります。

家は、自分ができていた生活臭があり、いろんな物を取り出しては悲しむので、作品や写真など隠しては探し、隠しては探し、捨てるわけにもいかずを繰り返すうちに、デイでの物品まで手を出すことになってしまいました。

そんな折のグループホームは、自活の意味も含めて27歳の青年の旅立ちとして

大きな前進として受け止めたいと思います。そして家族と同じように艱難辛苦を受け止めてくださる地域のか皆様に心から感謝しております。

みのりの家グループホーム出陣の日の記念すべき写真を見てください。

送迎スタッフとお気に入りのはるみさん手編み帽子をかぶってパチリ。ちょっとはにかみ。

 

今回入居が決まりました「みのりの家」は、4年前から生活介護の日中支援のディに通っていた場所で、「ゆう」というグループホームが併設されているので、

この4月は週3日泊まることからはじめられます。

「人は生まれてきたこと、生きていることが本当に素晴らしいことだから、もうそのことだけで十分に尊ばれ、ありのままを肯定される場」が、みのりの家のモットー。

ディではその苦しみを理解してくれ、今回のグルーホームも理解のもとに家庭とグループホームの居場所が常に連携できるように介護を組み立ててくださり、病院での連携、介護での連携も時間を重ねて信頼関係を築いてくださいました。

みのりの家には4年ほどお世話になっていますので、その間に築かれた連携は、汗と涙の結晶と言って良いと思うほどです。

 

良き日に。感謝を込めて。

 

 

 

春分の日 みどりの会茶話会合同ミーティング 報告

Photo  by  樋口淳雄  茶話会当日嵐の後の虹

 

2024年3月20日茶話会合同ミーテイングを行いました。

13時から3時まで

熱心なお話でミトコンドリア病と向き合うあり方を改めて考える時間でした。

 

⚫️便秘は多くの方の悩みでした。便秘になると、食事も進まなくなりミトコンドリアは必然的にへたります。また腸内環境が以下に脳内環境にも影響を及ぼすか如くに大概の人は精神的にもトーンダウンします。

消化吸収を助ける薬や、腸を動かす薬、宿便をこそぎおとす薬、便をゼリー状にする薬、浣腸、テキベン、おなかマッサージ、食事療法、水分補給、体操、、、みなさんがそれぞれ大変工夫して向き合っていることを実感しました。

話の中で、脳神経内科から他科紹介では、特定疾患助成対象にならないことが何度もあるという例があり、医師の技量に委ねなくてはならない状況に疑問が湧きました。ミトコンドリア病は複数の臓器にまたがる疾患ですから、情報提供はもちろんしてもらい、処方薬や診療についても、全国どこの病院でも助成対象にしてもらうべきです。たいへん大きな問題であると思いました。

⚫️てんかんと痙攣について

溶連菌などが蔓延した時期も今年はじめにあり、数名が体調を崩されて発作が起きたようです。心拍や酸素量、顔色の様子など全身チェックして、まずは家族がしっかり見守り、強めの痙攣薬ダイアップなども使用する場合もあり、長引くときは緊急病院へ。本当に綱渡りの家庭でも見守りですが、心得ている家族のあり方に感動します。ミトコンドリア病に限らず痙攣を起こしやすい方は気候や気圧に対してとても敏感。遠方からの天候の変化も体で感じて、家族も身構えるということです。また痙攣止の使い方も、数日ぼーとする時があり、本人にとって良いのか悪いのかなと悩むケースも有りました。また薬に慣れるということもあり経過を見て、増減を主治医に確認してみることも大切なようです。てんかんや痙攣を抑えることも大事だが多少起きていても、本人の生活の質をいかに保つかは家族の観察が大切であるということも話題に上がりました。

⚫️居場所つくり

2年間、グループホームに入所している方のお話では、グループホーム内の生活だけなので、息が詰まるのではないかと親が交互に散歩に連れ出し、月に10時間と決まっている移動支援員とのお出かけも実行。今は薬もうまくいき、安定していると言うお話に、以前のご苦労話から落ち着いた過ごし方にこちらも嬉しい気持ちになりました。

また、この冬に息子さんをなくされたお父様が、息子さんの通われていたディでボランテイアをなさるお話を笑みを浮かべてしてくださったときは心がぽっと暖かくなりました。

時節柄小学校、中学校、成人式のお写真も画面共有できました。誤嚥性肺炎から元気に回復された娘さんのお写真も並びました。おこさんの笑顔は最高に気持が温まりますね。

我が息子も4月からグループホームに入所することが決まっています。

 

まだまだ不安定な季節ですが、皆さん元気に過ごされますように!!

 

みんなのさくらばたけまつり!
遡れば2006年岩田さんのご厚意で焚き火をしながら子どもたちと一緒に一人で踊っていたのが最初でした。
そこから、その年の気の流れで集まる人それぞれのパフォーマンスで、気ままにあるがままに行わせてもらいました。いつもひまわりのメンバーのお手伝いがあってのお祭りでした。
2014年次男がミトコンドリア病発症、開催できない年もありましたが難病の方も一緒に集えるような場作りをしたいという声掛けで惜しみなく寄り添ってくださるアーティストたちとさくらまつりを行うことができました。
今年2024年はミトコンドリア病のみならず、様々な病や心の問題も含めて子供も大人も、様々な人が祭りに運べる滑らかな道筋を作りたいと思いがつのり、急遽RDD公認開催イベントとして行うことになりました。
といっても毎年行うさくらばたけまつりと変わることはありませんが、
地域の方、お子様、様々な人が出入り自由で気ままに参加できるさくらばたけまつりとしたいです。

第4回みどりの会茶話会ミーティング お誘い

photo by    樋口淳雄

ミトコンドリア病患者家族のための茶話会ミーティングをオンライン開催します。
3月20日(春分の日)13時から15時まで

茶話会ミーティングは、患者/家族の生の声を聞き合って分かち合えることもあるのではないかと思い、始めました。

どんなことでも構わないので、ざっくばらんに話し合いしてみませんか?
当会スタッフの遺伝カウンセラーの他、福祉制度などに詳しい相談員も参加予定です。

今回は4回目ですが、初めての方も歓迎いたします。
末尾に参加申込先を明記しておきますので、ご希望の方のご連絡お待ちしています。

また嬉しいことに、今春から研究者田中雅嗣先生が、みどりの会の顧問として、患者家族の皆さんの悩み相談を受けてくださる事になりました。

田中先生は今回の茶話会ミーティングには参加できませんが、お悩み・疑問などを田中先生へお伝えして、後ほどお返事をいただくことも可能です。

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私達が生きていく上で必要なエネルギーのほとんどは、細胞の中のミトコンドリアで作られています。

ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの働きが低下する病気で、症状が様々な臓器に及ぶため、診断治療の困難な病気です。
そして、ミトコンドリア病だからこその生活の悩みがあり、医療や福祉の悩みがあります。

当会では、以下の3つの茶話会を開催しています。

⚫ミトコンドリア病の当事者の茶話会
🔴成人で発症した方々の患者家族の茶話会
🔵小児発症した方々の患者家族の茶話会

専門医のいない患者家族だけでのフリートークは、時に深いお話に繋がっていきます。
先日の「ミトコンドリア病研究公開フォーラム」のお話からひろがるものや、創薬に関する新情報、生活のちょっとしたことなど、なんでも構いません、おしゃべりしましょう。

一人で悩むのでなく、患者家族の絆を強くしてゆくことが、生活する上での勇気に繋がることを願っています。

「LINE茶話会」、あるいはzoomによる「茶話会合同ミーティング」もやっております。
参加してみたい方、どなた様もお気軽にご連絡ください。(どれか一つだけの参加も歓迎します)

連絡先
2022midorinokai@gmail.com
伊藤千恵子

 

ミトコンドリア病患者公開フォーラム報告

息子の症状が様々に変わるため、なかなかパソコンに向かえず報告遅れました。

ミトコンドリア研究の熱は高まり素晴らしい先生たちの発表をお聞きすることができ、

毎年ながら、感謝の気持ちでいっぱいです。

みどりの会としては、様々に思いが上がる中、

「究極の今」を感じる患者家族の声を届ける思い一念でした。

加藤由里子さんに助けられて、作り上げたパワーポイントを

こちらに掲載させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

【2024年2月3日】ミトコンドリア病研究公開フォーラム告知

【2024年2月3日】ミトコンドリア病研究公開フォーラム

 

 

 

あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。

 

2017年患者公開フォーラムで「メラスの息子と生き抜く」をお話させていただきました。当時は情報が少ない中で必死でした。わらをもすがる毎日から、みどりの会の患者家族会を立ち上げ、患者家族の皆さんと交流するうちに希望の道を繋げてまいりました。

 

現在は、活発に活動しているMCM患者家族会からの情報が丁寧に流れるようになり、少しずつ進んでいる研究に希望を持つようにもなりました。

反面、遺伝子研究など、たくさんの情報で頭が混乱さえしている状態です。

今回のフォーラムで少しでも頭が整理できることを望みます。

患者会の活動としては

息子の病状の進行から、新たな不安や問題に頭を悩ます毎日。

やはり原点に帰って、患者の声をしっかり伝える会としての本命を忘れずに行こうと決心する新年であります。

 

これからもどうぞよろしくお願いします。

 

メラスの息子と生き抜く

第3回ミトコンドリアみどりの会 茶話会ZOOMミーティング

 

 

 

phot  樋口淳雄

 

 

 

間近になっての告知ですみません!

12月18日月曜日13時から15時まで

ミトコンドリア病患者家族のための茶話会をオンライン開催します。

 

医師などは参加していませんが、より患者の生の声を聞き合って、患者家族の生活の中で分かち合えることもあるのではないかと始めました。

みどりの会スタッフは、福祉制度など相談員も参加予定です。

今回は3回目ですが、今まで入ったことのないミトコンドリア病患者家族の方の突然参加も受け付けております。末尾に参加申込先を明記しておきますので、ご希望の方、ご連絡お待ちしています。

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私達が生きていく上で必要なエネルギーは、細胞の中のミトコンドリアで作られています。ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの働きが低下する病気で、症状が様々な臓器に及ぶため、実態がつかみにくい難病です。

体のしんどさと精神的なしんどさとが、複雑に絡みあっている病気です。

ミトコンドリア病だからこその生活の悩みもあり、医療や福祉の悩みもあります。

当会では、以下の3つの茶話会を開催しています。

⚫ミトコンドリア病の当事者の茶話会

🔴成人で発症した方々の患者家族の茶話会

🔵小児発症した方々の患者家族の茶話会

 

患者同士の、小さな悩みのお喋りの場をLINEやzoomで作ってから、1年以上が経ちました。

この夏、1回目のみどりの会茶話会合同ミーティングを行いました。
普段の茶話会メンバーに加え、問い合わせがあった有志の方々にも入っていただきました。
皆さんの悩みは深くて、2時間という短い時間では語り尽くせないことも多く、ほとんど自己紹介だけで終わってしまいました。

2回目のみどりの会茶話会合同ミーティングは、一回目の自己紹介を踏まえ、みなさんの悩みとアドバイスのキャッチボールを行いました。
専門医のいない患者家族だけでのフリートークは、なかなか深いものを感じさせました。

3回目は更に掘り下げた、悩みとアドバイスの交換の場として、12月18日に行います。
平日なので、参加が難しいかも知れませんが来年も順次行っていく予定でおります。

 

一人で悩むのでなく、患者家族の絆を強くしてゆくことが、生活する上で、勇気に変わってゆくよう願っています。

「LINE茶話会」あるいはzoomによる「茶話会合同ミーティング」に参加してみたい方、どなた様もお気軽にご連絡ください。(どちらかだけの参加も歓迎します)

連絡先 2022midorinokai@gmail.com 伊藤千恵子

 

順天堂大学で遺伝学的検査が保険診療で実施開始

 

                             写真 樋口氏
先日のつくばミトコンドリア学会で、順天堂大学の岡﨑康司先生が14日にプレスリリースのお話をしてくださいました。
ミトコンドリア病の遺伝学的検査が2022年に保険収載され、順天堂大学で保険診療という形で遺伝学的検査ができるようになりました。
まだまだ遺伝子検査が受けられないで悩んでおられる方も、治療法が安定せずに気苦労の多い方も、今後治療や創薬に向けてミトコンドリア病に明るい灯がともる思いです。

プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES

の記事を掲載します。

ミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンスによる遺伝子検査の実施体制を整備

― 長年の研究成果をもとに保険適応の遺伝子検査を実現 ―

 
令和4年度診療報酬改定(厚生労働省)においてミトコンドリア病(*1)の遺伝学的検査が保険収載されました。従来の臨床検査項目にはミトコンドリアDNAの一部の配列を調べる検査しか存在しませんでした。そこで、これまで順天堂大学大学院医学研究科 難病の診断と治療研究センターがミトコンドリア病研究の一環として行ってきたミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンス(*2)を保険適応検査として実施すべく、順天堂医院臨床検査部(ISO15189認証取得)と協同して検査実施体制を整備し、2023年11月1日より、契約施設からの検査依頼に対する受付を開始しました。

本研究成果のポイント

  •  ミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンスを開発し、600症例の遺伝子解析を完了
  •  順天堂医院臨床検査部(ISO15189認証取得)における保険適応検査として受付を開始
  • ミトコンドリア病の診療から研究までをカバー

研究内容

順天堂大学大学院医学研究科 難病の診断と治療研究センター(難治性疾患診断・治療学)の岡﨑康司教授の研究グループは十数年にわたり、全国から寄せられるミトコンドリア病疑い症例の遺伝子診断に取り組んできました。ミトコンドリア病は先天性代謝異常症として最も発症頻度の高い疾患で、5000人の出生あたり1人が発症すると考えられています。国内の年間出生数を約100万人とすると毎年約200人のミトコンドリア病の赤ちゃんが誕生し、その半数以上の遺伝子検査が順天堂大学で行われてきたという計算になります。

ミトコンドリア病の原因遺伝子はミトコンドリアDNAだけでなく、核のDNAにも多数存在します。そこで研究グループはこれらの原因遺伝子を効率よく一括で調べることのできる“ミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンス”を開発し、効率的な遺伝子診断の仕組みを整えてきました。すでに600症例を超える解析が完了し、その有効性が十分に証明されています。

2020年1月~2022年12月の3年間に解析した449症例のデータを分析すると、この検査方法で遺伝子診断がついた症例は105件(23.4%)でした。このうち核遺伝子変異を原因とする症例が38件(8.5%)、ミトコンドリアDNA変異を原因とする症例が67件(14.9%)でした。その他、臨床的意義不明バリアントをもつ症例が35件(7.8%)見つかり、これらの症例はさらに詳細な解析に進んでいます。(図1)

順天堂医院 臨床検査部では保険適応のミトコンドリア病遺伝子検査として遺伝子パネルシーケンスを実施し、既知変異を報告します。その後、研究に同意されている患者さんについては難病の診断と治療研究センターが行う研究において、より詳細に解析されます。(図2)

今後の展開

AMED難治性疾患実用化研究事業におけるミトコンドリア病研究プロジェクト(通称:AMED村山班)の代表としてチームを長年率いてきた難病の診断と治療研究センター 村山圭教授が、2023年7月1日より順天堂医院 小児科・思春期科での外来診療を開始しており、ミトコンドリア病の診療から研究までをカバーできるようになりました。

順天堂医院におけるミトコンドリア病遺伝子検査(遺伝子パネルシーケンス)は保険診療の対象ですが、本検査のみでは遺伝子診断がつかない患者さんも多数いらっしゃいます。採血の際に研究参加への同意を表明(署名)頂いた患者さんに対しては、難病の診断と治療研究センターがミトコンドリア病研究として遺伝子解析を引継ぎ、全ゲノムシーケンス・RNAシーケンス・機能解析実験などより詳細な解析を行い、遺伝子診断確定を目指していきます。

用語解説

*1:ミトコンドリア病

ミトコンドリアは、ほぼすべての細胞に存在する細胞小器官で、重要な役割の1つとして生命活動に必要なエネルギー;ATPの生合成が挙げられます。ミトコンドリアの内膜に存在する呼吸鎖複合体が酸化的リン酸化反応を利用してATPを生合成しています。ミトコンドリアの機能低下によって引き起こされるのが「ミトコンドリア病」で、エネルギー産生が減少してしまうことによって全身の臓器や器官にさまざまな影響(けいれんや精神症状、筋力の低下、心筋症、肝臓・腎臓の機能低下、難聴など)が現れます。

*2:ミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンス

検査の対象となる遺伝子セットを「遺伝子パネル」、遺伝子パネルに含まれる対象遺伝子の配列を調べる検査手法を遺伝子パネルシーケンスと呼びます。本研究グループが開発したミトコンドリア病遺伝子パネルは、核のDNAにコードされた合計367個の原因遺伝子の他、ミトコンドリアに存在するミトコンドリアDNAの全周(16.6kb)も対象としている点が特徴的です。

学会発表

本研究成果は、第22回日本ミトコンドリア学会 年会(2023年11月14日)で発表されました。

演題:【ミトコンドリア病遺伝子パネル】累計565症例の解析、および保険診療体制の整備

演者:八塚由紀子1)、木下善仁1,2)、杉浦歩1)、岡﨑敦子1)、祁新菊1)、伏見拓矢3)、村山圭1,3)、大竹明4)、岡﨑康司1)

1)順天堂大学難病の診断と治療研究センター(難治性疾患診断・治療学)、2)近畿大学、3)千葉県こども病院、4)埼玉医科大学

本研究はJSPS科研費JP23H00424およびAMED難治性疾患実用化研究事業JP23ek0109625の支援を受け、多施設との共同研究のもとに実施されました。本研究にご協力いただいた患者様および主治医の先生方に深謝いたします。

龍の今後について ケアカンファレンス

PHOT byヒグチ

11月16日

メラスの次男龍についてのケアカンファレンスが行われました。

龍が最近暴力的になっていることもあり、重度身体介護の必要性もあるということで、生活の見守りでどれくらい必要なことがあるか、市の制度とのすり合わせの必要もあり、相談員の山田さんが多方面の方に声をかけ、ケアカンファレンスを行うことになりました。

2021年の再発から2度めのケアカンファレンスで、

市役所福祉科、保健所、生活介護もえぎ、生活介護+グループホームみのりの家

福祉サービスみちびき、相談員

7名の方が集まってくださり、家庭での希望を伝え、医療サイドのつながりを確認しながら、福祉面から、生活面から、どんな事が必要であるか、それに当たって制度を使って、龍に対してどのような介護が可能か意見交換してもらいました。

我が家には高齢の介護もあり、母親の仕事やライフワークなどとの折り合いもいればがら話が進んでいきます。

そして一番の目標が27歳の龍が龍の居場所を家庭とは別に持つという、グループホームの入所についてです。

みのりの家でのショートステイがこの一年でゆっくり行われ、他のミトコンドリア病の方の介護もあった御縁で、龍のお部屋が1室設けられることになりました。

一年間色々ありましたが、1週間に金曜日だけお泊りを体験し、入浴、食事、就寝と繰り返されたことで、龍の中にも、自分だけのお部屋が現実のものとしてあるというよろこびを感じています。先日ショートの風呂上がりに熱を出し、迎えに行きましたが、受けいれてもらえている安心した本人の様子を確認しながら、自宅に連れてきました。熱を出して心配するグループホームの仲間たち、そして介護する数名の介護者。とても暖かいやり取りがなされていました。本人にとっても、家もあり、グループホームもあり、という行き来が自然に受け入れているということを実感しました。

朝の目覚めはとても大事です。起きてからリラックスできるバルコニーでくつろぎ、好きなお肉の匂いが漂い、食に繋がる余裕ある介護。時として興奮冷めやらぬとき、寄り添って受け入れてもらえる安心感。今後もきっといろんなことがあるに違いありませんが、、。

 

今はグループホームお試し期間ですが、来年から週3日から始まるグループホームに向けて生活の見直しを図っている次第です。

 

今必要な介護を少しずつ地盤を固めていくことで、生活の道がつながることに期待しています。

感謝。

つくばミトコンドリア学会懇親会参加報告

 

2023年11月14日

三牧先生からお誘いがあり、つくばミトコンドリア学会プログラム|第22回日本ミトコンドリア学会年会 (jmit2023.com)

懇親会に参加してまいりました。

 

簡単なご報告遅くなりましたがさせていただきます。

 

POLG症候群の患者会https://polgfoundation.org/

代表のジュリーさんとお話しました。

私は英語が話せませんので、あらかじめ用意しておいた挨拶文(にゃんこさんの英訳付き)、と、イラストを渡しました。挨拶文を読んでいるジュリーさんは、龍とジュリーさんの息子さんがほとんど似た状態であるとわかると、目がうるんできました。私達は見つめ合い、お互いの心で励まし合いました。

それから先は、薬学博士の有澤先生が、通訳に入ってくれました。私はイラストを作品にしてミトコンドリア病の周知啓発を行っているように、ジュリーさんは素敵な素材でジュリーさんの息子さんがデザインしたPOLGという文字を入れた素敵な帽子を頒布してミトコンドリア病の周知啓発運動をしていました。
そして参加していたMCMの山田さんも見つけ出して、一緒に患者会としての意見交換もできました。山田さん英語が堪能でした。今後、海を超えた患者会同士の有効な交流が深まっていけることを望んでいます。

 

順天堂大学の岡崎先生のお話では、ミトコンドリア病の遺伝学的検査が2022年に保険収載され、順天堂大学で保険診療という形遺伝学的検査ができるようになるということです。

尊敬する古賀先生についての話もでました。私は、今なお慢性期に入り、視覚・聴覚障害が起きて大変苦労している方が、彼にとって有効なアルギニン点滴が可能にならないことを相談したいと思って今回の学会懇親会にも参加しました。そして数名の先生たちにお伝えし、再度時期を見て、先生たちに相談のメールを書こうと思っています。今回の挨拶文にアルギニンのことも入れようと思って、考えあぐね、やめましたが、いれたら、波紋は広がったかなと、思ったりしました。

 

●大竹先生が、北先生を紹介してくださり、いろんな相談に乗ってもらえるようにしてくださいました。9月くらいか?着床前診断のための患者会のコメントを大変よろこんでくださっていて、埼玉医大で行っているミトコンドリア病のかたの妊娠が続行しているという嬉しいニュースもいただきました。
明日くらいに、遺伝子検査の保険適応のニュースが流れるようです。

自治医大の小坂先生のアポモルフィンの研究を実際に行っている大学院の紹介もありました。
大竹先生からは、ミトコンドリア病の着床前診断のお話もありました。そして生化学研究の薬学博士 北 潔先生を紹介していただきました。

 

秦野から3時間かけてでかけ、しかも、ついた駅からバスを乗り間違え、駆け巡る大変な一日ででしたが、たくさんの専門医との交流を、今後のミトコンドリア病の皆さんとのつながりに活かしていけたらという思いでおります。

 

最後に拙い挨拶文ですが、付記しておきます。

2023年つくばミトコンドリア学会懇親会の手紙