早いもので10回目になるんですね。感慨深いです!!
先日お伝えしましたように、ミトコンドリア学会ではミトコンドリア病だけでなく、若返りやガン、他の神経疾患にも通じる幅広い分野での研究発表をお聞きしましたが、ミトコンドリア病の患者家族に寄り添った研究公開フォーラムをたんたんと続けてくださっているジャンプミット並び関係各団体に感謝いたします。

ミトコンドリア病患者・家族親睦会
早いもので10回目になるんですね。感慨深いです!!
先日お伝えしましたように、ミトコンドリア学会ではミトコンドリア病だけでなく、若返りやガン、他の神経疾患にも通じる幅広い分野での研究発表をお聞きしましたが、ミトコンドリア病の患者家族に寄り添った研究公開フォーラムをたんたんと続けてくださっているジャンプミット並び関係各団体に感謝いたします。
2025年最後のミトコンドリア病患者家族のための茶話会ミーティングを、オンライン開催します。
12月28日日曜日13時から15時まで。(zoomを使用します)
出入り自由、聞くだけでもOK。参加したい方は連絡お待ちしています。またZOOMができるか不安な方も、前もって技術スタッフが対応いたしますのでご連絡ください。
今年は5月に古賀靖敏先生を囲んでのアルギニンの勉強会と12月の三牧正和先生を囲んでのてんかんなど神経症状についての勉強会を行いました。その感想やその後の悩ましい症状についての相談などをし合っても良いと思います。またMA5治験についてのお話などしても良いと思っています。寒くなったので悩ましい症状は続いているかもしれませんのでお疲れ様しましょう。
ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの機能が落ちてしまう病なので発症年齢も、経過も、症状もみなさん違い、「患者の今」を把握してゆくことは大変難しいと思います。また、医療や福祉でも、対応が難しく、諸問題の悩みを抱えることが多いのではないかと思います。
茶話会ミーティングは、患者/家族の生の声を聞き合って、分かち合えることもあるのではないかと思い、始めました。
どんなことでも構わないので、ざっくばらんに話し合いしてみませんか?
年末でお忙しい時期ですからご用事のある方も多いかもしれませんが、患者家族のみのミーティング(専門医はいません)ですので、お気軽に参加してみてください。
みどりの会は会員制ではありませんが、日頃の悩みを分かち合えるようにと、ライングループも作っております。ライングループでは随時、茶話会のお知らせをしていますが、ラインに入っていない方でも、ブログを見て、参加してみたい方は、ぜひご参加ください。
末尾に参加申込先を明記しておきますので、ご希望の方のご連絡お待ちしています。
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私達が生きていく上で必要なエネルギーのほとんどは、細胞の中のミトコンドリアで作られています。
ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの働きが低下する病気で、症状が様々な臓器に及ぶため、診断治療の困難な病気です。
そして、ミトコンドリア病だからこその生活の悩みがあり、医療や福祉の悩みがあります。
ミトコンドリア病の方の社会を広げるために、私達は何ができるでしょうか。
とりあえず、患者会でできることは患者家族同士の親睦を深めて、悩みに対してお互いに考えてみることではないでしょうか。
どんな悩みでも、一人で悩むのでなく、患者家族の絆を強くしてゆくことが、生活する上での勇気に繋がると思います。
「LINE茶話会」、あるいはzoomによる「茶話会合同ミーティング」
参加してみたい方、どなた様もお気軽にご連絡ください。(どれか一つだけの参加も歓迎します)
連絡先
2022midorinokai@gmail.com
伊藤千恵子
開催報告! 三牧正和先生勉強会:てんかんなどの神経症状と生活の工夫
ミトコンドリア病患者家族にとって、てんかん発作などの症状は最も心を乱される症状の一つだと思います。自分も何が起きているのかわからない状況、どうなってしまうかわからない症状にどれだけ不安を抱いたか計り知れません。
12月13日、三牧正和先生による勉強会には、その不安を「知る力」に変え、治療のためのアドバイス、生活のQOLを上げるための工夫が込められておりました。
①発作時の動画撮影が、診断においてとても重要であると強調されました。なぜなら、動画には医師が診断を下すための 大切な手がかりが詰まっているからです。
こうした細かな観察点は、発作が脳のどの部分から始まっているのか(「焦点発作」か「全般発作」か)を判断する上で、脳波検査と同じくらい、あるいはそれ以上に大切な情報を与えてくれます。
例えば、片腕を伸ばし、顔をそちらに向け、もう片方の腕は弓を引くように曲げる「フェンシング」のような姿勢。このような左右差は、脳の特定の部分から始まった「焦点発作」であることを示す証拠になりうる、というお話でした。
②発作時の応急手当、「してはいけない」こと
体を無理に押さえつけても発作は止まりません。むしろ、本人のパニックを助長する可能性もあります。また、「舌を噛むのではないか」と心配して口に物を入れる行為は危険です。舌を噛んでも命にかかわることはまずありませんし、舌を噛むのはほとんどが発作の最初の段階なので、発作に気づいてから対応しても噛むことを防ぐのは困難です。むしろ、口に物をいれると呼吸が妨げられるし、口に入れられた物が喉に詰まり、窒息を引き起こすリスクもあります。
本当にすべきこと
「仮に発作が5分、10分続いたとしても、その後きちんと元に戻ります。窒息や転倒などの事故さえなければ、後遺症を残すことはありません」。慌てず、安全を確保し、冷静に観察すること。それが、本人にとって最も安全で、かつ後の治療に繋がる最善の対応なのです。
「5分以上続く場合は救急車を検討」それは、5分で脳にダメージが起きるからではなく、「5分を超えると発作が自力で止まりにくくなる傾向がある」ため医療機関での対応を早めに検討した方が良い、という意味です。実際に後遺症のリスクがあるのは、発作が30分以上続いた場合といわれています。5分という数字にパニックにならず、落ち着いて行動するための目安です。
③すべての「てんかん」は同じではない:「焦点発作」と「全般発作」という違い
「てんかん」と一括りにされがちですが、実はその発作には大きく分けて2つのタイプがあり、この違いを理解することが治療の鍵を握ります。
この分類が重要なのは、使う薬が変わってくるためということです。焦点発作に有効な薬が全般発作には効かなかったり、その逆もまた然りです。場合によっては、誤ったタイプの薬を使うことで、効果がないばかりか、症状を悪化させてしまう可能性すらあります。
したがって、医師が発作の様子や動画を重視するのは、この2つのタイプを正確に見極め、最も効果的な薬を選択するためなのです。
④一般的な薬が禁忌薬にもなりうる
てんかん治療において広く使われている薬であるバルプロ酸(商品名:デパケン、セレニカなど)は、多くのてんかん発作に有効ですが、ミトコンドリアの機能を低下させる可能性が指摘されています。とりわけ「POLG1異常症」という特定の遺伝子異常を持つ患者さんにとっては、重篤な肝障害を引き起こすリスクがあるため、使用を避けます。しかし、その他のミトコンドリア病においては、他の薬ではどうしても発作をコントロールできない場合に、リスクを慎重に評価した上でバルプロ酸が使われることもあるということです。
「正確な診断の手がかり」を家族が提供すること。遺伝子レベルの診断に繋がる情報が、こうした危険な薬を避けるための最初の、そして最も重要な一歩です。
⑤ それは「脳卒中様発作」か、それとも「てんかん」か?
ミトコンドリア病メラス(MELAS)の患者さんを悩ませる「脳卒中様発作」。これは、突然の頭痛や視覚異常、麻痺、痙攣などを引き起こす症状です。
この症状が、脳卒中様発作によるものか、てんかん発作なのか、区別が難しいことがありますが、最近は「脳卒中様発作そのものが、実は脳の過剰な興奮状態であり、広い意味でてんかんと同じような病態である」ととらえて治療介入を行うべきだと考えられています。
かつては、この二つを区別して治療することが試みられていましたが、早期から積極的にてんかんの治療を行うことが推奨されるようになっているということです。これは、メラス患者さんの予後を改善する可能性を秘めています。
⑥ 生活の工夫。
寒さ・暑さ対策、紫外線予防のサングラスの使用。
食事もケトン食で良くなった場合もありますが、頑張りすぎず、無理なく、なるべくバランスよく良い脂肪をたくさん取ること。
今回の三牧正和先生のお話をお聞きし、正しい知識を持つこと、客観的に対応することが、未来を照らす光になると感じました。
ミトコンドリア病とてんかんの関係は、私たちが想像するよりもずっと複雑で、奥深いものです。しかし、不安に立ち尽くすのではなく、家族だからこそできることがある、という確かな希望でした。
てんかんとの向き合い方は、決して一つではありません。
複雑に絡み合った症状があるからこそ、色んな視点から本人の状態を見ることも大事だと思いました。
私事ですが、本日私は息子の脳神経の代理受診でした。
今回の三牧先生の勉強会で得た知識を持って、主治医に「右足がぴくんと痙攣するミオクローヌスだけでなく、足がねじれてしまう症状も起きていたこと」を報告できました。
息子は幸いにも、あるてんかんの薬を増量したためか痙攣は止まり、足のねじれもなくなったので歩行が可能になりました。
今回の情報をもとに、主治医との対話を一歩深めてみることも大事だと思いました。その小さな一歩が、未来を照らす確かな光になると思いました。
進行をずっと見守ってくださったみどりの会顧問の田中雅嗣先生も、複雑な脳の中の仕組みをきちんと理解し、洞察していることに驚き、何より三牧先生が一人ひとりの患者様と向き合って、誠実にお応えくださる姿に感動なさっていました。私たちも会の間ずっと一緒に考え、勉強なさっている田中雅嗣先生の姿に癒やされていました(笑)。
参加してくださった皆様、本当に有意義な楽しい勉強会ができましたこと感謝いたします。具体的な質疑応答については大切な個人情報もありますのでこちらには表記できませんことをご了承ください。
最後まで一緒に悩んで、患者家族に寄り添ってアドバイスを下さった三牧先生に感謝いたします。
ありがとうございました。