6月13日みどりの会ピルビン酸ZOOM報告

このレポートは、ピルビン酸を必要な患者に届けたいと、声を上げてくれた3人の患者家族の方達による、貴重な資料です。

生活の殆どを患者のケアに当てながらも、先生たちに必死に声を上げ、まとめてくれましたことに感謝いたします。

田中雅嗣先生と古賀靖敏先生の講義については、後日レポートいたしますので、もう少しお待ち下さい。

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レポート

■開催日時 6月13日(日)19:00~21:00

■参加者 田中雅嗣先生 古賀靖敏先生 村山圭先生(順不同)

きらら(みどりの会代表) 他11名

■田中雅嗣先生より

「ピルビン酸薬の開発について」スライドでご説明(編者:後日掲載予定です)

■Aさんから質問

1)ピルビン酸はミトコンドリア病に効果があるように思う。治験が中止になった理由を知りたい。

→田中雅嗣先生

治験を開始する際に、ミトコンドリア病の重症度の点数を良くする(病態を改善する)ことを PMDA(医薬品などの承認審査・安全対策・健康被害救済の3つの業務を行う組織)に約束して治験を始めた。明確な変化がないと治験の継続を認めない約束だったが、残念ながら明確な変化があったとは認定されなかった。

詳しくは後ほど古賀靖敏先生からご説明いただく。

2)再治験、再審査は可能なのか?

→田中雅嗣先生

再審査はできない仕組みになっている。再治験も非常に難しい。

ピルビン酸の治験を行うのに、国から10億円くらいの投資をしてもらっていた。

治験を継続するために、協力してくれる製薬会社を探したが、4社に断られてしまった。

元々治験に協力してくれていた製薬会社に再協力していただくのに10億円。治験継続するために最低でも30~40億円かかる(と製薬会社は考えている)

■村山圭先生からご質問

ピルビン酸を投与すると乳酸値は上がりそうですが、上がらないのはなぜか?

→田中雅嗣先生

高乳酸血症の方などは、腎臓からたくさん乳酸が尿に排出されるが、それが再吸収されないので上がりすぎない。

■古賀靖敏先生より

Aさんの質問(2)に対してのご回答

再治験については、製薬企業が決まっていないので不可能。

治験には十分なエントリー数が必要なのと、エンドポイントを明確にする必要があり、それをもとに審査するので再審査は不可能。

(エンドポイントとは。治療行為の有効性を示すための評価項目のこと。臨床試験(治験)でのエンドポイントは、治療の目的に合っており、なおかつ、客観的に評価できる項目が望ましいとされている。エンドポイントの事後の変更は認められない)

■Bさんからご質問

1)田中雅嗣先生のスライドでのお話にあったピルビナック(ピルビット+ナイアシン)アシドーシスの補正材で治験は行われるのか?

(ピルビット→田中雅嗣先生命名のビルビン酸ナトリウムの名称。ピルビナックも田中雅嗣先生の命名)

→田中雅嗣先生

ピルビナックは私(田中雅嗣先生)の夢。実際は2つの薬剤を併用する場合は、1つ1つの薬の安全性を個別に確認しないといけない。

2)田中雅嗣先生のスライド解説の中にあった、ナイアシン療法は日本では可能か?

→田中雅嗣先生

フィンランドで限られた患者さんに試して、ちょっといいかな?くらいの効果。安全性の保障はないので投与するのは自己責任で。

3)水素水は効果あるか?

→田中雅嗣先生

私の周りにも研究されている方がいらっしゃるがあまり効果はないんじゃないかな?

■古賀靖敏先生より

「ピルビン酸治験中止の理由」についてご説明(編者:後日掲載予定です)

■きららさんからご質問

久留米だけでの治験だったのか?

→古賀靖敏先生

オールJAPANで行った。

古賀靖敏先生の患者様150名の中の、選りすぐった13名の方による自主臨床研究(治験の前に行われる臨床実験)では良い結果だったが、オールJAPANで行った治験では良い数字が出なかった。(編者:理由はスライドの中で解説されていますので、後日アップします)

きららさん「QOLが下がった時に選択肢としてピルビン酸があると安心ですね

■Aさんから質問

以前古賀靖敏先生とお話した際に糖尿病薬としてピルビン酸の治験を、というお話を伺ったがどのようになっているのか?

→古賀靖敏先生

今はそのような治験はしていない。(インスリン注射による薬物療法が定着したため)

■Cさんの質問

ピルビン酸の効果を感じているので今後も安心して服用したい。

服用するにあたり

1)炭水化物の摂取を控えた方が良いか?

2)水以外の水分と混ぜても大丈夫か?

→Gさんの経験談

量が多かったけれど、水で服用できていた。

→きららさんの経験談

クエン酸だと割とのみやすかった。

→古賀靖敏先生

・食事に制限はない。

・オレンジジュースなどでも大丈夫。

■Dさん

病院で採血すると乳酸値が高くなったので、糖を制限していたが、制限しすぎと病院で指摘され普通の生活に戻している

■Bさんご質問

1)ピルビン酸がやはり諦めきれないので、コンパッショネートユースでどこかで入手できないか?

→古賀靖敏先生

大阪母子医療センターでは病院長の許可をとって使用している。

ただし、治験ではないので効能、効果を訴えても医薬には繋がらない。

2)全国的に広がるのは難しいのか?

→古賀靖敏先生

判断できるドクターは少ない。

3)サプリメントにはならないか?

→田中雅嗣先生

中国産のピルビン酸カルシウムというのがアメリカで販売されている。

下痢が少ないようだが、安全保障がない上に高価になる。

→きららさん

大阪母子医療センターに問い合わせるということも考慮してみてもいいかも。

4)再治験のために先生方に協力できることがないか?

→古賀靖敏先生

たくさんの方が服用していると、治験が成り立たない。

6月23日のアメリカのUMDF(米国ミトコンドリア学会)でピルビン酸研究の話をする予定。

■Eさん(アメリカ在住)

アメリカと日本の情報も違うところがあるので、興味深い

■Fさん

高齢の方にも良い薬などはあるか? また透析についてお伺いしたい

→古賀靖敏先生

透析をすると、悪いものが抜けるが良いものも抜けてしまい、Melasの方などは、透析後にアルギニンが不足して頭痛を起こす方がいる。

透析前後でアルギニンを別包で服用すると良い。

以上。