皆さんにお伝えした問い合わせ先ですが
以下に変更になりました。
お間違えのないように
よろしくおねがいします。
申し込み用アドレス mcmmidori@gmail.com
有効な会に盛り上げんと実行委員会を作り、準備をしていく所存でおります。
提案意見、お気づきの点何でもお寄せください。
どうぞよろしくおねがいします。
ミトコンドリア病患者・家族親睦会
皆さんにお伝えした問い合わせ先ですが
以下に変更になりました。
お間違えのないように
よろしくおねがいします。
申し込み用アドレス mcmmidori@gmail.com
有効な会に盛り上げんと実行委員会を作り、準備をしていく所存でおります。
提案意見、お気づきの点何でもお寄せください。
どうぞよろしくおねがいします。
オールジャパンミトコンドリア病患者家族会~専門医を囲んで~
(Zoomにて開催いたします。出入り自由)
埼玉医科大学倫理審査委員会委員長、小児科・ゲノム医療科、
難病センター医師、
?小坂仁先生
自治医科大学小児科学教授
専門;小児神経学、ミトコンドリア病と遺伝子治療研究
?後藤 雄一先生
国立開発研究法人 国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター長
?田中雅嗣先生
イムス三芳総合病院 臨床検査科・順天堂大学 神経学
(ミトコンドリア病に対する遺伝子治療・ピルビン酸療法・診断法の開発に関する基礎研究)
?三牧正和先生
帝京大学医学部小児科 主任教授
?村山圭先生
千葉こども病院・遺伝診療センター長 代謝科部長
千葉がんセンター研究所 主任医長
日本先天代謝異常学会理事・副理事長、
プログラム(予定)
1 開会
2 各専門医による最新研究や治療薬、ミトコンドリアの最新のトピック
3 質疑応答 事前の質問、及びその場での質問
4 閉会
5 ミトコンドリア動画(みどりの会制作)15分
* 申し込み *
8月27日(金)までに、下記アドレスまで、メールにてお申し込みください。
申し込み時に、
①お名前
②ご住所(住んでおられる都道府県、市町村まで)
③簡単な自己紹介( 患者様の場合、病名、年齢など)
④当日連絡がつく電話番号
⑤Zoom招待状受け取り用のメールアドレス(パソコンでzoomに参加なさる方はパソコンのメールアドレス。スマホで参加なさる方は、スマホで受信できるアドレス)
以上をご記入ください。
※Zoomに不慣れの方は、遠慮お書き添えください。技術スタッフが当日の操作がうまくいきますようにアドバイスいたします。
また、専門医の先生方に質問のある方は、8月31日(火)までに、下記アドレスにお送りください。当日、先生方が答えて下さいます。
申し込み用アドレス mcmmidori@gmail.com
問い合わせ先は以下でもOKです。
* 共催 *
?ミトコンドリア病患者・家族の会(MCMの会) 高橋 和恵
連絡先 mcm@mitochon.net
?みどりの会 代表 伊藤千恵子
連絡先 himawarinotubu@gmail.com
みどりの会から
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7月31日(土)13:30~
古賀先生を囲んでみどりの会 ZOOM患者会を開催致しました。
総勢13名でのZOOMでは、様々な質問が飛び交い、経験豊富な古賀先生の貴重なお話を沢山伺うことが出来ました。
アルギニンについての話題も多く、急性期に劇的な効果を得られた方や、安定した状態を保てるようになった方、定期的にアルギニン点滴行い症状を保てている方、入院の頻度が激減した方、沢山の保険適用を望む声が上がりました。脳梗塞用発作の予防や、急性期の治療薬として申請予定となっていますが、アルギニン点滴の保険適用を望む声も上がりました。
その他にも、食事療法や、無呼吸症候群、成長ホルモン療法、アルギニンの摂取量、感音性難聴、人工内耳手術、抗精神薬の使用に関して、B1依存性のPDHC欠損症、診断バイオマーカー(GDF15)、などなど参加者からの疑問質問に古賀先生が用意して下さったスライドも交えながら、丁寧に回答を頂きました。
今回は、事前に参加者からの質問を古賀先生へ送り、ZOOM開催前に参加者へ返答してくださいました。
事前の質疑応答を終えた状態からの開催となり、更に詳しい、入り込んだ質問へと繋がり、とても活発な充実した内容の会になりました。
「自分の外来患者さんだけではなく、色々な患者さんの悩みやお話を聞いてみたい」と言ってくださり実現したZOOM患者会。先生の温かい人柄に、感謝致します。
by Harumi
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
古賀靖敏先生を囲んでみどりの会ZOOM患者会
7月31日土曜日13時半から
対象:ミトコンドリア病患者家族及び関係者
無料(カンパ大歓迎) 人数制限なし
問い合わせ先
himawarinotubu@gmail.com
090-7196-2751 みどりの会伊藤千恵子
締め切り 7月24日
古賀先生に聞いてみたいことがある方は、事前に送っていただき、
それらの質問を中心に古賀先生からお話をお聞きできる形にしたいと思います。
質疑応答のキャッチボールが出来ることで、患者のケアの知恵もシェアできたら
と思っています。
みどりの会として、アルギニン保険適応について動き出したのは、2020年年初からでした。
2021年、古賀靖敏先生が久留米大学病院を退官となった、4月に、古賀先生に余裕ができたため、大量の治験資料をが我が家に届き、再度動くことになりました。一患者家族として動くことは非力ですが、患者の声を聞いて、動いてくださる先生の力は絶大です。今古賀先生は、大変な申請書を患者家族のためにまとめてくださっています。感謝。
そんなやり取りの中、古賀先生は、みどりの会のZOOM会に興味を持ってくださり、「自分の外来患者だけでなく、いろんな患者様の悩みを聞いたり、お話をしてみたい」と言ってくださいました。病院に行っても、数分の診察で、敷居の高い雰囲気の中で、戸惑いを感じていらっしゃる患者様もおおいのではないかと思います。古賀先生は、実にたくさんのミトコンドリア病患者を外来で診てくださり、いろんな角度からの相談を受けてくださった日本でも数少ない専門医です。
古賀先生からみなさまへ
事前の質問内容が判明すれば、ぴったりのスライドや資料を準備さ
ご遠慮なく仰ってください。
オンラインみどりの会楽しみにしています。
有料ZOOM購入しましたので、人数制限もありませんし、様々な操作を技術スタッフに頼んでやれるようになりました。
古賀先生からのスライド説明、皆さんからの具体的な資料も載せながらお話を進めることも出来ると思いますのでその都度ご希望をお聞かせください。閉塞的になりやすいコロナの時期ですが、なんとかミトコンドリア病に開かれた道をつないで,前に進んでいきたいと思っています。
……………………………………………………………………………….
古賀 靖敏先生
プロフィール
学歴
1980年3月 久留米大学医学部医学科 卒業
1984年3月 久留米大学大学院医学研究科 満期終了
資格・免許
1980年6月 医師免許証取得(第255132号)
1984年3月 医学博士の学位取得(久留米大学甲第470号)
1985年4月 日本小児科学会専門医(002880号)
2020年8月 日本専門医機構認定指導医(S002880号)
職歴
1980年4月 久留米大学医学部助手(小児科学講座)
1986年7月 国立精神・神経センター神経研究所 流動研究員
1989年4月 コロンビア大学医学部神経内科 Post-doctoral research fellow
1992年9月 コロンビア大学医学部神経内科 Associate professor
1994年4月 久留米大学医学部講師昇任(小児科学講座)
2001年10月 久留米大学医学部准教授昇任(小児科学講座)
2005年3月 久留米大学医学部教授昇任(小児科学講座)
2007年10月 久留米大学病院臨床試験センター 副センター長
2011年4月 久留米大学臨床試験審査委員会 委員長
2021年3月 定年により久留米大学退職・久留米大学名誉教授・客員教授
2021年4月 ふくむら小児科勤務
学会活動(所属学会・役職など)
日本小児科学会・代議員・薬事委員
日本ミトコンドリア学会・理事
アジアミトコンドリア学会・理事長
日本先天代謝異常学会・代議員 ・薬事委員
日本小児神経学会・代議員・薬事委員
国際貢献
国際学会主催
2010年7th Conference of Asian Society for Mitochondrial Research and Medicine/10th Conference of Japanese Society of Mitochondrial Research and Medicine President
2019年16th Conference of Asian Society for Mitochondrial Research and Medicine/19th Conference of Japanese Society of Mitochondrial Research and Medicine President
国際学会学術サポート
2020年 Mitochondrial Medicine 2020 Cambridge, UK Organizer
2021年 Mitochondrial Medicine 2021 Cambridge, UK Organizer
国際組織委員
NIH(USA), common date elements “mitochondrial disease” section, Advisory board of biomarker section
Global Mitochondrial Consortium (International), Counsel member
UMDF (United Mitochondrial Disease Foundation), Advisory board
Mitochondrial Medicine Society (MMS), Advisory board
Mitochondrial Medicine Conference (University of Cambridge), Advisory board
Euromit Society, Advisory board
Asian Society of Mitochondrial Research and Medicine, Counsel member
Orphan disease in Europa, Advisory board
特許
1.国内国際特許・アルギニンInternational (Euro, USA)
Composition for preventing/treating the expression of clinical symptom in disease caused by mitochondrial dysfunction. International application number: PCT/JP03/12891
EU:10/530056
Domestic (Japan)
2.ミトコンドリア病診断用バイオマーカーとしてのGDF15. 特許第6711966号
3.【特許出願】
危急疾患における予後を判定するためのバイオマーカー. 出願番号:特願2021-6020
第2回
Miracles for Mito & みどりの会
2021年6月26日(土)9:00~
参加者
患者・患者家族・翻訳/技術サポートスタッフ
日本 8名 アメリカ 5名
内サポートスタッフ 3名
流れ
◆懇親会での内容は非常に貴重なものであり、また個人情報が多く
含まれていますので、各自慎重に取り扱ってください。
◆個人的にコンタクトを取りたい方同士をつなぐことも可能です。
◆事前に送信済みの参加者の自己紹介をもとに、各自簡単なご挨拶
◆質疑応答・意見
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⭕患者会の運営についてのアメリカの状況について
【みどりの会】➡
アメリカでは、患者家族の組織が多く、活発に活動している印象があるが、
日本では患者会が盛んに稼働しておらず、患者・家族同士の繋がりをもてる
機会がとても少ない。みどりの会のように個人が発起人となり動いている。
アメリカでは、どのような活動をしているのか。
【Miracles For Mito】➡
(Miracles for Mitoは、アメリカのコロラド小児病院の患者家族が立上げた組織)
ホームページやInstagram、Facebook、などのSNS、病院の掲示板などを利用て
活動を周知している。基本的に、コンタクトをしてこられた方に対して、情報の
共有やサポートを心がけている。こちらから積極的に踏み込まず、患者家族サポートを提供している。(タイミングが大事ということを強調)
週に5~6人との電話相談を受け、プライベートな話をしたり、精神的に繋がり合う関係づくり。遠方の孤立しやすい患者さんにも孤独を感じさせないよう、SNSを利用して活動している。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⭕患者の生きる保障について
【みどりの会】
患者を介護する家族は、日常生活での介助や、通院などもあり、介助者の仕事通
常にこなすことが難しく、収入にも影響がある。日本では、患者本人への助成あ
るが、それでは賄えない状況。アメリカではどのような状況なのか。
【Miracles For Mito】➡
国や地域により様々で、とても難しい問題。
住むエリアによって、受けられる助成や支給サービスは異なる為、
自治体によるサポートを申請して利用するべきだと思う。
それ以上の範囲になると、政治的な介入も必要になってくる。
【みどりの会】
現在アメリカ在住で、以前は助成を受けられていたが、勤務時間の調整などをい
つつ勤務再開したが、、助成は打ち切られてしまった。ミトコンドリア病単体での助成がない。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⭕ピルビン酸ナトリウムについて
【みどりの会】
ピルビン酸ナトリウムの治験に以前参加しており、服用している際の状態がとも
よかったが、治験中止になってしまった。アメリカでの状況や、副反応について知りたい。日本での再度の治験は難しい状況。
【Miracles For Mito】
治験が終了したとしても、主導医師に直接相談して入手できるのではないか。
アメリカでは、頻度は少ないものの、小児の重症患者には使われている。
その臨床経過の記録は多くはないが、個人の経過を追っての経過記録などはり、
その経過は良好。
大きな副反応は見られておらず、便が緩くなる程度の反応がみられている。
効果を感じる患者に対しての摂取ができるように個人的には望んでいる。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⭕遺伝子変異の国定について
【みどりの会】
遺伝子変異の確定について。日本では患者会もあまり盛んではなく、遺伝子の確定がされていない人との出会いがほとんどありません。
【Miracles For Mito】
遺伝子の検査でミトコンドリア病の変異遺伝子が確定できていない人はとても多くいます。検査を進めると現在ミトコンドリア病とは直接関係していない変異が見つかったりもします。ですが、毎年毎年新しい変異が見つかっているので、その手掛かりになるはずです。将来的にミトコンドリア病の確定遺伝子となる可能性もあります
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⭕アメリカ側の患者さんの声
【Miracles For Mito】➡
私の住む町の周りには同じ病気の人がいません。病院の医師もミトコンドリアを知らない。SNSで繋がれていることで、情報ももらえるし、相談したり話したりすることもできるので、孤独を感じないで生活が出来ている。
地域・病院格差があるのは、日本もアメリカも同じように思いました。
コロラドのこども病院で知り合った患者家族の輪は、地道に広がっていますね。
今回のミーティングは、1時間という時間を設けての会でした。
そのため、事前に日本側からの質問全てを聞くことは時間内ではできず、
後日、受けた質問に対してのMiracles For Mitoからのとても親身な回答を
頂いております。Miracles For Mitoからの回答を頂いてから、質問者に返答する対応をしたいと思います。
以上
::::::::::::::::::::::::::::::::::::
はるみさんのレポートです。心から感謝します。
患者家族の一人として参加することが一番大事ですので、客観的にまとめるのは、至難の業だと思います。しかし的確にまとめてくださるのは、やはりミトコンドリア病の子供を毎日しっかり見守りながら、身についた業かもしれません。
アメリカとの交流はこれからも続けていきたいです。
いのちのつなげるたいせつなミトコンドリア。
生きとし生けるもの全てに必要なもの。
ミトコンドリア病は世界に存在する。だからこそいろんな人種のいろんな知恵も病を背負う人たちの輪を大切に、命のために探ってゆきたいと思っています。 絵 伊藤龍
伊藤千恵子
日本のミトコンドリア病の一線でご活躍される先生方の講義は、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
講義内容
ミトコンドリア病
対象患者数 国内約2000人 全世界で約50万人
疾病の概要:ミトコンドリア病は生命維持に必要な ATP を十分に作ることができず、
ミトコンドリア病では 高乳酸血症の方が多い。
特に髄液の乳酸値が高い方ほど、
なんとか高乳酸血症を治療できないかと、
2007年 田中雅嗣先生が、(世界で最初に)
・・・・・・・・・・
高乳酸血症について
高乳酸血症の患者は、過還元ストレス状態に陥っている。
細胞内では、還元状態の指標として、L/P比が使われる。
(編者注) L/P比とは:乳酸/ピルビン酸比のこと。
L/P比が25.
血中のL/P比は、細胞内のNADH/NAD+
過還元ストレス状態とは、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
治験について
今回の治験は、ミトコンドリア病の中でも患者数が多い、メラス・
過還元ストレス状態では、解糖系はもちろん、
ピルビン酸ナトリウムを投与することによって、
(治験において想定される)効能 効果
「
ピルビン酸ナトリウムの供給体制について
日本では、武蔵野化学株式会社が ピルビン酸メチルという形のものを、
ただし、この薬品はあくまで「試薬」であり、
武蔵野化学が、創薬目的の原材料として(GMP原薬として)
(編者注:GMP=医薬品の製造管理及び品質管理の基準。「
治験開始
2014年~2015年 日本医療研究開発機構 (AMED)から予算をもらって 非臨床試験を実施
プロトコール(実施計画書)で、評価項目を策定
・・・・・・・・・・
治験を始める前に行った自主臨床研究について。
自主臨床研究への参加基準(エントリークライテリア)
①エンドポイントに乳酸値の改善を設定可能なように、
②臨床的評価スケールが中程度以上に重症な患者さん
以上の条件に当てはまる、
(エンドポイントとは。
後述するが、治験の失敗の原因は このエントリークライテリアが不味かったから。 (治験本番では、
自主臨床試験の結果は成功。
乳酸値は非常に低下 (TCAサイクルもよく回るようになった)
L/P比も低下
アラニンも低下(乳酸値が高くなるとアラニンも高い数値を示す。
GDF-15も有意差を持って下がっている (GDF-15:ミトコンドリア病診断バイオマーカー)
それでも治験に失敗した理由
◎臨床評価スケールが重症でない人(=軽症の人、
◎自主臨床試験では、
◎自主臨床研究ではGDF-15の高い人ばかり選んだが、
◎治験を受けた患者さんの数が少なすぎて、
それでも、ピルビン酸ナトリウムを投与されたグループは、
「治験参加患者数が少ないので、
治験後
治験データを精査する中で、ピルビン酸投与群では、
これはピルビン酸ナトリウムの、PHに対する影響としては 非常にポジティブなデータである。
ただしこの事実は、治験後の精査による発見なので(編者:
・・・・・・・・・・
ーー追記ーー
2021年6月開催のアメリカミトコンドリア学会のシンポジウム
この講演は、
なっていますので、
ーピルビン酸ナトリウムの生みの親、基礎研究者田中雅嗣先生の講義ー
田中先生のピルビン酸への研究は、夢と希望に満ち溢れています。
そしてそのアイデアは特筆すべきところがありますが、これからの特許申請の兼ね合いもあり、ZOOM会だけの発表として、ブログ掲載では削除させてもらうところもあります。ご了承ください。夢に向かって走る先生を応援したいです。
レポートまとめに尽力くださいました、山ちゃんありがとうございます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私(田中先生)は 治療薬としてピルビン酸と 診断薬としてGDF15 を同時に開発してきた。
ピルビン酸ナトリウムに商品名として ピルビット(Pyruvit)という商品名まで考えた。
「私(田中先生)は理論と実験専門で 診療経験はありません」とのことです。
・・・・・・・・・・
ミトコンドリアは一個の細胞の中に数百から数千個存在している。
また、ミトコンドリアは細胞内の発電所と呼ばれ、水素と酸素を反応させ ATP (生物のエネルギーの供給源)を合成している。
「NAD+」と「NADH + H」は、水素の運び屋。体内で重要な働きをしている。 (その仕組の説明がありましたが、編者には理解不能でしたので、省略!)
水素の運び屋であるNAD+は ニコチン酸アミドと言う部分があって、この部分で水素の受け渡しをしている。
・・・・・・・・・・
ナイアシン は、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB₃ とも言う。
「ミトコンドリア病の患者にはナイアシンが足りない。ナイアシンを補うことによって元気が出る」という論文が最近出た。
その「ナイアシン療法」というのは1日にナイアシンを500mg から1000 mg 摂取する療法。 (この療法は、筋肉にもいいし肝臓にもいい)
ナイアシンを大量に服用すると、顔が赤くなったり、顔がかゆくなったりする。 これはナイアシンフラッシュと呼ばれている。 ナイアシンフラッシュは、むしろ健康に良い。
私(田中先生)は、ビルピット(ピルビン酸ナトリウム)とナイアシンを同時に摂るとよいのではないかと考え、(その薬に)ピルビナックと言う名前を考えた。 (未完成)
・・・・・・・・・・
私(田中先生)が最初にピルビン酸が重要だということを知ったのは、ミトコンドリアDNAを失った細胞や呼吸機能を失った細胞を培養するには、ピルビン酸が必須だと実験を通じて知ったこと。以後(ピルビン酸の研究を)やりたいと思っていた。
ブドウ糖がピルビン酸になりさらに乳酸になる過程で、 NADHができても、NAD+ に戻されるので、収支はゼロ。しかしアミノ酸などを分解すると反応でNADHが生じるので、細胞全体としては水素(NADH)が溜まり過ぎてしまう。
そこにピルビン酸を入れると、水素(NADH)の過剰(過還元状態)が解消する。
ミトコンドリア機能が全くゼロでも、ピルビン酸を1分子飲むと ATP が少なくても2分子できる
・・・・・・・・・・
ピルビン酸はお酒の元。
発酵の時には、ブドウ糖がピルビン酸になって、さらにピルビン酸がエタノールに変わり、CO2が出てくる (途中でアセトアルデヒドもできる)
日本酒・ビール・ワインの醸造過程において二酸化炭素の泡が出ている時、そこにはピルビン酸が大量に存在している
一方、ヒトがお酒を飲むと、アルコールはアセトアルデヒトを経て酢酸(お酢)になる。この過程で、NADHが大量に発生し、過還元状態になる。そのため、大量飲酒で脂肪肝になる。
ピルビン酸を飲むと、アルコールが速く代謝され、脂肪肝を予防できる(この件で特許取得した)
・・・・・・・・・・
体が ATP を得る方法は二つしかない。
一つは解糖系(=細胞質で解糖系が ATP を作る)
もう一つは 酸化的リン酸化系(=ミトコンドリアでゆっくり ATP を作る)
解糖系は短時間に大きなエネルギーを生む。酸素はいらない。息を止めても走れる短距離走型。
逆にミトコンドリアは、ATPをゆっくりしか作れない。酸素が必要。呼吸しながら走る長距離走のようなもの。
トレーニングによってミトコンドリアが鍛えられると、次第に運動強度を上げて行った時、乳酸値が上昇し始めるのが遅くなる。
・・・・・・・・・・
乳酸は、今まで言われてきたような「疲労物質」ではない。
素早いエネルギー源としての糖類は、必要な時に瞬間的にエネルギーを出す力に優れている。
この時、体内では糖から乳酸になる反応が起こり、乳酸はミトコンドリアによって最終的に多くのエネルギーに変わる。
ただしミトコンドリアが 乳酸を使うための反応速度は 糖が乳酸に変わる反応速度よりも遅いので、結果、体内に乳酸がたくさん溢れてしまう。
・・・・・・・・・・
人が ATP を得る方法は上記の二つしかない。ミトコンドリアに期待できないなら、解糖系に頼るしかない。
乳酸自体には毒性はない。 NADH があまりにも多すぎると解糖系が動かなくなるので、解糖系を動かす方法としてピルビン酸ナトリウムを投与する。
L/P比(乳酸とピルビン酸の比率)が25.6以上になると、解糖系によるATP産生が停止する。
ピルビン酸を入れると(乳酸もできるが) ATPができるようになる。
・・・・・・・・・・
ピルビン酸に関する論文
ピルビン酸の最初の臨床応用。 2010年 小牧先生(国立精神神経センター)
「Pyruvate therapy for Leigh syndrome due to cytochrome c oxidase deficiency」
ピルビン酸療法の臨床評価について 2014年 藤井先生が第一著者 村山先生 古賀先生 他
「Efficacy of pyruvate therapy in patients with mitochondrial disease: a semi-quantitative clinical evaluation study」
最近のハーバード大学の研究
「LOXCAT」実験 (LOXCATとは LOX=乳酸酸化酵素と、CAT=カタラーゼを結合した人工酵素)
この人工酵素の働きは、「乳酸を乳酸酸化酵素で直接ピルビン酸に変え、その過程で生じた過酸化水素をカタラーゼで水と酸素に戻す」というもの。
ピルビン酸が足りなくて乳酸がいっぱいある人には効果があるのではないか?
現時点では、実験段階にとどまる。
古賀先生の次の論文 (まだ未発表)
「A ranfomized,placebo-controlled study of sodium pyruvate in patients with mitochondrial disease」 (ピルビン酸ナトリウムの無作為化プラセボ対照試験)
・・・・・・・・・・
ミトコンドリア病の赤ちゃんは、母体と切り離されると、高乳酸血症を発症する
胎内では、胎児は乳酸を作るかもしれないけれども、母体の方で乳酸からブドウ糖を糖新生系によって再生し、赤ちゃんに戻すということが行われている。
それと同じように、乳酸の高い人は、血液透析で乳酸を除いてその代わりにピルビン酸を入れるということも、可能かもしれない。
そのための点滴用のピルビン酸ナトリウムは、まだ未承認である。
・・・・・・・・・・
ドイツでの臨床試験の報告 1999年
特発性心筋症患者さん8人にピルビン酸ナトリウムを直接注入した結果、心臓が元気に動いたという報告がある
・・・・・・・・・・
2020までのピルビン酸ナトリウムの治験結果、アシドーシス(血液の酸性状態)が改善されたことがいちばん重要なことだと考えている。
・・・・・・・・・・
「きんさんも天国で頑張っていると思うので、私ももう少し頑張りたいと思います」