オールジャパンミトコンドリア病患者会に向けて4

 

オールジャパンミトコンドリア病患者家族会

患者家族、在宅医師、遺伝子カウンセラー、医学勉強中の学生、介護福祉関係者その他、参加申込みが殺到し、130人を超えました。

いまさに皆さんの必要としていた場ではないかと、実行委員会も真摯に受け止めています。

ZOOMも大人数を対応できるように、新たにウェビナー契約を結びました。

ウェビナーとは、従来のテレビ会議方式でなく、講演会方式で配信する方法です。一般の視聴者の姿は画面に映りません。また、司会者に発言を認められたとき以外は、音声が外に漏れることは有りません。出入りも視聴者の自由にできます。

ウェビナーについてはこちらで練習しながら把握していきますので、都度お知らせします。

 

専門医のトピックについてのお知らせです。

ミトコンドリア病の、今をしるうえで、とても重要です。

 

⦿ミトコンドリア病専門医によるトピック内容(順不同)

三牧正和先生

「ミトコンドリア病のレジストリ(患者さんの登録制度)のご紹介」

 

後藤雄一先生

『ミトコンドリア病ハンドブック(第2版)』発行について

内容:2012年5月に初版を発行して、冊子体の配布とともに難病情報センターのミトコンドリア病のサイトにてダウンロード版を提供してきました。

10年近く経ち、その内容をアップデートした第2版がほぼ完成しています。第2版では、診断基準、栄養法や治療法、遺伝学的用語、福祉制度、患者レジストリーなどの情報を変更・追記しました。その内容を簡単にご紹介します。

 

小坂仁先生

「治験準備中のLeigh脳症の治療薬について」

 

大竹 明  先生

「ミトコンドリア病の治療:世界の最新治験情報を中心に」

ミトコンドリア病は希少疾患でありながら症状や検査所見も多彩で、根本治療法の開発がとても難しい分野です。ミトコンドリア病の新規治療法開発の壁としては、①病気の自然歴データの不足、

②病状を反映する良いバイオマーカーの不在、

③病状評価のための良い評価スケールの不在、が挙げられます。今回は①~③についての最新の進歩を紹介しつつ、それらを応用した世界と日本の最新治験情報を紹介したいと思います。

 

村山圭先生

オールジャパンでのミトコンドリア病の診療基盤構築 ~力をひとつに~」

 

田中雅嗣先生

「ピルビン酸ナトリウムについて」

 

他の講師の方数名招待に応じていただきますのでそちらについてはまたお知らせしますね。

 

オールジャパンミトコンドリア病患者会に向けて3

オールジャパンミトコンドリア病患者家族会のチラシは、みんなのチカラが一つになれますようにと、ミトコンドリア病の皆さんの作品も散りばめて、スタッフに作成してもらいました。

その発想から、展示室を作ったり、音楽とともに皆さんの作品を流してゆく、スライドショーを作成しています。

寄せられる皆さんの作品は、どれもこれも、きらきらひかる宝物。

見ていると、じわーんと胸が熱くなってきます。

チラシと同時進行で、ミトコンドリア病のみなさんの作品集を集めて展示室を作っています。もしよかったらイラストでもポエムでもなんでも送ってくださいませんか?

オールジャパンに向けて皆さんの作品をみあって、少しでも元気が出るようにな

る企画として、今、作業を進めています。

 

作品には簡単に自己紹介を添えてください。

お住まいの場所、おなまえ、病状など。それとは別に

展示するときの作品に添えるお名前、本名でもニックネームでも、結構です。

コメントも短めのメッセージを添えてもらえたら、作品に並べて展示できます。

 

よろしくおねがいします。

 

送り先  himawarinotubu@gmail.com

みどりの会伊藤千恵子

オールジャパンミトコンドリア病患者家族会~専門医を囲んで~告知2

素敵なチラシが、できあがりました! 5パターンありますので、都度告知を兼ねて、提示していきたいと思います。
オールジャパンという言葉はチカラを一つにということだと思います。
患者会が団結してゆくことは、これからのミトコンドリア病研究が前に進みやすいということでもあります。
広報スタッフ、レポートスタッフなど実行委員会のスタッフも続々加わってくださり、MCM患者会とともに、患者家族感の団結を強めていきたいと思っています。
協力してくださる方は是非お声をかけてください。
また今回アステラス製薬会社の方も2名参加くださることになりました。
アステラス製薬ではミトコンドリア・バイオロジーに関連した研究開発を意欲的に進めており、ミトコンドリア病もそのターゲットであるとお話いただいています。
どのようなトピックが聞かれるか、とても楽しみですね。
先生たちのトピックもみなさんが興味ある内容で収集中です。
まとまりましたらこちらに掲載します。
いまお困りなこと、聞いてみたいこと、不安なことなんでもお話できたら良いなと思います。
特に聞いてみたいことは6名の先生たちからの回答が受けられます。
患者・家族、研究者、福祉介護、いろんな側面からミトコンドリア病を取り囲む理解ある方の参加をお待ちしております。
参加申込8月27日まで
質問受付8月31日まで

* 申し込み *

①お名前
②ご住所(住んでおられる都道府県、市町村まで)
③簡単な自己紹介( 患者様の場合、病名、年齢など)
④当日連絡がつく電話番号
⑤Zoom招待状受け取り用のメールアドレス(パソコンでzoomに参加なさる方はパソコンのメールアドレス。スマホで参加なさる方は、スマホで受信できるアドレス)
以上をご記入ください。

※Zoomに不慣れの方は、遠慮なくお書き添えください。技術スタッフが当日の操作がうまくいきますようにアドバイスいたします。

申込先:オールジャパンミトコンドリア病患者家族会実行委員会

mcmmidori@gmail.com
?大竹明先生

埼玉医科大学倫理審査委員会委員長、小児科・ゲノム医療科、
難病センター教授

?小坂仁先生
自治医科大学小児科学教授
専門;小児神経学、ミトコンドリア病と遺伝子治療研究

?後藤 雄一先生
国立開発研究法人 国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター長

?田中雅嗣先生
イムス三芳総合病院 臨床検査科・順天堂大学 神経学
(ミトコンドリア病に対する遺伝子治療・ピルビン酸療法・診断法の開発に関する基礎研究)

?三牧正和先生
帝京大学医学部小児科 主任教授

?村山圭先生
千葉こども病院・遺伝診療センター長 代謝科部長
千葉がんセンター研究所 主任医長
日本先天代謝異常学会理事・副理事長、

 

オールジャパンミトコンドリア病患者家族会~専門医を囲んで~について訂正

皆さんにお伝えした問い合わせ先ですが

以下に変更になりました。

お間違えのないように

よろしくおねがいします。

申し込み用アドレス mcmmidori@gmail.com

有効な会に盛り上げんと実行委員会を作り、準備をしていく所存でおります。

提案意見、お気づきの点何でもお寄せください。

どうぞよろしくおねがいします。

 

オールジャパンミトコンドリア病患者家族会~専門医を囲んで~告知

オールジャパンミトコンドリア病患者家族会~専門医を囲んで~

9月20日 月曜日(敬老の日)
午後1時半から4時半ころまで

(Zoomにて開催いたします。出入り自由)

参加者:ミトコンドリア病に関わるすべての方を対象
参加してくださる専門医
?大竹明先生

埼玉医科大学倫理審査委員会委員長、小児科・ゲノム医療科、
難病センター医師、

?小坂仁先生
自治医科大学小児科学教授
専門;小児神経学、ミトコンドリア病と遺伝子治療研究

?後藤 雄一先生
国立開発研究法人 国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター長

?田中雅嗣先生
イムス三芳総合病院 臨床検査科・順天堂大学 神経学
(ミトコンドリア病に対する遺伝子治療・ピルビン酸療法・診断法の開発に関する基礎研究)

?三牧正和先生
帝京大学医学部小児科 主任教授

?村山圭先生
千葉こども病院・遺伝診療センター長 代謝科部長
千葉がんセンター研究所 主任医長
日本先天代謝異常学会理事・副理事長、

 

プログラム(予定)

1  開会

2  各専門医による最新研究や治療薬、ミトコンドリアの最新のトピック 

3  質疑応答  事前の質問、及びその場での質問

4  閉会

5  ミトコンドリア動画(みどりの会制作)15分

 

* 申し込み *
8月27日(金)までに、下記アドレスまで、メールにてお申し込みください。

申し込み時に、
①お名前
②ご住所(住んでおられる都道府県、市町村まで)
③簡単な自己紹介( 患者様の場合、病名、年齢など)
④当日連絡がつく電話番号
⑤Zoom招待状受け取り用のメールアドレス(パソコンでzoomに参加なさる方はパソコンのメールアドレス。スマホで参加なさる方は、スマホで受信できるアドレス)
以上をご記入ください。

※Zoomに不慣れの方は、遠慮お書き添えください。技術スタッフが当日の操作がうまくいきますようにアドバイスいたします。

また、専門医の先生方に質問のある方は、8月31日(火)までに、下記アドレスにお送りください。当日、先生方が答えて下さいます。

申し込み用アドレス mcmmidori@gmail.com

 

問い合わせ先は以下でもOKです。

* 共催 *
?ミトコンドリア病患者・家族の会(MCMの会) 高橋 和恵
連絡先 mcm@mitochon.net

?みどりの会 代表 伊藤千恵子
連絡先 himawarinotubu@gmail.com

 

みどりの会から

ミトコンドリア病は希少難病です。発症年齢、病態、経過など全く違うために、私達患者家族は、病と寄り添うために、生活の苦労は語り尽くせません。そのために患者家族同士が、お互いの立場を認め合い、病と生きる知恵を分かち合い、高め会えるような交流、そして、結束を固め、ミトコンドリア病に真摯に向き合い、研究してくださる先生たち、見守る介護・福祉、創薬関係など、ミトコンドリア病を取り巻く全てとしっかりつながって行くことが大切だと思います。みどりの会では、今年に入り、Zoomの技術を取り入れ助けてくれるスタッフにも恵まれたため、力不足ではありますが、患者交流会を何度かやらせていただきました。ミトコンドリア病の専門の先生たちはとても心深く物事を感じておられ、患者にも寄り添ってくださる姿勢を実感しております。先日の古賀先生を囲んでのZoom会は、参加したみなさんが元気をいただく素晴らしい会でした。
秋のみどりの会に専門の先生たちをお呼びして患者会を、と思っていたところ、日本を代表するMCM患者会から、協賛体制でのオールジャパン患者会を開きたい旨、お話をいただきました。私もMCM患者会の会員です。
全て参加したい患者家族が、参加くださる先生方と一線でお話できる機会を作りたいという話まで発展して、今秋のオールジャパン専門医を囲んだミトコンドリア病患者家族会に話はまとまりました。お互いに、患者を見守りながらのミーティングなので、ゆっくりゆっくりですが、これから準備をすすめるにあたって、何が必要かを話し合いその都度告知していくことにしています。是非良い知恵をお分けください。

7月31日みどりの会~古賀靖敏先生を囲んで~ZOOM患者家族会 報告

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7月31日(土)13:30~

古賀先生を囲んでみどりの会 ZOOM患者会を開催致しました。

総勢13名でのZOOMでは、様々な質問が飛び交い、経験豊富な古賀先生の貴重なお話を沢山伺うことが出来ました。

アルギニンについての話題も多く、急性期に劇的な効果を得られた方や、安定した状態を保てるようになった方、定期的にアルギニン点滴行い症状を保てている方、入院の頻度が激減した方、沢山の保険適用を望む声が上がりました。脳梗塞用発作の予防や、急性期の治療薬として申請予定となっていますが、アルギニン点滴の保険適用を望む声も上がりました。

その他にも、食事療法や、無呼吸症候群、成長ホルモン療法、アルギニンの摂取量、感音性難聴、人工内耳手術、抗精神薬の使用に関して、B1依存性のPDHC欠損症、診断バイオマーカー(GDF15)、などなど参加者からの疑問質問に古賀先生が用意して下さったスライドも交えながら、丁寧に回答を頂きました。

今回は、事前に参加者からの質問を古賀先生へ送り、ZOOM開催前に参加者へ返答してくださいました。

事前の質疑応答を終えた状態からの開催となり、更に詳しい、入り込んだ質問へと繋がり、とても活発な充実した内容の会になりました。

「自分の外来患者さんだけではなく、色々な患者さんの悩みやお話を聞いてみたい」と言ってくださり実現したZOOM患者会。先生の温かい人柄に、感謝致します。

by Harumi

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今回のZOOM会のレポートは、かなり個人的な情報がたくさんあり、古賀先生も個人に向けて一人一人ふみこんで対応してくださったので、はるみさんの詳細にわたるレポートは、ZOOM参加者のみへの通信として、お渡しすることにいたしました。ZOOM患者会のあと、たくさんの礼状を頂きましたが、垣根を作らずに話してくださる古賀先生への感銘の声でもありました。現実を突きつけられるような辛いお話も、沢山の患者と真摯に向き合ってきた先生だからこそ、みなで納得し、難しい病だからこそ、皆で受け止めていく勇気をいただけるようにも思えました。
話はさかのぼりますが、古賀先生が皆様への回答を事前に送ってくださったその夜、受け取った私は、先生と患者が、予定線上に立つのでなく、同じスタートラインに立って、事に臨む意気をかんじました。案の定、古賀先生を囲んでのZOOM会は、皆さんそれぞれが生きていた道を感じる熱気に溢れた会でした。
先生の用意されたスライドは、今一度お話を聞きたいくらいでしたが、今年10月の米子での専門医への講義にも使われるもので、大変貴重な資料でした。

古賀靖敏先生を囲んでみどりの会ZOOM患者会

 

 

古賀靖敏先生を囲んでみどりの会ZOOM患者会

7月31日土曜日13時半から

対象:ミトコンドリア病患者家族及び関係者

無料(カンパ大歓迎) 人数制限なし

問い合わせ先

himawarinotubu@gmail.com

090-7196-2751 みどりの会伊藤千恵子

締め切り 7月24日

 

古賀先生に聞いてみたいことがある方は、事前に送っていただき、

それらの質問を中心に古賀先生からお話をお聞きできる形にしたいと思います。

質疑応答のキャッチボールが出来ることで、患者のケアの知恵もシェアできたら

と思っています。

 

 

みどりの会として、アルギニン保険適応について動き出したのは、2020年年初からでした。

2021年、古賀靖敏先生が久留米大学病院を退官となった、4月に、古賀先生に余裕ができたため、大量の治験資料をが我が家に届き、再度動くことになりました。一患者家族として動くことは非力ですが、患者の声を聞いて、動いてくださる先生の力は絶大です。今古賀先生は、大変な申請書を患者家族のためにまとめてくださっています。感謝。

そんなやり取りの中、古賀先生は、みどりの会のZOOM会に興味を持ってくださり、「自分の外来患者だけでなく、いろんな患者様の悩みを聞いたり、お話をしてみたい」と言ってくださいました。病院に行っても、数分の診察で、敷居の高い雰囲気の中で、戸惑いを感じていらっしゃる患者様もおおいのではないかと思います。古賀先生は、実にたくさんのミトコンドリア病患者を外来で診てくださり、いろんな角度からの相談を受けてくださった日本でも数少ない専門医です。

 

 

古賀先生からみなさまへ

事前の質問内容が判明すれば、ぴったりのスライドや資料を準備させて頂きます。
ご遠慮なく仰ってください。

オンラインみどりの会楽しみにしています。

 

有料ZOOM購入しましたので、人数制限もありませんし、様々な操作を技術スタッフに頼んでやれるようになりました。

古賀先生からのスライド説明、皆さんからの具体的な資料も載せながらお話を進めることも出来ると思いますのでその都度ご希望をお聞かせください。閉塞的になりやすいコロナの時期ですが、なんとかミトコンドリア病に開かれた道をつないで,前に進んでいきたいと思っています。

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古賀 靖敏先生

 

プロフィール

学歴
1980年3月 久留米大学医学部医学科 卒業
1984年3月 久留米大学大学院医学研究科 満期終了

資格・免許
1980年6月 医師免許証取得(第255132号)
1984年3月 医学博士の学位取得(久留米大学甲第470号)
1985年4月 日本小児科学会専門医(002880号)
2020年8月 日本専門医機構認定指導医(S002880号)

職歴
1980年4月 久留米大学医学部助手(小児科学講座)
1986年7月 国立精神・神経センター神経研究所 流動研究員
1989年4月 コロンビア大学医学部神経内科 Post-doctoral research fellow
1992年9月 コロンビア大学医学部神経内科 Associate professor
1994年4月 久留米大学医学部講師昇任(小児科学講座)
2001年10月 久留米大学医学部准教授昇任(小児科学講座)
2005年3月 久留米大学医学部教授昇任(小児科学講座)
2007年10月 久留米大学病院臨床試験センター 副センター長
2011年4月 久留米大学臨床試験審査委員会 委員長
2021年3月 定年により久留米大学退職・久留米大学名誉教授・客員教授
2021年4月 ふくむら小児科勤務

学会活動(所属学会・役職など)
日本小児科学会・代議員・薬事委員
日本ミトコンドリア学会・理事
アジアミトコンドリア学会・理事長
日本先天代謝異常学会・代議員 ・薬事委員
日本小児神経学会・代議員・薬事委員

国際貢献
国際学会主催
2010年7th Conference of Asian Society for Mitochondrial Research and Medicine/10th Conference of Japanese Society of Mitochondrial Research and Medicine President
2019年16th Conference of Asian Society for Mitochondrial Research and Medicine/19th Conference of Japanese Society of Mitochondrial Research and Medicine President

国際学会学術サポート
2020年 Mitochondrial Medicine 2020 Cambridge, UK Organizer
2021年 Mitochondrial Medicine 2021 Cambridge, UK Organizer

国際組織委員
NIH(USA), common date elements “mitochondrial disease” section, Advisory board of biomarker section
Global Mitochondrial Consortium (International), Counsel member
UMDF (United Mitochondrial Disease Foundation), Advisory board
Mitochondrial Medicine Society (MMS), Advisory board
Mitochondrial Medicine Conference (University of Cambridge), Advisory board
Euromit Society, Advisory board
Asian Society of Mitochondrial Research and Medicine, Counsel member
Orphan disease in Europa, Advisory board

特許
1.国内国際特許・アルギニンInternational (Euro, USA)
Composition for preventing/treating the expression of clinical symptom in disease caused by mitochondrial dysfunction. International application number: PCT/JP03/12891
EU:10/530056
Domestic (Japan)
2.ミトコンドリア病診断用バイオマーカーとしてのGDF15. 特許第6711966号

3.【特許出願】
危急疾患における予後を判定するためのバイオマーカー. 出願番号:特願2021-6020

 

6月26日 Miracles for Mito & みどりの会 合同ミーティングレポート

 

 

第2回

Miracles for Mito & みどりの会 

2021年6月26日(土)9:00~

 

参加者

患者・患者家族・翻訳/技術サポートスタッフ
日本 8名 アメリカ 5名
内サポートスタッフ 3名

流れ 

◆懇親会での内容は非常に貴重なものであり、また個人情報が多く
含まれていますので、各自慎重に取り扱ってください。
◆個人的にコンタクトを取りたい方同士をつなぐことも可能です。
◆事前に送信済みの参加者の自己紹介をもとに、各自簡単なご挨拶
◆質疑応答・意見
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

⭕患者会の運営についてのアメリカの状況について
【みどりの会】➡
アメリカでは、患者家族の組織が多く、活発に活動している印象があるが、
日本では患者会が盛んに稼働しておらず、患者・家族同士の繋がりをもてる
機会がとても少ない。みどりの会のように個人が発起人となり動いている。
アメリカでは、どのような活動をしているのか。

【Miracles For Mito】➡

(Miracles for Mitoは、アメリカのコロラド小児病院の患者家族が立上げた組織)
ホームページやInstagram、Facebook、などのSNS、病院の掲示板などを利用て
活動を周知している。基本的に、コンタクトをしてこられた方に対して、情報の
共有やサポートを心がけている。こちらから積極的に踏み込まず、患者家族サポートを提供している。(タイミングが大事ということを強調)
週に5~6人との電話相談を受け、プライベートな話をしたり、精神的に繋がり合う関係づくり。遠方の孤立しやすい患者さんにも孤独を感じさせないよう、SNSを利用して活動している。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

⭕患者の生きる保障について
【みどりの会】
患者を介護する家族は、日常生活での介助や、通院などもあり、介助者の仕事通
常にこなすことが難しく、収入にも影響がある。日本では、患者本人への助成あ
るが、それでは賄えない状況。アメリカではどのような状況なのか。
【Miracles For Mito】➡
国や地域により様々で、とても難しい問題。
住むエリアによって、受けられる助成や支給サービスは異なる為、
自治体によるサポートを申請して利用するべきだと思う。
それ以上の範囲になると、政治的な介入も必要になってくる。
【みどりの会】
現在アメリカ在住で、以前は助成を受けられていたが、勤務時間の調整などをい
つつ勤務再開したが、、助成は打ち切られてしまった。ミトコンドリア病単体での助成がない。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

⭕ピルビン酸ナトリウムについて
【みどりの会】
ピルビン酸ナトリウムの治験に以前参加しており、服用している際の状態がとも
よかったが、治験中止になってしまった。アメリカでの状況や、副反応について知りたい。日本での再度の治験は難しい状況。
【Miracles For Mito】
治験が終了したとしても、主導医師に直接相談して入手できるのではないか。
アメリカでは、頻度は少ないものの、小児の重症患者には使われている。
その臨床経過の記録は多くはないが、個人の経過を追っての経過記録などはり、
その経過は良好。
大きな副反応は見られておらず、便が緩くなる程度の反応がみられている。
効果を感じる患者に対しての摂取ができるように個人的には望んでいる。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

⭕遺伝子変異の国定について

【みどりの会】
遺伝子変異の確定について。日本では患者会もあまり盛んではなく、遺伝子の確定がされていない人との出会いがほとんどありません。
【Miracles For Mito】
遺伝子の検査でミトコンドリア病の変異遺伝子が確定できていない人はとても多くいます。検査を進めると現在ミトコンドリア病とは直接関係していない変異が見つかったりもします。ですが、毎年毎年新しい変異が見つかっているので、その手掛かりになるはずです。将来的にミトコンドリア病の確定遺伝子となる可能性もあります
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

⭕アメリカ側の患者さんの声
【Miracles For Mito】➡
私の住む町の周りには同じ病気の人がいません。病院の医師もミトコンドリアを知らない。SNSで繋がれていることで、情報ももらえるし、相談したり話したりすることもできるので、孤独を感じないで生活が出来ている。

地域・病院格差があるのは、日本もアメリカも同じように思いました。

コロラドのこども病院で知り合った患者家族の輪は、地道に広がっていますね。

今回のミーティングは、1時間という時間を設けての会でした。
そのため、事前に日本側からの質問全てを聞くことは時間内ではできず、
後日、受けた質問に対してのMiracles For Mitoからのとても親身な回答を
頂いております。Miracles For Mitoからの回答を頂いてから、質問者に返答する対応をしたいと思います。

 

以上

::::::::::::::::::::::::::::::::::::

はるみさんのレポートです。心から感謝します。

患者家族の一人として参加することが一番大事ですので、客観的にまとめるのは、至難の業だと思います。しかし的確にまとめてくださるのは、やはりミトコンドリア病の子供を毎日しっかり見守りながら、身についた業かもしれません。

 

アメリカとの交流はこれからも続けていきたいです。

いのちのつなげるたいせつなミトコンドリア。

生きとし生けるもの全てに必要なもの。

 

ミトコンドリア病は世界に存在する。だからこそいろんな人種のいろんな知恵も病を背負う人たちの輪を大切に、命のために探ってゆきたいと思っています。                        絵 伊藤龍

伊藤千恵子

 

Miracles forMitoみどりの会合同ミーティング終了

日本時間朝9時から、コロラド夜7時、シカゴ(夜)、スコットランド(深夜)
日本は朝のケアが大変な時、コロラドは仕事帰りで家族とホッとしたい時
それぞれの生活の中で、ミトコンドリア病患者家が輪になりました。
2回目合同ミーティングも、和やかな雰囲気の中無事終えることができました。
日本側から、8名(オブザーバーの遺伝子カウンセラーの方はお子さんの熱で病院のため欠席)
アメリカ側5名
通訳の大変さ、アメリカとの時間差の配慮からもなどもあり、一時間という配分で進行を考えていましたが、やはり時間は30分程オーバー、通訳も医学用語が飛び交い、とても大変だったと思います。幸い、シカゴ在住の患者さんが助け舟をグッドタイミングで出してくださり、わたしはいろんな人間模様を感じながら、ゆっくりゆっくりミトコンドリア病の繋がりが深まってゆくのを、感じていました。
前回同様、自らもミトコンドリア病と戦いながら、司会進行のの機転の効いた話術、アメリカ側の患者会の組織の暖かさもいっぱい感じました。アメリカの患者さんが一生懸命自分の状況をお話くださり、病院・医師の対応が今一つの悩みは、日本も同じで、地域、病院、医師の対応の格差に悩む患者は、どこも同じだと思ったことでした。日本側からも、アメリカ側の患者会の組織への質問も出ましたが、日本の中でももっと患者会を通じて先生や介護の方たちとの連携も大事だと思いました。
自分としてはピルビン酸ナトリウムのアメリカ側での使用について聞けたことが嬉しかった。もっともっと踏み込んで、あるいは、一人一人が意見を言い合えるまでには、時間がかかると思います。
ひとつひとつ、ゆっくり歩んでいきたいです。
はるみさんレポート、しばらく時間かかりますが詳細はまた今度!

6月13日ピルビン酸ZOOM会 古賀靖敏先生講義内容

日本のミトコンドリア病の一線でご活躍される先生方の講義は、解読するのに集中力がいります。古賀靖敏先生のお話は、我が息子の心身を横に置きながら、解読してゆくと、自然に、納得して行けるところが不思議です。古賀先生が、如何に臨床医師としてたくさんの患者と向き合ってきたか、という証ではないでしょうか。

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講義内容

ミトコンドリア病

対象患者数 国内約2000人 全世界で約50万人

疾病の概要:ミトコンドリア病は生命維持に必要な ATP を十分に作ることができず、種々の臓器障害をきたす稀少難病である。

 

ミトコンドリア病では 高乳酸血症の方が多い。

特に髄液の乳酸値が高い方ほど、早くなく亡くなってしまう傾向がある。

なんとか高乳酸血症を治療できないかと、田中先生が発案されたのがピルビン酸療法である。

2007年 田中雅嗣先生が、(世界で最初に)ピルビン酸ナトリウムが効くだろうという論文を発表した。(Maitochondrian誌)

 

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高乳酸血症について

高乳酸血症の患者は、過還元ストレス状態に陥っている。

細胞内では、還元状態の指標として、L/P比が使われる。

(編者注) L/P比とは:乳酸/ピルビン酸比のこと。ミトコンドリア機能を評価するために用いられる。L=Lactic acid(乳酸)P=Pyruvic acid(ピルビン酸)

L/P比が25.6を超えると解糖系によるATP産生が停止する。

血中のL/P比は、細胞内のNADH/NAD+比とほぼ比例する。                        したがってNAD+が減り、NADH/NAD+比が大きくなると、ATP産生が停止すると言い換えられる。

過還元ストレス状態とは、細胞内でNADHが過剰になっている状態。

 

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治験について

今回の治験は、ミトコンドリア病の中でも患者数が多い、メラス・リー脳症を対象とした。

過還元ストレス状態では、解糖系はもちろん、TCAサイクルも回らなくなってしまう。                                                                                (TCAサイクル:ミトコンドリアで行われる代謝経路。次の酸化的リン酸化においてATPに変えられる。)

ピルビン酸ナトリウムを投与することによって、代謝性アシドーシス(高乳酸=過還元ストレス状態)を改善し、それによってミトコンドリア病の生存率の改善が見込まれるだろうということで、治験をやることになった。

 

(治験において想定される)効能 効果

ピルビン酸ナトリウムのNDA供給作用によりミトコンドリア病などの高乳酸血症疾患における細胞死の抑制、エネルギー代謝の改善により、臨床状況の改善を期待できる。特に筋力や易疲労性、嚥下能力やてんかんの改善効果が期待できる。」

 

ピルビン酸ナトリウムの供給体制について

日本では、武蔵野化学株式会社が  ピルビン酸メチルという形のものを、特級試薬特級品として製造販売している 。

ただし、この薬品はあくまで「試薬」であり、人体に投与されることを想定していない。

武蔵野化学が、創薬目的の原材料として(GMP原薬として)作るのであれば見過ごしましょうというスタンスだったので、経口摂取が可能になっていた。

(編者注:GMP=医薬品の製造管理及び品質管理の基準。「治験をやるためなら、経口摂取も認めましょうというスタンスだった」ということだと思います)

 

治験開始

2014年~2015年 日本医療研究開発機構 (AMED)から予算をもらって 非臨床試験を実施

プロトコール(実施計画書)で、評価項目を策定

 

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治験を始める前に行った自主臨床研究について。

自主臨床研究への参加基準(エントリークライテリア)

①エンドポイントに乳酸値の改善を設定可能なように、乳酸値が非常に高い人(高乳酸血症が非常に著明な患者さん)

②臨床的評価スケールが中程度以上に重症な患者さん

以上の条件に当てはまる、選りすぐった患者さん13名で自主臨床研究をスタートした。(久留米大学で実施)(編者:まだ治験ではないので注意)

(エンドポイントとは。治療行為の有効性を示すための評価項目のこと。臨床試験(治験)でのエンドポイントは、治療の目的に合っており、なおかつ、客観的に評価できる項目が望ましいとされている。エンドポイントの事後の変更は認められない)

 

後述するが、治験の失敗の原因は このエントリークライテリアが不味かったから。                                                                       (治験本番では、この自主臨床研究と同じ基準で患者さんを募集したのだが、十分な患者数を集めることができなかった。)

 

自主臨床試験の結果は成功。

乳酸値は非常に低下 (TCAサイクルもよく回るようになった)

L/P比も低下

アラニンも低下(乳酸値が高くなるとアラニンも高い数値を示す。その数値が低下)

GDF-15も有意差を持って下がっている (GDF-15:ミトコンドリア病診断バイオマーカー)

 

 

それでも治験に失敗した理由

◎臨床評価スケールが重症でない人(=軽症の人、限りなく正常に近い人)がたくさん入った。

◎自主臨床試験では、いつ測っても乳酸値が高い人ばかり集めたが、治験では乳酸値が正常の人がたくさん入った。

◎自主臨床研究ではGDF-15の高い人ばかり選んだが、治験ではGDF-15が正常の人がたくさん入った。(DGF-15が708以上がミトコンドリア病の基準だが、治験に入ってきた患者さんほとんどが正常だった)

◎治験を受けた患者さんの数が少なすぎて、有意差を明確にできなかった。

それでも、ピルビン酸ナトリウムを投与されたグループは、プラセボ群より(有意差はつかないけれど)良好な結果を得られた。

 

「治験参加患者数が少ないので、長期治験を続ければ有効性が評価できると我々は期待していたが、PMDAの判断で、治験は中止になった」                                   (PMDA:医薬品等の承認審査などを行う組織。)

 

治験後

治験データを精査する中で、ピルビン酸投与群では、PHが正常値より若干高い数値まで回復したという事実を発見した

これはピルビン酸ナトリウムの、PHに対する影響としては 非常にポジティブなデータである。

ただしこの事実は、治験後の精査による発見なので(編者:最初に評価項目として設定していなかったから?)PMDAでは評価されない。したがって再審査は望めない。

 

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ーー追記ーー

2021年6月開催のアメリカミトコンドリア学会のシンポジウム米国のミトコンドリア病専門医の教育講演で、私(古賀先生)は「アルギニンを使ったMELAS患者の管理法」の話をします。

この講演は、アメリカのミトコンドリア病を診察する専門医の必須の教育講演と
なっていますので、UMDFの講演に関する情報は以下のWebでご確認ください。

https://umdf-mitou.teachable.com/p/umdfmitomedcme21