MA-5のことは、2017年、JAMP-MIT主催(村山班共催)のミトコンドリア病患者公開フォーラムで、東北大学の阿部高明先生から初めて伺ったと思います。
その時は、難しいお話しながら、ミトコンドリア機能の低下に直接作用する新薬と理解し、様々な型のミトコンドリア病に効果があるのではないかという期待感に、胸を弾ませたことを思い出します。
しかし、治験にはいくつもの高いハードルがあるようで、阿部先生の言葉には、端々に慎重さが伺えました。故に、いつになったら治験が始まるのか、遠い未来のように思っていました。
先日、仙台放送の方から、MA-5の治験が始まるということで、取材の申し込みがありました。
メラスの次男/龍の病態、生活介護の様子などが、取材のメインでした。
自分は息子の介護をしながら、みどりの会を通してたくさんの患者家族と向き合っているので、是非とも皆様の代表として、新薬を望む声を届けようと思いました。
取材は一時間余りに渡りましたが、やはり2014年、17歳で発症した後の、龍のつらい症状がメインに放映されています。
メラスの彼は、一日の中でも、あるいは数ヶ月単位でも、病状の波が激しくて、良いときは釣りに出かけたり、絵を描いたりもできますが、病態が悪いときは、心が塞がるようなどん底に落ちてしまいます。
MA-5がどこまで病巣に効果があるのかわかりませんが、放映された映像に映る、元気のない患者のミトコンドリアが、MA-5投与後にはとても力強くなっている様子を見ると、心が弾みます。
安定したミトコンドリアの良好な状態は、患者を見守る家族にとって、かけがえのない夢です。
MA-5が一つ一つハードルを越えることを、心から祈ります。
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仙台放送の放映記録動画です。
https://www.fnn.jp/articles/-/281197
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MA-5治験開始を告げるプレスリリースからの抜粋
(https://www.amed.go.jp/news/release_20211206-01.html)
阿部高明教授を研究責任者としてMA-5の第1相臨床試験を開始。
第1段階として、健康な男性56人に投与、安全性を確認する試験を行う。
MA-5のヒトでの安全性と体内動態を確認できた場合は、第2相臨床試験として、ミトコンドリア病の治療薬として患者さんに投与。
MA-5の人での安全性や体内動態が確認されれば、ミトコンドリア病に限らず、ミトコンドリアの機能低下に伴い生じる、難聴、サルコペニア、ALS、パーキンソン病などの疾病の治療薬として展開することも期待される。