オンラインみどりの会患者会「由里子さんを囲んで」茶話会のお知らせ

 

 

日時:12月4日土曜日13時から15時まで。

加藤由里子さん【国立精神・神経医療研究センター 認定遺伝カウンセラー 】との茶話会を開催いたします。

遺伝子とは? DNAとは? 遺伝とはなんぞや? 的なお話を、ざっくばらんに語り合う会です。

 

みどりの会では、ミトコンドリア患者家族が、気軽にお話できる場を作っていこうと、いろいろなオンライン患者会を計画しています。

体や心が開放される場は、私達が生活する上で、とても大切なものであると思っています。今回は、後藤雄一先生の傍らで働いていらっしゃる加藤由里子さんを囲んで、みんなで気兼ねなくお話をする会を開いてみたいと思います。

由里子さんからコメント

趣味は、テントを担いでの山登りでしょうか? 生後5ヶ月で、娘を飯能の方の山に初めて連れて行きました?
好きな食べ物は、みかん(愛媛出身なので)

30分くらいお話させていただいて、後は茶話会のように、皆さんとあれやこれや、楽しくお話してみたいです。

 

由里子さんとの出会いは2年前。まだお子さんが首も座らない乳飲み子の頃でした。

ブログをみて、秦野のひまわりのつぶカフェに来てくださって以来、お子さんやご家族のことを一番に行動しながらも、ぜひミトコンドリア病患者家族に寄り添いたいと、みどりの会やひまわりの家でのイベントにご家族で参加してくださいました。何気ない素朴さと、真摯な態度に何度も勇気づけられ、いつしかみどりの会にはなくてはならない存在となりました。

実は、9月に開催したオールジャパン患者家族会の素敵なチラシも、度重なる手直しのお願いに快く応じてくださった由里子さんの情熱の賜物です。

ミトコンドリアに関わる遺伝/遺伝子のお話や、DNAや染色体などのお話など、「ちょっと難しくて・・・でも聞いてみたいな・・・」と思っていることを、由里子さんが、わかりやすくお話してくださいます。

関係者どなた様も気軽に参加してみてください。参加者人数制限なし。

聴衆として、ただ視聴するだけの参加も可。出入り自由。

 

お申し込み

①お名前

②ご住所(住んでおられる都道府県、市町村まで)

③簡単な自己紹介( 患者様の場合、病名、年齢など)

④当日連絡がつく電話番号

⑤Zoom招待状受け取り用のメールアドレス(パソコンでzoomに参加なさる方はパソコンのメールアドレス。スマホで参加なさる方は、スマホで受信できるアドレス)

以上をご記入のうえ、下記のメールアドレスまでお申し込みください。

himawarinotubu@gmail.com(みどりの会)

 

お問い合わせ

?090-7196-2751(みどりの会 伊藤千恵子)

 

 

 

小坂仁先生の ミトコンドリア病治療薬の創薬に関するお話

皆様お待たせいたしました。

祝11月3日水曜日に開催いたしました「小坂仁先生を囲んで。オンラインみどりの会」では、先生よりミトコンドリア病治療薬の創薬に関する大変貴重なお話をいただきました。改めて、先生の実直な研究姿勢を感じ、感謝の気持でいっぱいです。

本日は、そのお話のレポートをお送りいたします。皆様の参考になれば幸いです。

(もし内容に誤りがありましたらお知らせください、訂正いたします。よろしくお願いいたします。)

 

小坂先生の ミトコンドリア病治療薬の創薬に関するお話

 

ミトコンドリア病の承認薬は、現在2種類しかない
イデベノン (ヨーロッパで承認されている。レーバー病という視力が落ちるミトコンドリア病限定のお薬)
タウリン  (川崎医科大学が中心になって承認を受ける。「MELASにおける脳卒中様発作の抑制」に効果)

ミトコンドリア病とは
狭義: 呼吸鎖複合体での異常
広義: 呼吸鎖複合体が正常に働くためには、ミトコンドリアにきちんと材料が運ばれないといけないし、老廃物が外に出ないといけない。呼吸鎖複合体の住まいであるミトコンドリア自体の健康が損なわれたときもミトコンドリア病という。

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QMA5について教えて下さい

編集者注
(東邦大学理学部生物学科のHPより抜粋)
ミトコンドリアは、その内膜上にある呼吸鎖複合体において、酸化還元反応を利用したエネルギー代謝により、ATPを産生しています。具体的には、複合体 I ではNADH、複合体 IIではコハク酸をそれぞれ酸化することで、ユビキノン(CoQ10)を還元してユビキノールにし、複合体 IIIでユビキノールを酸化することでシトクロムc(cyt c)を還元します。複合体IVでシトクロムcが酸化され、酸素分子に電子を伝達することで水に還元します。この過程でミトコンドリア内膜を隔ててH+勾配が生じ、このH+勾配を駆動力としてATPを合成します。』
以上編集者のまとめ

A:ミトコンドリアの呼吸鎖の5番(電子伝達系の5番)は 昔の自転車に付いていた発電器(ダイナモ)と似ています。ダイナモがくるくる回転しながら(発電して)光を作るように、ミトコンドリアの中で回転しながらATPを作っている。
MA5は、そのぐるぐる回るところを強くする。ぐるぐる回りやすくする。

呼吸鎖は、プロトン(=陽子。水素原子から電子を取り除いたH+[水素イオン]のこと)を片側に溜め込む。その片側に溜まったプロトンが、雪崩のように落ちて発電機を回す。
MA5はこの角度を急峻にする。(H+勾配を大きくする という意味?)
そのため、雪の滑り落ちる速さが早くなり、発電機がより早く回って光が明るくなる。(=より多くのATPが作られる)つまり、MA5は、ミトコンドリア病の根本的な所、ATPを作るというところに作用しているので、色々な臓器の症状に効果があるはず。

Q: MA5の働きは、巾着袋のようなものだと聞いたが?
A: 巾着袋の紐を強く絞めればば(絞めて力を加えれば?)、なかの小豆が勢い良いく飛び出す。それと似ている。
MA5はミトフィリンという蛋白質に結合して、プロトンを勢いよく噴出する助けをする。

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アポモルフィンについて
リー脳症の患者の皮膚の細胞に「酸化ストレス」をかけると、細胞が死んでしまう。
そこで、世界中の「脳に行く薬?」約300種を購入し、その中から、酸化ストレスを掛けても細胞が死ななくなるような薬を探した。

編者注:酸化ストレスとは
活性酸素は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になることをいいますが、活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態を酸化ストレスといいます。
(出典:厚生労働省 eヘルスネット)

具体的には 患者の皮膚の維芽細胞が酸化ストレスに脆弱なことを利用し、酸化ストレスで弱らせた維芽細胞に300種類の薬品を投与し、弱った維芽細胞を回復させる(正常に近づける)ような薬を探した。

すでに認可されている「イデベノン」を投与したときの生存率が50%なので、それ以上の生存率を示す薬を探したら4つほどの薬が見つかり、その中でもアポモルフィンが特に低濃度でも効くということがわかった。

しかも、アポモルフィンは他の3つの薬と違って、ATP産生を増やすということがわかった。
こういう薬はあまり知られていない。

酸化ストレスから細胞を守るだけではなく、ATP産生も上げてくれるということで、ミトコンドリア病治療薬としては有望だと判断した。

アポモルフィンは、パーキンソン病の治療薬として長く使われており、しかもヨーロッパでは持続投与が承認されている。(日本では持続的な投与は認められていない)

なお、パーキンソン病治療薬として有効なアポモルフィンの「ドパミンアゴニスト作用」は、今回の「細胞死抑制機能=ミトコンドリア病の細胞を元気にする作用」とは、全く無関係であることがわかっている。

古賀先生たちが開発なさったミトコンドリア病のバイオマーカーにGDF-15というのがあるが、患者の細胞に酸化ストレスをかけてGDF-15の数値を上げた細胞にアポモルフィンを投与すると、GDF-15の数値が正常に戻ることが確認された。(編注:ミトコンドリア病患者では、GDF-15の数値が高くなる)

(編注:これは、バイオマーカーDGF-15が、治験時の治療行為の有効性を評価するための指標として採用可能なことを意味している。治験において、効果を数値で評価することが難しいリー脳症には、有り難いこと?

また、リー脳症のモデルマウスを使った実験では、アポモルフィンを注射したマウスは、運動機能が向上することがわかった。(くるくる回る滑車を使って実験で、アポモルフィンを注射したモデルマウスは、何も投与しないモデルマウスより長時間滑車上で走り続けた)

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アポモルフィンの現状
昨年度、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構。内閣府所管の国立研究開発法人=お金を出してくれるところ^^)に応募、採択された。

今やっていること
リー脳症のモデルマウスをつかって、どのくらいの濃度だと運動機能が良くなるかを調べている。

来年の予定
薬がどのように吸収され、どのように効いていくのかを調べる「薬物動態試験」を行う。

2~3年目
幼児・子供に使っても大丈夫か確かめるための「幼弱ラット反復皮下投与毒性試験」を行う。

それと並行して、PMDAと相談しながら、治験のプランを練る
(PMDA:国立研究開発法人日本医療研究開発機構。内閣府所管の国立研究開発法人。薬の認可をする所)

あと2年半くらいで、治験の計画書を提出する予定。
令和4年度位から 治験を始めたいと思っている。

研究体制
海外の協力企業 ブリタニア社、他
国内の協力企業 (株)ノーベルファーマ
治験実施拠点 自治医科大学
研究代表者 小坂仁先生
研究分担者 宮内彰彦先生、久米晃啓先生、相澤健一先生
ミトコンドリア病診断拠点
研究分担者 埼玉医科大学 大竹明先生
研究分担者 千葉県こども病院 村山圭先生

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編集文責;みどりの会

オンラインみどりの会茶話会お知らせ 毎週月曜日

 

 

毎週月曜日11時からオンラインみどりの会茶話会

 

みどりの会の患者会を立ち上げた一つの理由が

患者家族同士の交流でした。

思いの丈をぶつける場所はどこにあっっても良いと思います。

近所の友だちでも、親戚でも、ソウルフレンドでも・・。

ミトコンドリア病ならではの悩みは尽きないものがあると思います。

私はどんな立場であれ、ミトコンドリア病の方の悩みは

相通じる物があると思います。

だから患者会を通じても、相談されるかたどなたとお話しても、どこ

かで知恵を頂き、感じあえます。

毎週月曜日、体に良いストレッチをしています。

老若男女・運動苦手・体硬いオールマイティー

先日の小坂仁先生を囲んでの患者会でも、有酸素運動の必要性をお話くださいました。

無理な筋肉トレーニングではなく、呼吸感応体としての、伸ばしている箇所に酸素を送り届けるような簡単なストレッチや、ツボ押し、気ままにやっています。理学療法士の方の指導もお聞きしたいですね。

やりたいことをやりたい人がやってもいいみどりのオンラインタイムにしたいので、こんな事やってみたい人は是非お知らせください。

 

11月の予定

8,15,22、29全月曜日

時間11時から1時間。参加費無料

zoom機能を利用して、音楽を流したりしながらやっています。

対象:会員制ではありません。ミトコンドリア病患者本人、介護の方どなたでも。

連絡先:himawarinotubu@gmail.com

1 お名前

2簡単なプロフィール(お住まい、病名など)

3zoom招待メール送り先 連絡先の電話番号

4希望・注意事項(例えば、ヘルニアの経験あり等)などなんでも

ストレッチなど内容の希望をお聞きしたいので前日までにメールください、例えば腰痛予防とか、本人へのマッサージの仕方指導とか、何でも言ってください。

アルギニン保険適応第一段階クリア!

 
メラスの急性期にアルギニン点滴を!
 
メラス慢性期自宅療養の不穏時にアルギニン点滴を!
 
日本のどこでも繋がれる道のために、
みどりの会で声を上げてきた、アルギニンの保険適応のステップ1が
古賀靖敏先生により、成就されました。
日本先天代謝異常学会理事会で、学会から日本小児科学会薬事委員会への承認申請書が受理されたというお知らせを受け、5日の朝は晴れやかな朝となりました。
この資料を作り上げるのに、どれだけの労力が必要か、私達の想像を遥かに超えた、努力の賜物です。
アルギニンが、一歩一歩階段を上る姿を、想像して、胸が熱くなります。
龍も、ずいぶん筋力が弱くなり、精神状態がわるくなりましたが、この朗報に、彼のミトコンドリアは、気を取り戻していってくれるのではないでしょうか。
第一段階クリアを、真摯に受け止め、更なるステップに、祈りを捧げます。
 
**********古賀先生からのお手紙
11月3日開催された日本先天代謝異常学会理事会で、学会から日本小児科学会薬事委員会への承認申請書が受理されました。
今後は、日本先天代謝異常学会から日本小児科学会薬事委員会へ提出されます。
日本小児科学会理事会から承認された場合、厚生労働省薬事委員会へ提出され、保険機構審査委員会への提出となります。
まずは、第一段階クリアです。


古賀靖敏

 

小坂先生を囲んでのオンラインみどりの会 報告

11月3日13時~15時まで
今回のzoom会は、小坂仁先生、みどりの会オブザーバーで遺伝カウンセラーの加藤由里子、技術スタッフ山下祐司を含めて、総勢16名で行いました。
(今回は傍聴のみの方も自由に参加できるように配慮いたしました)
今回のみどりの会zoom会では、小坂先生のミトコンドリア病治療薬の創薬に関するお話を始めとして、てんかんのお話、生活する上での心身のメンテナンスのお話など、患者家族同士の意見交換も含めて、活発な話し合いが行われました。
MA5とアポモルフィンという新薬の治験状況については、小坂先生の貴重な画像入りのお話しがありましたので、詳細はまとめて後日ご報告させていただきたいと思います。
てんかんのお話では、メラス、リー脳症、遺伝子のわからないお子さんなど、それぞれの患者さん状況に即して、先生が的確なアドバイスを与えてくださいました。
2時間という短い時間でしたが、小坂先生はみなさまに適切に、多方面からのアドバイスをなさっていて、その誠実なお人柄が伝わってきました。
また、小坂先生とのやりとりで使われた詳細なてんかん症状、精神症状などの記録は、ミトコンドリア病患者の貴重な資料となりえると思いましたので、御本人の許可を得て、今回の配布資料に掲載させていただきました。
その記録は、年齢・自然環境・生活環境・本人の個性等々が様々に絡み合って、不可解な病状を表出しているのだと感じさせます。
会を重ねるごとに思いますが、年齢・病状・予後それぞれが違えど、患者さん一人一人の記録、先生のアドバイス一つ一つが、命を形成する最小単位、ミトコンドリアについての知見となり、それが私達の生活の糧となるのだと実感いたします。
小坂先生からも、「みなさまとお話しして勉強になりました。また頑張ろうという気持ちになりました。」と、大変嬉しいメッセージをいただきました。
今後も、皆さんの声を元に、みどりの会患者会を企画して行きたいと思っております。もし、参加したい企画があればどうぞご連絡ください。