先生からのメッセージ:長友先生

風薫る5月。立夏過ぎて、気温も湿度も増してきました。

普通でも、少し脳に影響が出るこの時期です。皆さんお変わりありませんか・

龍は睡眠障害が落ち着かず、精神の不安定さがぎりぎりにきているようでもあり、

手足を触るとぬるっと冷たいので、急性期の痙攣時代がよみがえり、胸が重苦しくなります。

メラスの悪状況を改善してもらってきた、アルギニンの点滴を打ってもらいたい時期です。

しかし、、、

地域の精神科の主治医が変わり、アルギニンは保険適応になっていないので、点滴は無理だといわれてしまいました。

そんな朝、愛媛の長友先生からうれしいメッセージが届きました。

前回のミトコンドリア病患者公開フォーラムで新生児ミトコンドリア病についての講義をお聞きして、その前向きなお人柄に、お便りさせてもらっていました。

少しでも皆さんの周りにやさしい風が流れますように。

長友太郎先生からの、みなさんへ、

健康への願いを込めたメッセージです。

 

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私は愛媛県の松山市に住んでおり、家の近くに市の中央消防署があります。
そこでは若い隊員さんたちがしょっちゅう消防署の周りを走っています。
重そうな防護服を着て背中にボンベを背負ってひたすら走っています。暑い夏の日もです。
また、時には屋上にある設備を使ってビルからビルに移り渡る映画のワンシーンのようなすごい訓練をしています。
そして私は隊員さんの汗まみれの真剣な姿を見るとなぜか胸にジ~ンと熱いものを感じるのです。
“私たちはこんな人たちに守られて暮らしているんだなぁ”

新型コロナウイルス、という言葉を見るのも聞くのも嫌になるような生活が続いています。
しかしこの感染症で唯一私たちの気持ちを楽にしてくれるのは、
”どうやら赤ちゃんや子どもがかかって重症化しやすい病気ではなさそうだ”という情報です。

では、そのような状況で私たち新生児科医は何をしているのでしょうか?
感染した妊婦さんの出産、その新生児への対応などを想定して何度も何度もシミュレーションを繰り返しています。患者さんがいなくてもいるつもりで寸劇のような訓練の繰り返しです。新生児に限らず、きっと全国の小児科医が同じようなことをやっているでしょう。
消防隊員ほど肉体的、精神的にハードな訓練ではなくても私たちはしっかりと準備しています。
ようやく「出口」という言葉をニュースで聞くようになりましたがまだまだ用心は必要です。
それでも、万が一感染してしまっても、本気で準備をして待ち構えている人たちがいることを知って少しでも気持ちが軽くなってくれたら嬉しいです。

愛媛県立中央病院 新生児内科 長友太郎

いのちにエール

ミトコンドリア病研究に身を傾けてくださる先生方へ

メッセージを送っていただき、本当にありがとうございます。

 

私たちミトコンドリア病患者家族は

コロナウイルスのこのような切迫した時期の到来にもかかわらず、日々逼迫した身体と向き合っております。

ミトコンドリア病に限らず、

ある障害を持ち

ある病を持ち

生きていくうえで

大変な状況の人には

コロナの状況以前から頻拍した状況でしたから。

いろんないのちがあることを

周知してもらい

いろんないのちが手をつなぎあえたらと思っています。

私は、今日、秦野の自然と

密接につながってきました。

四十八瀬の河原で

野フキをとり、

おひさまにあたり、

フキみそ

フキ料理して

自然をいっぱい感じました。

患者家族が自然を感じて少しでも笑顔が取り戻せたら

いいなと心から思いました。

 

 

先生たちからのメッセージ3 大竹先生ミトコンドリア病の診断と治療:今昔

去年のフォーラムで、大竹先生の5-アミノレブリン酸の講義をお聞きしました。

先生の厳粛な講義の最後に目の悪い猫ちゃんが登場して、

「病気を持つ猫がいとおしい」と、締めくくられました。

研究の厳しいお顔の向こうに秘めるやさしいまなざしを見た時に、ー病に出会ったからこそ、触れ合える優しさーと、だいじにに心にしまいました。

このホームページのメニューぬくもりの部屋に大竹先生んちの猫ちゃんのコーナーがあります。

是非この記事のあと、立ち寄ってください。

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ミトコンドリア病の診断と治療:今昔
埼玉医科大学病院 小児科/ゲノム医療科 大竹 明

 

2020年4月始め現在、私たちの手元には2620家系4119名にのぼる方々からの6935検体がございます。まずは一重にご協力頂いた患者さん・ご家族、そして主治医の先生方のご協力に感謝いたします。

思い出すのは第1番の患者さんです。出生前から脳室拡大を認め生後すぐに強い高乳酸血症を来たし、当時有効とされていたジクロル酢酸ナトリウムやビタミンB1等の使用も効果なく生後3か月あまりで死亡されました。姉も同様症状で生後すぐに亡くなっておられました。翌年私はメルボルンLa Trobe大学のMike Ryan先生の下に留学し、Royal Children’s HospitalのDavid Thorburn先生の助けも借り、この患者さんの解析を行わせていただきました。

結果は図1a, 1bに示す通りで、呼吸鎖Iの量・大きさは対照と差を認めませんでしたが、活性が綺麗に低下しており、呼吸鎖I異常症との診断が確定しました。これが日本で最初の新生児・乳児ミトコンドリア病ではないかと思います。

図1b.呼吸鎖酵素活性測定結果.
Pt: 患者、SDH: クエン酸脱水素酵素

私の帰国後、千葉県こども病院の村山圭先生が続いてメルボルンへ留学し呼吸鎖酵素アッセイ法を習得して帰国され、さらにその後ミュンヘンのHolger Prokisch先生の教えも受け、現在は順天堂の岡﨑康司先生を始めとする多くの研究者の皆様との共同で、年間1000例に達する依頼患者さんの解析をこなしております。
私たち臨床医の究極目標は治療法の開発です。日本の研究はかなり進んでおり、私の行っている5-アミノレブリン酸を始め、国内で開発されつつある新薬の多くは、外国からも引く手数多となっていることを申し上げておきます。

そして最後に強調したいことは、患者会や各NPO団体の方々との協力です。患者登録制度は、病態解明に加え新薬治験の参加者を募るためにも一刻も早い整備が必要です。
私もまもなく定年の年を迎えますが、多方面の方々(写真)と協力し、今後も患者登録と治験を中心に、まだまだ頑張って参りたいと思います。

皆様と力を合わせ、未来が明るいことを信じて、このコロナの難局を乗り切りましょう。

資料

図1a1b.呼吸鎖酵素活性測定結果.
Pt: 患者、SDH: クエン酸脱水素酵素

 

田中先生メッセージ2

田中先生が一線の研究者の研究に触れられて、

送ってくださいました資料を紹介します。

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横浜市立大学の佐藤彰洋教授の文章を転記します。
田中雅嗣

ウイルスと共存する長期戦略は存在しない
2020年3月29日版

文責:佐藤彰洋 (ahsato@yokohama-cu.ac.jp)

今回のCOVID-19の感染拡大は基本的に「疫病」と古来から呼ばれる現象です。この規模は100年間以上一度も発生してこなかったので、誰も、この現象を見たこともないし経験したこともない。しかし、これは、建物は破壊されることなく、人の生命だけが失われていくという大規模災害と理解すべきなのです。

そして、理論的には、「ウイルスを消滅させ終息させる」か、「全員がウイルスにかかり病気になる」かのどちらかしか、解はないのです。これは理論的には、パーコレーション理論における浸透閾値問題に帰着されます。

そして、爆発的な感染拡大「オーバーシュート」と呼ばれている現象は、感染者数の指数関数的な増加の現象をさしています。 この爆発的感染拡大が発生しますと、日本国の全人口に向かって1週間で約10倍の増加速度で感染者が増加していきます。この事態となりますと基本的に制御不能です。

停止させるためには極めて厳しい都市封鎖と移動制限を課す以外に道がなくなります。これが起こり始めるのは、4月9日頃、そして我々の意思決定でそれを制御できるのはその14日前の3月26日頃でした。

3月28日から関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県)は休日の外出自粛に入り、関西(大阪府、兵庫県)で外出自粛に入っていますので、明日からも引き続き人との直接接触を行わないという行動選択をこの地域において今後10日以上は取って頂きたい。これにより、東京都と大阪府でそれぞれここ数日確認され始めました、感染者数の急増、増加現象を抑え込むことが可能となると共に、近隣県で今後始まる急増に事前に対処できるようになると考えます。

この仕組みは、我々が日常的に行う人と直接接触を介在して感染が繰り返される連鎖(感染連鎖)を直接接触しないことで未然に止め、感染連鎖の増殖を止めることを意味しています。

更に全国的に見ますと、感染者数が3000人~5000人を超えた当たりで医療と隔離の容量を超過した段階で一気に現在の感染率が上昇し、この爆発的感染拡大が始まります。これは、これまで医療機関で隔離され感染が抑制されてきた効果が、医療設備と人員の能力上限を突破することで無効となり、感染者が未罹患者へ感染をさせることを押さえきれなくなることで発生します。

私の計算では、何もしないとやはり、4月9日からこの医療容量の超過が始まりまして、感染者数を1万人を超えたところから、10万人までその1週間後、100万人までその2週間後、1000万人までその3週間後と増加していきます。

おそらく100万人を超える当たりから、あらゆる産業セクターで感染者が確認されるようになり、産業活動を再起不能な形で停止する以外に道がなくなります。

更に、電力インフラセクターでこれが起こり始めますと、運転員、保守員が大量に発症することで、運転不能に陥る現象が起こり、発電量の著しい減少とともに、感染者数1000万人まで到達する時点で、全ての社会インフラが停止し、再起不能となるリスクシナリオが顕在化すると考えています。 水道やガス、通信、公共交通も全て何等かの形で常に電力を必要としますので、電力セクターの停止はすなわちあらゆる社会インフラの停止をもたらすのです。

このような指数関数的な爆発的な感染拡大(すなわち指数関数的な感染者数の急増)の状況が一旦始まりますと、どれほど医療設備を準備し、人員を尽くしても、どれほどの資源を事前に準備しても、社会インフラが停止するという意味でもはや現代社会の恩恵を受けて生活している誰も助かる方法がないのです。

すなわち、このウイルスとの闘いが、「長期戦」であるとか、「ウイルスとの共存が可能」であるという幻想は捨て、

「ウイルスを消滅させるか我々がウイルスに消滅させられるかの二者択一の問題であり、その意思決定は、我々がこの2週間の行動をどうするかで全て決まる」

ということを強く主張させて頂きたい。

具体的行動としまして、この2週間で不要不急の外出だけでなく、生命維持に直接かかわらないあらゆるヒトとの直接接触を伴う社会活動を完全に停止させるレベルまで経済社会活動を低下させて頂きたい。

「経済を蘇らせることは、死者を蘇らせるよりはるかに容易なことなのです。」

死者を蘇らせることは不可能ですが、経済は、我々が生きてさえいれば、いつでも再生可能なのです。 正しく短期決戦でこの疫病を終息させる。 この戦略以外には我々が生存できる選択肢は存在していないと考えます。

ひとりでも多くの方にご理解頂き、また、その意思決定ができる、この残りわずかな1日、2日において、一人でも多くの方にこのことを知っていただき、ご理解とご協力をお願いしたいと考えます。

どうか、この極めて重要な分岐点に我々が今いるのであるということを、ご認識頂き、一人でも多くの方にこのことをお知らせ頂きまして、国民の皆様が一人でも社会的距離戦略を採用し、2週間はヒトと会う頻度を最低でもこれまでの1/10以下に低下させて頂く活動にご参加をお願いしたいと考えます。

そして、爆発的感染拡大を抑止し、指数関数的な感染者数の増加局面に入ることを避け、この「疫病」を終息させる活動へのご参加とご協力を皆様にお願いしたいのです。 具体的な、行動については、以下に記載してあります。

• https://www.fttsus.jp/covinfo/our-action/
• https://www.fttsus.jp/covinfo/social-distancing/

先生たちからのメッセージ2 田中先生

 

ミトコンドリア病患者家族とミトコンドリア研究の先生たちとの懇親を

今こそ深めるべきだと思っています。

自分が交流できる先生とメールでお願いして患者家族に向けての情報をいただき、エールの交換ができたらと思います。

今回は、ピルビン酸ナトリウム生みの親、田中雅嗣先生からのメールです。

ドクター相談室には、2007年から、ピルビン酸ナトリウムの見解など精力的にコメントをくださっています。

今春のミトコンドリア病研究患者公開フォーラムでは田中先生のミトコンドリア入門の講義を楽しみにしておりました。

田中先生からのメールは2回に分けて送ります。

以下田中先生のメール内容です。

 

田中先生ありがとうございます。

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ミトコンドリア機能の低下があると、新型コロナウイルス(COVID-19)による重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome)が重症化するというデータはまだ無いと思います。
ミトコンドリア病の患者・家族のみなさんは、普段から用心深く、外出を控えているので、
ウイルス感染にかかりにくいでしょう。

伝染病は、病原体(ウイルス)と宿主(ヒト)の関係です。
集団の中で感染が拡大していく過程を「SIR」という数理モデルで考えます。
集団の中に、抗体を持っていない感受性保持者(Susceptible)が、ウイルスを撒き散らす感染者(Infected)に接触すると、「S」から「I」に変化します。体内で抗体ができると回復者(Recovered)「R」となります。
インフルエンザの場合には、解熱してから48時間待てば、ウイルスを排出しなくなるので、出勤が可能になります。
しかし、新型コロナウイルスの場合は、潜伏期間が長く、感染してもほとんど無症状の人がいるので、自分では感染者であるという自覚がなく、多くの人々にウイルスを撒き散らしてしまいます。
大流行が自然に収まる時には、多くの人が抗体を持っている回復者「R」になります。
感染者を集団から完全に除去してしまえば、隔離者 Removed「R」になります。
感受性を有する人(Susceptible)にワクチンを接種すれば、抵抗性を有する人Resistant「R」になります。
(このように「R」はいろいろな意味になります)
インフルエンザの予防接種を、集団の中で7〜8割の人が受ければ、大流行は抑制されます。
感染爆発を防ぐには、感受性を有する人「S」と感染者「I」の接触(コンタクト)を避けために、社会的距離(Social Distance)を保つことが必要です。感染者を病院で隔離ができなければ、家庭内で隔離を続けるしかありません。
新型コロナウイルスに対するワクチンの安全性が確認され、多くの人が接種を受けるようになるまでは、小さな規模の集団感染(クラスター)を生じるたびに、その拡大を抑制する措置を講ずるしかないでしょう。
長期戦になると思います。

中国・韓国・台湾・日本でCOVID-19の感染拡大を抑制することができている。
一方、ヨーロッパやアメリカでは感染爆発が起きた。
ニューヨークでは、アフリカ系アメリカ人の死亡率が、ヨーロッパ系アメリカ人の死亡率よりも高いことが報告されています。
これは、社会経済学的な格差が原因かもしれませんが、遺伝的多様性による差かもしれません。
私は遺伝的多様性に興味があります。
COVID-19が細胞に侵入する時に、最初に結合するタンパク質がACE2です。
ACE2は血圧調節に関与しており、ACE2遺伝子の多型によって、抗高血圧薬の効き方に差があります。
ACE2遺伝子はX染色体にあります。
ACE2多型の一つに、AタイプとGタイプがあります。
Gタイプを持っているアジア人男性は50%で、Aタイプを持っているアジア人男性は50%です。
Gタイプを持っているヨーロッパ人男性は25%で、Aタイプを持っているヨーロッパ人男性は75%です。
Gタイプを持っているアフリカ人男性は10%で、Aタイプを持っているアフリカ人男性は90%です。
もし、Gタイプの男性がCOVID-19に抵抗性があり、
Aタイプの男性がCOVID-19に感受性があると仮定すると、
世界における感染爆発の地域差を説明できます。
また、女性と男性と比較すると、男性の死亡率が高いことが注目されます。
女性はX染色体を2本持っているので、AAタイプ、AGタイプ、GGタイプに分かれます。
女性では、X染色体の一方がランダムに不活性化されます。このため、
GGタイプとAGタイプの女性はCOVID-19に抵抗性があり、
AAタイプの女性はCOVID-19に感受性があると仮定できます。
GG+AGタイプを持っているアジア人女性は75%です。
GG+AGタイプを持っているヨーロッパ人女性は43.75%です。
GG+AGタイプを持っているアフリカ人女性は19%です。

自分のACE2多型を検査し、
Gタイプを持っている人は感染しにくいので、用心深く通勤を続ける。
一方、Aタイプを持っている人は感染し易いので、在宅勤務にする。
(この仮説が正しくても、差は大きくないので、両方のタイプの人が外出を控えるべきです)
Aタイプの人が発症したら、優先して集中治療を開始する。
遺伝子差別になるかもしれませんが、こんなことを想像しています。

感染が終息に向かったら、ACE2多型の研究ができると思います。

(なお、ペストの場合は、ペスト菌をネズミが媒介するので、都市環境(下水道)を整備しないと収束しませんでした)

順天堂大学大学院医学系研究科神経学 客員教授
イムス三芳総合病院 臨床検査科 部長

田中雅嗣

先生たちからのメッセージ 村山先生

ミトコンドリア病の仲間内で情報を共有したいと思っています。

新型コロナウイルスの感染拡大で、人との距離のとり方が難しい今、ストレスで体調を崩す方もいらっしゃるのではないかと思います。

こんな時こそ、ミトコンドリア病を囲む人たちで交流したいと思い、

専門の先生たちに連絡して、患者家族とエール交換をメールでできないかと考えました。

先生たちも医療の現場で必死です。

是非、必要な情報も受け取り、感じあって、乗り越えていきたいです。

早速届きました、千葉こども病院代謝科 村山圭先生からメールです。

感謝。

 

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こんにちは。
3月下旬から日々、新型コロナウイルスへの対応に追われています。私たちを取り巻く状況は一変しました。
私たちを含む多くの研究室で実験が止まっており、ほぼすべての学術活動がストップし、ミトコンドリア病の診断・診療業務も制限せざるを得ない状況です。
私たちは既に病院内で同じ科の同僚と接すること(会うこと)をやめています。チーム内の情報共有はZoomで行っています。感染による共倒れを防ぐためです。
来週からは一部在宅勤務を活用します。すべては提供する医療の質を保つためです。
それでも思い浮かべるのは、ミトコンドリア病の方々の事、研究のこと、臨床治験のこと、多くの私たちが関わっているこども達のことです。
確実にいえるのは、アフターコロナは必ず来る、ということです。それまで私たちは医療の質を何とか保ちつつ、そう遠くない未来のこの病気の克服を思い描き、少しずつ前に進みながら力を蓄える事だと思っています。
皆さんも心細い思いをされているかと思います。感染機会を減らし何とか重症化することを防ぐ手を打ってください。
誰かを責めず、知恵を働かせて、協力してこの難局をお互いに乗り越えましょう。
スーパー、コンビニ、エレベーターなどなど考えれば感染の機会は山ほどありますが、それでもできる限り感染しないようお過ごしください。
アフターコロナの時期に、穏やかになったところで、また元気でお会いできるのを楽しみにしています。
Keep Smile、そしてGood Luck!!

村山 圭

ミトコンドリア病薬剤

希少難病のミトコンドリア病には

特効薬の薬はなく、
去年、タウリンがミトコンドリア病の薬として

保険適応が初めて認められました。
私たち難病患者家族にとって、患者の体を維持する薬は
とても大事なもので、その情報交換もとても大事です。

仲間内での情報交換の中で、ノイキノン、ユベラがメーカー生産中止という報告うけ、すぐさま

薬剤師に問い合わせてくださった方が

ノイキノン・ユベラの錠剤は今まで通り処方。粉薬は中止と見通しを報告してくださいました。

患者によっては、錠剤が良かったり、粉が良かったり。
錠剤を粉砕して粉にしたもらったりして

工夫しているようです。

大量の薬を飲んでいる方も多く、薬を毎日飲み続ける事の不安もあるはずです。

飲んでいる薬が、飲みにくくて閉口している方もいるでしょう。

ミトコンドリア病にとって

薬の情報はとても大事です。

今ある薬の中でも、

本人に合う薬を見つけることも大事ですし、

新薬研究を患者家族として支えることも大事です。

自分は、今まで薬嫌いで、なるべく薬を飲まずに自然療法を

心がけてきていましたが、

息子が何度も倒れ、いろんな自然療法を自分なりにやっても追いつかないミトコンドリアの在り方に、薬の存在価値を知りました。

なるべく、本人の体に負担のない形で

本人の体の維持に大切な薬を上手く摂っていきたいです。

 

生活のリズム 睡眠障害

全世界で新型コロナウイルス感染の最中です。

不安な毎日をお過ごしではないでしょうか。

風邪でも、インフルエンザでも、感染に弱い我が患者家族の心痛はいかばかりか。

薬対応や本人の病状対応も、しっかりしていただきたい思いです。

息子の国立難病のセンターでは、2月の末から電話対応に切り替え可能でした。

主治医との電話外来したのち

地元の薬局(大手薬メーカーが承諾)で、病院事務局と電話とFAXでやり取りしていただき、

無事処方薬をいただくことができました。

もう一つの精神薬の処方は地元の病院なので

自分が外来、処方でよいかなとも思いますが、介護士に相談,

精神科主治医も電話対応に応じていただけました。

本人が落ち着いている状況だからできたことですが。

皆さんの地域では、診療、処方共にうまくいっていますか?

とにかく緊急事態なので、

声をあげるって、勇気がいるけど、

こちらの状況をしっかり話して、状況に対応してもらえるようにしないといけないと思います。

当たり前のことが、普通にできない、ということ。

誰もが一律苦しい状況に立たされると、

難病の苦しさも少しは理解してもらえるきっかけになってほしいです。

おかしな言い方かもしれませんが悪しからず。

頑張りましょう!!

 

緊急事態宣言も出されました。

自営業の我が家は、母親の収入のみの生活形態ですので

ここ数か月の収入の激減少で

やれやれ、頭、悩まします。

でも秦野はとてもおいしい野菜いっぱいなので

安価な野菜をいっぱい買い込んで

いろんな料理を楽しんでいましたら

息子の便秘がとても良くなりました!

ここ一か月の介護の方の評価は今までにありません。

腸の動きがとても良いです。

そのせいか、緘黙が減ったように思います。

 

しかしコロナコロナと流れる報道が不穏な雰囲気を醸し出すためか?

睡眠障害に陥っています。

夜寝る前にリフレックス一粒飲ませています。

なるべく余分にニュースは流さないようにしています。

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解消方法あったら教えてください。

介護の母親は睡眠不足にとても弱いです。

生活のリズムはとても大事だと思いますので

自分のストレスも

患者のストレスも溜めないカタチで

今を生きています。

 

 

 

記憶ーミトコンドリアのへたり

ミトコンドリア病の病態や病状悩みは本当に複雑ですね。

みどりの会で知合う人がそれぞれ年齢も病態も経過も違うことに

感じ入ります。

心がおれそうなときは、本当に駆け込む場所が必要です。

そんな時は、気軽に連絡ください。

みどりの会での患者家族の仲間がみんな応援しあっていますから。

少しでも何かを伝えることができるかもしれません。

 

ということで、我が息子龍のお話しです。

龍は17歳で発症し、一時は失認失語全身麻痺、経鼻栄養、尿管カテーテル

寝たきり状態で

退院も不可能かもと告げられました。

どん底まで行っても、体は少しずつたてなおっていく。。。。。

入院時の主治医は、「今ミトコンドリアを立て直すためによいといわれているサプ的なものを管から入れているだけなんだけど」

とポロリ。

あとは彼の気力もあって

退院してからは「入院は絶対のストレス」と

入院しないための生活リズムを生真面目に実践しています。

今では朝7時から夜8時半まで自分の好きな生活スタイルを全うできるようになりました。

これからのことはわかりませんが。

しかし脳の高次機能障害はかなりやられてます。

高次機能障害はとても複雑です。

単にコミュニテーション不能とは言い切れないところがあって、

一緒に生活している母親には言いたいことや気持ちの向いている方向がわかるので、

わかってもらえない彼を、置き去りにしたくなくて

いろんな表現方法を練ります。

彼が好きだったこと。

絵画、粘土、習字、本、釣り、魚を飼う水槽、

水族館、博物館、生き物のこと。

しかし、発症前の記憶が彼を苦しめます。

記憶をたどる彼は、不安に陥り、精神症状を悪くしていきます。

どんなに好きあことをやっていても

ミトコンドリアのへたりからか、精神症状が悪くなり、

緘黙に陥り、時は止まります。

 

ミトコンドリアは感じる力がありますから、

患者様それぞれの症状であると思います。

 

でも大事なのは

どんないのちも頑張っていることを受け止めることだと思います。

一生懸命に生きているいのちを

讃えたいと思います。

 

 

 

病院緊急対応

からだが困った人が駆け込むところですが

病院が危ない場所になっている現状。

本日は、小平の難病センターに母のみの外来予定でしたが

病院が感染源にならないように

電話診療という体制があると聞いて、

電話で主治医と話し

本人の安定した状態を話し、今までと変わらぬ処方を

地元の薬局に送り、薬をもらえることになりました。

これも、本人が体調的には安定しているおかげです。

いろいろ言えばきりがないくらい不安定ですが。

こんな世の中の状況に対して

不安を注がないようにしたい、、、とおもいます。

不安は、一番の免疫力阻害につながると思いますので

言葉(態度)を選び、本人と対応しています。

脳の高次機能の障害と向き合うことは

根気のいることですね。