みどりの会オンライン交流会報告

みどりの会のZOOM交流会は、4回の招待メールを送る長丁場になりました。
発症年齢も、病状も、立場も、様々で、質問事項も多種多様でした。
はるみさんがまとめてくださった、皆さんのそれぞれのミトコンドリアエピソードは、とても深い家族の絆があり、
個人の大切な情報です。ブログを通して、他の患者家族んみなさまへの生活の糧となるように大事に扱っていただけたらと思います。
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記録
◆みどりの会 主宰 伊藤千恵子ご挨拶
◆アメリカ患者会との交流について
 第一回 2021年4月17日(土)実施
第二回 2021年6月26日(土)AM9:00~開催予定。当日は視聴だけの参加でも大丈夫です。
アメリカ患者家族の方々もとても温かい方ばかりです。通訳スタッフもいますので、気軽にご参加ください。
◆懇親会での内容は非常に貴重なものであり、また個人情報が多く含まれていますので、各自慎重に取り扱ってください。
◆個人的にコンタクトを取りたい方同士をつなぐことも可能です。
◆事前に送信済みの参加者の自己紹介をもとに、各自簡単なご挨拶
<参加者それぞれの発症時・現在の病状・予後の不安など>
◆世界でも数名しかいないメラス586変異遺伝子がみつかり、進行が早く、急に食べられず、話すことが出来なくなり、栄養チューブから、現在は胃瘻管理となっている。医師からは、もしも急変した際に、急遽気管切開の判断を迫られることもあり得ると言われた事があり、今は症状が安定しているが、心の準備も必要なのかとも思っている。(娘メラス発症-母)
◆腎臓移植が必要になり、日本で親から子への移植を計画していたが、コロナの影響で保留。膵臓移植も必要と言われ、心臓にも影響があり、次々に現れる症状に戸惑っていたが、最近ミトコンドリア病であることを知った。皆さんの経験を聞いて参考にしたい。(娘メラス―父)
◆更年期に、脊髄小脳変性症とミトコンドリア脳筋症を発症。クレアチニンの値が高値で週3回の透析を受けている。認知症の進行を抑制するためにも服薬は最小限に減らして過ごしている。(母ミトコンドリア脳筋症発症-娘海外在住)
急性期のアルギニン投与がなかなかスムーズにできない場合もある中、比較較的早い段階でアルギニン投与を受けることができた。知的退行があるが、現在は難聴の進行が一番気にかかっている。年々徐々に聴力が低下しており、現在は補聴器を付けて生活している。(娘メラス発症-母)
◆失語から始まり発症し、視力、高次脳機能障害、難聴、手先の不自由さがあり、コミュニケーションをとることが難しくなってきた。(息子メラス発症-母)
◆2才時に歩行困難から始まり、呼吸困難。当初はリー脳症疑いでビタミンB1の大量投与を行った。ビタミンB1の投与が効いたのか、大脳基底核の壊死部分が黒くなり歩行可能となった。思春期まで普通級に通えており、その後自閉傾向が強くなり、現在は精神科メインに受診している。(息子リー脳症PDHC発症-母)
◆独歩が始まってから、途中でクルっと回転したり、歩き方に違和感を感じ始め、検診でも歩く練習を勧められるが、転倒が目立ち始める。違和感を感じた母は検査を進め、脳に病変が見つかる。一時は低酸素脳症と診断を受けるも、他病院にてミトコンドリア病リー脳症が判明した。(息子リー脳症発症-母)
◆11年前の発作により、脳の1/4の機能にダメージを受けてしまい、障害が残った。その後6年ほどは症状が安定しリハビリに取り組んでいたが、新たに脳の違う部分に再発し、障害が増えた。現在もリハビリを行いながら、一人暮らしをしている。
なだらかに少しづつ出来なくなっているのが現状だが、横ばいで過ごせるように願っている。読み書き・理解・計算などは難しくなり、コミュニケーションが上手くとれずに言い合いになってしまう事もある。本人は進行を自覚、理解しているため辛いと口にしている。発症当時、医師には一年先の予測をするのは難しいと言われ、家族で一緒に過ごす時間をとても大切にして過ごしている。(息子メラス発症-母)
◆生後半年で発達不良、1才7か月でリー脳症と診断を受ける。疑いの時から乳酸値が高値で、呼吸の不安定さを感じることがあった。突然の呼吸不全から、人工呼吸器管理となり現在自宅で過ごしている。(娘リー脳症-母)
◆新生児期より低緊張で独歩が遅かった。重度の知的障がいと多動症がある。2歳の時に高熱から全身脱力、眼球上転が続き、筋生検を実施。呼吸鎖複合体IV欠損が判明した。現在養護学校に通っている。(娘 呼吸鎖複合体欠損症-母)
◆発症から7年目を迎え精神症状の悪化がみられている。日頃は通所に週5日通い、絵を描いたり、釣りを楽しんでいる。親しい方を亡くし、精神症状の悪化がみられ検査入院。精神症状の悪化による病状の進行との診断。数年間の働きかけで、アルギニン点滴を在宅療養でできる環境となり、地域の医師や訪問看護との連携が重要だと実感している(息子メラス発症-母)
◆数か月前、夫がメラスを発症。乳児も抱えており、職場への復帰や今後の生活の事を考えると色々な面で不安がある。(配偶者メラス-妻)
◆生後6ヵ月までは通常発達。7ヵ月頃から嘔吐・胃腸風邪があり、その後、目が開かなくなった。大きな病院での精密検査を勧められて、現在はリー脳症疑いで遺伝子検査の結果を待っている。今後どうなってしまうのかとても不安。入院時と比べ、在宅療養時の乳酸・ピルビン酸値が高値で原因が解っていない。摂取するものの影響があるのか。(息子リー脳症疑い-母)
<食事に関する事>
◆栄養士さんにg単位で計算をしてもらい、ケトン食を食べさせていたが、想像以上に脂質が多く驚いた。消化の問題もあり、一時中断したが、現在は安定して過ごせている。(息子リー脳症-母)
◆赤ちゃんに、スムージーを飲ませているが、糖分が多すぎではないか不安。低血糖も良くないと言われている。(息子リー脳症疑い-母)
◆ケトン食を勧められ、脂肪分の高い粉ミルクに牛乳を混ぜて飲ませていた。野菜を多めに摂る食生活を意識している。ケトン食と、ビタミンB1の摂取で病状が安定したように感じている。(息子リー脳症B1依存性のPDHC欠損症-母)
◆徹底したケトン食のような管理はしていないが、日ごろから糖質少なめ脂質多め
の食事を心がけている。(娘呼吸鎖複合体欠損症-母)
◆夏場は暑さに弱く、食欲も低下気味の時があった(娘メラス-母)
<呼吸の管理に関して>
◆時々赤ちゃんの呼吸が不安定になることがあり、不安である。
◆呼吸困難を起こしたことはないが、てんかん発作が増えたため、睡眠時には足にモニターを付けるようになった。
◆現在、市販でモニターを購入する事もできる為、呼吸が不安定など感じるようだったら、睡眠時にモニターを付けると安心だと思う。
新生児期の風邪気味の時などに呼吸の不安定さを感じ受診したが、その時は発症前で原因が分からないままだった。
<通所・レスパイト・ショート・福祉支援について>
◆主に身の回りの世話をしている親の年齢を考えると、ヘルパーさんや外部の方の介入も必要であると考えて、一度、ヘルパーさんにお願いしたこともあった。しかし相性が合わず、本人が嫌がってしまった経緯もあり、自分が元気な間は自ら世話をしてあげたいという思いも重なり複雑な心境である。障がい福祉の支援等も受け入れていかなくてはいけないとも感じている。
◆患者のサポートをしている家族が元気に過ごすためにも、レスパイトやショートスティ、ヘルパーさんの介入、訪問看護などを利用することは必要なのではないかと感じている。
◆成人期になると、体格も変わり、介助も大変な部分が出てくると思う。医療的ケアのできる看護師さんのいる通所へ週5で通い、月2回程度は2~3泊でショートを利用している。
◆高齢の患者が外出したいときに、近くに付き添いのできる親族がおらず、どのような手段があるのか知りたい。
◆障がい福祉課で移動支援の受給者証を申請して、使用できる事業所を探す流れになっている。相談員さん、ケアマネージャーなどに移動支援の申請をしたい旨伝えてみてはどうか。
◆週3回訪問看護、週2回通所に通っているが、本人はあまり行きたがらない。ベッドに座って1日すごく事が多い。
◆本人は通所に興味がなく、自宅での生活が多くなっているが、介助できるのが実質母親一人になっている状況で、一人で見守る苦労もある。
<アルギニンについて>
◆急性期に地元の病院では対応できないと言われたが、他県のこども病院にて、アルギニンの治療を早い段階で開始できいる。
◆アルギニン点滴は、脳梗塞用発作の時は速やかに投与できる環境が望ましい。また、急性期を過ぎ、在宅療養時の不穏時にはアルギニンに対して理解ある医師と訪看をつなげて施術してもらうことで、入院することを免れる状況になれた。
不穏時の点滴は、睡眠の質が良くなり、血液の循環、皮膚の状態にも効果を感じている。
現在、古賀先生を軸に、医師と患者が共にアルギニンの保険適用に向けて、活動している。
<ピルビン酸ナトリウムについて>
◆現在ピルビン酸を飲んでいるが、今まで見られていた疲れやすさがなくなった。夏場の食欲不振があったけれど、現在も安定して過ごせている。
◆以前、ピルビン酸の治験に参加しており、服用により覇気があり、声を良く発したり、飲み込みが良くなったのを感じていた。
大阪母子医療センターでは現在もピルビン酸の処方が出されているという情報あり。(女性医師)
田中先生や古賀先生にピルビン酸の入手について知恵を頂いてはいかがか。
<遺伝カウンセラーより>
ミトコンドリア病は、とても複雑で病状も多岐にわたる為、医師の立場、カウンセラーの立場であっても、とても難しい病気だと感じている。希少難病であり、情報量が他疾患に比べ少ないため、病気が判明して受診される方々は孤独を感じやすい状況だと思う。みどりの会のような、患者・患者家族・医師などの交流が活発になることで、必ず研究にも繋がってくると感じています。遺伝の事等、疑問に思う事、質問したいことがある際は、遺伝カウンセラーに相談してみてください。
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はるみさん、大変貴重な記録をまとめてくださり感謝。
ミトコンドリア病は、複雑で掴みどころがない疾病であるため、孤独になりやすいのが実態です。
そこで、どこまで患者家族が支えあえるのでしょうか。
発症したばかりの乳飲み子を抱く母親の姿、乳飲み子を抱えた母の連れ合い発症の語り、
老体にむち打ち患者の介護に不安を募らせる表情。いろんな切り口で、感じあい、生活する私達は何を持って
明日を生き抜くのか。一回のZOOMでは語り尽くせませんが、参加した皆さんは、心開き、今の思いの丈を述べ、
自分のことのように、他の皆様の話を聞いてくださったり、自分の知っていることの限りをアドバイスくださったり、
今を乗り越えるための皆さんの輪を感じたのは、わたしだけではないと思います。
必要な人と人はつなげていきましょう。
追伸
技術スタッフyamaさんのおかげで、前もっての個人練習も何度か行ってもらい、ZOOM交流会の流れもスムーズでしたが、4回の招待メール送信は、トラブルが生じやすいこともわかりました。無料版の限界もあり、有料版購入しました。

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