遺伝カウンセラー加藤由里子のちょこっと遺伝の勉強会  報告

 

すっかり報告が遅れ申し訳ありません。

10月21日加藤由里子さんから、「ちょこっと遺伝の勉強会」と題したお話を聞きました。
遺伝カウンセラーとして、今ある情報を誠実にお伝えしてくださったことに、一患者家族として感謝する次第です。

アンケートも回収し、「ほとんどの方がとても勉強になった」という回答でした。
次回も期待されている方がほとんどでした。
細かく分析された、素晴らしいパワーポイントの講義でした。

 

以下は今回の勉強会の目次です。
・遺伝と遺伝子は違うことを学ぼう
・遺伝子、染色体、DNA、ゲノムのことばを整理しよう
・遺伝カウンセリングは何なのか、知ってみよう
・遺伝子検査について

なお、お話の中で、「遺伝子検査の数値、ヘテロプラスミーの変異率は、一生あまり変わらない」というお話がありました。

自分は、病状が悪くなっていくほど変異率も大きくなっていくと思っていましたが、出生時・発症時・検査時・そして将来も変異率は同じだとすると、病状を悪化させないための努力というものは、変異率の数値の変化には反映されないのだな」と、すこし残念な気持ちになってしまいました。

遺伝子検査をして変異が見つかっても、確固たる治療法がない現状では、検査には意味はないというような風潮にもなりかねはしないかと危惧しました。

それに対する由里子さんからの返答です。
「殆んど変わらないとお伝えしたことは、訂正させていただきます。
結論的から言うと『(今はまだ)分からない』ということになります。

変化しているミトコンドリアは、組織(血液、筋肉、脳など)ごと、更に、細胞ごとにも異なっているという特徴があります。
筋生検での変異率が90%というのは、その細胞で90%ということであって、筋肉細胞の他の細胞では80%かもしれないし、70%かもしれないということになります。

一人の方の一つの細胞の変化をみた研究はこれまで無いので、どこまで変異率が増えるのかは分からないのですが、変化のある(変異のある)ミトコンドリアの方が増える傾向にあるようです。」
という回答でした。

 

遺伝子の世界はまだまだ未開の地であること、そして病の原因究明の糸口であるということを、改めて認識させていただきました。

遺伝の研究はこれから進化してゆくべきであると思います。
そこにはいのちへの愛があることを信じて。