ミトコンドリア病においてのアルギニン治療の周知・啓発について

 

 

ミトコンドリア病においてのアルギニン治療の周知・啓発について

みどりの会では、2022年9月27日にミトコンドリア病におけるアルギニンの使用が社会保険診療報酬支払基金の審査で認められ、公的な保険給付の対象となり、アルギニン治療がミトコンドリア病の標準治療の一つとして認知されたという認識のもと、アルギニン治療の周知啓発をすすめてまいりました。

しかし現実は厳しく「アルギニンが病院の採用薬になっていない」などの理由で、いまだに経口摂取や点滴静注の使用をしていただけないという患者家族からの相談を多数受けます。

ミトコンドリア病の患者で希望する皆さまが、アルギニン治療を受ける事ができるように周知啓発に努めてきたつもりですが、解決の糸口が掴めません。

薬事関係に詳しい先生に、アルギニン治療を全国の病院で採用していただくためにはどうしたら良いかとおききしたところ、アルギニン治療を求めて断られた事例をまとめて、先天代謝異常学会や小児科学会を通じて、学会員に周知してもらう必要があるという貴重なアドバイスをいただきました。

そこでみどりの会では、ミトコンドリア病と診断されている患者が、
1)経口摂取を求めて断られたケース、
2)急性期においてのアルギニン静注点滴を断られたケース、
3)慢性期の体調不良時にアルギニン静注点滴を断られたケース
をそれぞれにまとめていきたいと思います。

ミトコンドリア病と診断された方で、主治医にアルギニンの使用を求めても断られた方がいらっしゃいましたらその経緯をコメントに入れて、ぜひご一報ください。口外することはいたしません。

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アルギニンは、特効薬ではありませんが、ミトコンドリア病の患者家族の生活を潤す薬剤だと思い、メラスの次男とともに9年を過ごしてまいりました。
今後は、慢性期において、食が通らなくなったり頭痛や吐き気で悩む場合、視力・聴力の不調時など、どのような病態でアルギニン点滴静注を使えるかの基準を専門医に作っていただくなどにも取り組んでいきたいとも思っております。
アルギニンを求める患者が1人でもいたら、そこからスタートする気持ちで、ミトコンドリア病におけるアルギニン治療の普及と定着を願って、事を進めたいと
思います。

ミトコンドリア病におけるアルギニン治療の有効性を、より多くの医療関係者に認めてもらい、
全国どこの病院でも、
標準治療の一つとして、
施術されるようになることを願って、周知・啓発活動を続けていきたいと思います。

みどりの会代表 伊藤千恵子 連絡先 himawarinotubu@gmail.com

 

アルギニン経口薬について

アルギニン点滴静注について

 

かながわなんびょうれん

 

2023年さくらばたけまつり 難病ネットワーク&かながわなんびょうれん

ミトコンドリア病の患者会を行っていて思うことは、ミトコンドリアと向き合うことの大切さです。

いのちを支える為のエネルギーを生み出し、生命を維持するために欠くことのできないミトコンドリアが関与する病はとてもたくさんあります。

そして私達が生活する上で大切なことは、地域の人とのつながり、ひいては様々な病や障害を持つ人・高齢者などへの理解が深まってゆくことであると思います。

去年、NPO法人難病ネットワーク(代表 恒川信一さん)に入会し、今年、かながわなんびょうれん(理事長 高野元さん)に、ミトコンドリア病を患った息子を持つ一個人として、入会いたしました。

かながわなんびょうれんの会報ができました。去年から活動再開し、今回の会報は力を入れて仕上げられています。
私のコメントも、拙い文面ではありますが息子龍のイラストとともにも取り上げてもらいましたので、こちらに掲載させてもらいます。(文面が多いので関連部のみ掲載。あしからず)

穏やかな日々のためにできること 徒然なるままに。

 

穏やかな日が続くことが最大の幸せです❤

みどりの会では小児発症、成人発症の茶話会を、度々行い、交流しています。

 

成人発症の茶話会🍵では、毎回出ている内容が「ミトコンドリア病の精神症状」についてです。

それぞれ病歴も症状も違いますがミトコンドリア病ならではのこととして、お互いに感じあって、良い知恵はないか考え込みます。

ときに精神安定剤の効果についても、照らし合わせてみたり、癲癇の薬についても言及します。しかし薬の効き目は人によって違いますので、参考程度です。

 

🎌先日こどもの日近くの戸川公園にお散歩 吊り橋の上で

息子の場合は、高校時代の釣り部の仲間が離れていってしまうことが一番のストレスだったようで、発症当初三廻部(みくるべ)の精神科医によくその相談をしていました。精神科医が別の病院に移ってからはなかなか相談できる先生が見つからずい2020年は、釣り仲間の死を経験し、荒れる日々でした。

その後再発。治療も上手くいかず、失認、失語、失行、胃ろう増設。

進行は甚だしいとは思いますが、感覚的なものは、健在ですので、気持ちで行動をつなげている感じです。

2014年発症から、息子の生活をいかに楽しくして行けるかを考え、通所にも通い、進行してゆく彼に合わせて更に通所を増やし、様子をいつも見てきましたので、進行が甚だしい今も、平日の通所は楽しく通い、仲間と行動をすること、ほほえみ合っては、確認しているようです。

家では、不穏になる彼に、母も感情的にもなったり落ち込みますが、最終的には体の辛さを思えば、気持はよく分かり、26歳の理由なき反抗🚩とも思うようにして過ごしています。

私は自分のライフワークを実行するために周りの皆さんの協力を得、なんとか表現活動も実現したいと望んでいます。むしろ、息子の肉体や精神の辛さをばねに、独自の世界に取り組むという感じでしょうか。

 

メラスの精神症状について

メラスに限らずに、成人発症ですと、中途障害の苦しみを本人が味わって生活をしなくてはいけません。できていたことの記憶が、前に進むことを阻害することもあります。

息子の場合は、失行が進むと、できることが減って、絵を書くこともできずになると、絵を書くことでずいぶん励まされていたのだなあとつくづく思います。でも最近は、ダイビングの本に夢中で、人間が海に潜る行為を想像してか、楽しみを見つけているようです。本の画像を、指でなぞってみたり、波の模様を鉛筆でなぞっているようなときもあります。何かしら昔の良い思い出をなぞっているのかと思いますが、あまり思い詰めてみ始めると、なぜこんなふうになったんだ!とばかりに、自分の体をつついてみたり、釣りの道具を放おり投げてみたりします。(放下体操と言いますが、体をねじって、ため息をつく感じでしょうか。)

 

精神科の先生は発症当時の息子の様子を見ていますから、かなり進行が進み、精神症状が不安定になったことも理解し、精神剤の見直しを積極的に行ってくれました。そしててんかん薬と精神障がいの関係についても説明をしてくれます。

ミトコンドリア病の痙攣について

一般的なてんかんと違って、意識が薄くなって起こる痙攣は 多くの場合エネルギーが落ちて起きた症状なので、その場合はしばらくエネルギーが補充されるのを待って観るべきでむやみにてんかんの薬を増やすべきではないのではないかと言う見解です。

 

興奮が収まらない日が続く場合は

今飲んでいる精神剤を少し増やして様子を見る。興奮が落ち着けば薬の量を元に戻す。

エネルギーが落ちる状態についても、説明してくださるので、精神科の診察は母のみですが、30分以上してくださり、安心感で包まれます。

 

ミトコンドリア病についてはミトコンドリアの状態がいろんな症状を起こすので、今の精神状態が、認知から起こるものなのか、高次機能障害によるものなのか、癲癇症状によるものなのか、脳の病変によるものなのか、各臓器の異常によるものなのか、それぞれが色々に絡み合っているとは思いますが、繰り返される症状も日によって違ったり月ごと?季節ごと年令によって?出来事によって?変わっていくもののようで掴みどころがなく。それぞれの精神症状について相談できる医師も少なかったりして、家族はとても戸惑ってしまうことが多いと思います。

病院の外来も数分で処理される事が多く、それぞれの生活をしっかり把握してもらいたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

話を聞いてもらえる仲間や相談できる支援の方が周りにたくさんいると良いと思います。

 

みどりの会の茶話会に、参加したい方はご連絡ください。

himawarinotubu@gmail.com  伊藤千恵子