先生からのメッセージ:長友先生

風薫る5月。立夏過ぎて、気温も湿度も増してきました。

普通でも、少し脳に影響が出るこの時期です。皆さんお変わりありませんか・

龍は睡眠障害が落ち着かず、精神の不安定さがぎりぎりにきているようでもあり、

手足を触るとぬるっと冷たいので、急性期の痙攣時代がよみがえり、胸が重苦しくなります。

メラスの悪状況を改善してもらってきた、アルギニンの点滴を打ってもらいたい時期です。

しかし、、、

地域の精神科の主治医が変わり、アルギニンは保険適応になっていないので、点滴は無理だといわれてしまいました。

そんな朝、愛媛の長友先生からうれしいメッセージが届きました。

前回のミトコンドリア病患者公開フォーラムで新生児ミトコンドリア病についての講義をお聞きして、その前向きなお人柄に、お便りさせてもらっていました。

少しでも皆さんの周りにやさしい風が流れますように。

長友太郎先生からの、みなさんへ、

健康への願いを込めたメッセージです。

 

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私は愛媛県の松山市に住んでおり、家の近くに市の中央消防署があります。
そこでは若い隊員さんたちがしょっちゅう消防署の周りを走っています。
重そうな防護服を着て背中にボンベを背負ってひたすら走っています。暑い夏の日もです。
また、時には屋上にある設備を使ってビルからビルに移り渡る映画のワンシーンのようなすごい訓練をしています。
そして私は隊員さんの汗まみれの真剣な姿を見るとなぜか胸にジ~ンと熱いものを感じるのです。
“私たちはこんな人たちに守られて暮らしているんだなぁ”

新型コロナウイルス、という言葉を見るのも聞くのも嫌になるような生活が続いています。
しかしこの感染症で唯一私たちの気持ちを楽にしてくれるのは、
”どうやら赤ちゃんや子どもがかかって重症化しやすい病気ではなさそうだ”という情報です。

では、そのような状況で私たち新生児科医は何をしているのでしょうか?
感染した妊婦さんの出産、その新生児への対応などを想定して何度も何度もシミュレーションを繰り返しています。患者さんがいなくてもいるつもりで寸劇のような訓練の繰り返しです。新生児に限らず、きっと全国の小児科医が同じようなことをやっているでしょう。
消防隊員ほど肉体的、精神的にハードな訓練ではなくても私たちはしっかりと準備しています。
ようやく「出口」という言葉をニュースで聞くようになりましたがまだまだ用心は必要です。
それでも、万が一感染してしまっても、本気で準備をして待ち構えている人たちがいることを知って少しでも気持ちが軽くなってくれたら嬉しいです。

愛媛県立中央病院 新生児内科 長友太郎