大竹明先生を囲んでの茶話会

秋ですね。

虫の音も、天高く飛ぶ鳥も、物寂しい気分を引き起こす秋。

大竹先生の温かいトークで、潤うような茶話会をしてみたいです。

ご専門のゲノム遺伝学についての他に、ミトコンドリアを活性化させる生活術についてもお話をお聞きしていきたいと思います。

 

 

お楽しみに!!

オンライン難病相談の講演会のお知らせ

 

かながわ難病相談・支援センターから『オンライン講演会のお知らせが届きましたので皆さんにお伝えします。

ホームページにもありますが、難病と診断された方・ご家族に寄り添いサポートするとともに難病に携わる医療、介護、障害福祉関係者への情報提供をしているという公共施設があり、各地域にあり、相談内容もいろいろに応じてくれることは本当にありがたいことであると思います。

 

「“難病” 日々の悩みや困りごと 伝えてみましょう!-ともに考え・歩む、相談支援の現場から一」

というテーマです。

時として、場合として、人に自分の気持ちを伝えることはとても難しいことです。客観的なお話が必要なときもあると思います。

私の場合は、土日が介護べったりですので、平日のオンラインはありがたいです。早速申し込みしてみました。

みどりの会ミトコンドリア病喋り場 茶話会について

 

 

 

●ミトコンドリア病の病院探しで困っている方はいらっしゃいませんか?

●診療情報提供がうまくいかず、病院同士での連携、院内での他の科とのやり取りで四苦八苦しておられる方はいらっしゃいませんか?

●ミトコンドリア病の精神症状の複雑さに困っておられる方はいらっしゃいませんか?

悶々としながら自分も歩んできたこの8年。たった8年ですが、患者の皆様の声を聞きながら、勇気をもらって今日まで過ごしてまいりました。

そんな悩みを少しづつ吐露しあい、ミトコンドリア病の問題点をもう少し明確にしながら、「今ひろめたいこと」の要望書を書きあげていきたいと思っています。

小さな茶話会ですが、もし参加したい方がいらっしゃいましたら、どなた様もお気軽に申し込んでみてください。

5名まで。

次回zoom会は・・・
「第2回 みどりの会ミトコンドリア病喋り場」(zoomでの開催)
9月26日(月曜日)13時から一時間半程度。

テーマ「成人の精神障害について」

 

連絡先 みどりの会 チーム祈る地球くん
2022midorinokai@gmail.com(みどりの会公式アドレス)
090-7196-2751(伊藤千恵子)

 

日進月歩のミトコンドリア病研究に期待。

難病克服に向けて、世界中で日夜研究が進められています。

私たちはそのことに勇気をもらい、毎日、刻々と変わる患者の病状に寄り添いながら、生活を重ねています。

ミトコンドリア病の研究者である村山圭先生から、先日送られてきたドイツミュンヘンでの会議のお写真とコメントです。


 

『ミトコンドリア病の診断・治療、その先にある共生・克服には、国際連携(知恵の集約)が必須であることを再認識しました。コロナ禍での3年ぶりの再会でしたが、直接会って話をすることの重要性もお互い共有しました。
また年明けのフォーラムでお会いしましょう!』

 

大竹先生を囲んでの茶話会を開催します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大竹先生を囲んでの茶話会を開催します!

今回は「どんな分野でも、どんな質問にも、わかる限り対応いたします!」という嬉しいお言葉を頂いています。

大竹先生の講演題目については、第2弾の告知にてお知らせします。

 

日時:
2022年㈷10月10日(月曜日)13時から

場所:
みどりの会患者会会場
(ひまわりつぶカフェ内)
神奈川県秦野市堀西858-1

11時30分より、ひまわりつぶカフェ オープンします!
ランチも有るよ~♪

現地に来られない方は、zoomでの参加もできます。

 

フォーラムでも明快なお話をしてくださる大竹先生は、実は8匹の猫を可愛がる、捨て猫応援団長♪ にゃーーⅴ❤

大竹先生のプロフィール

1979年 千葉大学医学部 卒業
1994年 埼玉医科大学 小児科学 講師
2002年 オーストラリア La Trobe大学 客員研究員(生化学)
および王立メルボルン小児病院 客員研究員(遺伝病学)

2007年 埼玉医科大学 小児科学 教授
2015年 埼玉医科大学病院難病センター教授・副センター長兼担
2019年 埼玉医科大学 ゲノム医療学教授兼担
2022年 埼玉医科大学 ゲノム医療学・小児科学・希少疾患ゲノム医療推進講座 特任教授
現在に至る

 

申し込み締め切り:9月25日
予約・問い合わせ先:2022midorinokai@gmail.com
電話:090-7196-2751

※ひまわりつぶカフェ来場か、zoom参加希望かをお書きください。

①お名前
②ご住所(住んでおられる都道府県、市町村までで結構です)
③簡単な自己紹介(患者様の場合は病名、年齢など。)
④当日連絡がつく電話番号
⑤zoomでの参加をご希望の方は、zoom招待状受け取り用のメールアドレス。
(パソコンでzoomに参加なさる方はパソコンのメールアドレス。スマホで参加なさる方は、スマホで受信できるアドレス。)
以上をご記入の上 お申し込みください。

大竹先生に質問のある方は質問の内容もお書きください。
例えば、「こんなことで困っていますがアドバイスください」など。
お気軽に!

※Zoomに不慣れの方は、遠慮なくお書き添えください。技術スタッフが事前にzoom設定のお手伝いを致します。

 

ミトコンドリアみどりの会 伊藤千恵子

今、ひろめたいこと

猛暑に加え、コロナが猛威を奮い、自然災害とおちつかない毎日です。

みなさん お元気でお過ごしでしょうか。

息子の龍も、体調の波は相変わらずですが、まぁまぁに在宅療養もでき、ホッとしているところです。

さて、現在ミトコンドリア病に対するアルギニンの点滴静注は、保険適用が認められておりません。そのため、病院でアルギニン投与を拒否される、あるいは投与されるとしても手続きに時間がかかる場合が散見されます。

今回、メラス発症時に、アルギニン点滴静注治療を標準治療の一つとして認めていただけるよう、周知啓発のチラシを作りました。

デザインは作曲家でチェロ奏者北條立記さんにお願いし、ミトコンドリア病の専門医や医療従事者の方々の監修いただきました。

 

 

 

 

 

ご一読いただき、賛同いただけるようでしたら、ぜひメールやSNSなどで、関係各所に拡散いただけたら幸いです。

 

「ミトコンドリア病患者会フォーラム〜専門医を囲んで」告知

 

 

主催ミトコンドリア病患者・家族の会(MCMの会) 
「ミトコンドリア病患者会フォーラム〜専門医を囲んで」
日 時 2022年9月25日(日)13時半~16時半頃(予定)
    Zoomにて開催(出入り自由)

 

昨年「オールジャパンミトコンドリア病患者家族会~専門医を囲んで~」では、みどりの会も共催させていただき、皆様の見守る中、有意義な会ができましたこと感謝いたしております。

今年は、日本を代表するミトコンドリア病患者・家族会MCMの主催で、去年の会を引き継ぐ形で「ミトコンドリア病患者会フォーラム〜専門医を囲んで」を行っていただけるというお知らせをいただき、とても嬉しく思っております。

代表 高橋和恵さんもおっしゃるように、ミトコンドリア病の未来に向かって、ミトコンドリア病を多くの方々に知っていただき、また患者さん、ご家族、すべての関係者が繋がりあえるような場を作ることはとても大切なことであると感じています。ミトコンドリア病患者家族、及び関係者に開かれた会ですので、興味のある方はぜひ参加申し込みなさってください。

以下MCMからのお知らせです。
*************

ミトコンドリア病患者やご家族、ミトコンドリア病に関わるすべての方を対象に
「ミトコンドリア病患者会フォーラム〜専門医を囲んで」を開催します。

参加人数60名(先着順)

今年も、昨年同様、事前に送って頂いた患者さんやご家族の質問に対し、専門医の先生方から回答をいただく時間を大切にしたいと思っています。

また、このフォーラムはミトコンドリア病患者会の国際組織 IMP(International Mito Patients) の「ミトコンドリア病啓発週間」(World Mitochondrial Disease Week)に合わせて開催されます。

この病気の克服に向けて、ミトコンドリア病を多くの方々に知っていただき、また患者さん、ご家族、すべての関係者が繋がりあえるような場になることを願っています。
日 時 2022年9月25日(日)
13時半~16時半頃(予定)
Zoomにて開催(出入り自由)
・記録のため、録画させていただきます。講演部分のみ、後日配信の予定です。
・講演部分については、字幕のご用意があります。

当日のスケジュール

1.開会
2.各専門医による最新研究や治療薬、その他ミトコンドリア病の最新のトピックについてのお話
3.事前にお聞きした質問や当日の講演内容についての質問に対しての質疑応答
4.閉会

* 申し込み *
9月2日(金)までに、下記アドレスまで、メールにてお申し込みください。
※申し込み用アドレス mcmmitochon@gmail.com

申し込み時に
① 申込みの方のお名前(ふりがな)
② ご住所(住んでおられる都道府県、市町村まで)
③ 簡単な自己紹介
④ 当日連絡がつく電話番号
⑤ Zoom招待をお送りするメールアドレスをご記入ください。

*また、専門医の先生方に質問のある方は、申込後、質問フォームをお送りします。
フォームに記入し、9月4日(日)までにお送りください。

*また、Zoomに不慣れな方は、申し込み時にお知らせください。
当日の操作がうまくいきますようにアドバイスいたします。

参加してくださる先生方(五十音順)
小坂 仁先生
自治医科大学小児科学教授

三牧 正和先生
帝京大学医学部小児科 主任教授

村山 圭先生
千葉こども病院・遺伝診療センター長 代謝科部長
千葉がんセンター研究所 主任医長

八木 研氏
ジーネックス株式会社
代表取締役

連絡先 ミトコンドリア病患者・家族の会 高橋

ミトコンドリア病と表現  思うままに

息子の介護をする自分は、彼の体調に振り回されている。
息子の調子の良いときは、ふと我に返って、鏡の自分のお顔を見る余裕ができたりして、、、思い切り調子が悪いときは、どこにぶつけてよいかわからない悲しみに打ちひしがれる、、、。
そんな折、
「芸術のもつ力を、私も信じています。私も研修医のころは病棟の患者さんにピアノをひいて聴かせたりしていたのですが、今はもうすっかり指が動きません。引退したらまた本格的に弾いてみたいと思っています。」
こうお話しくださった先生がいらっしゃいます。
ミトコンドリア病を取り巻く先生は本当に温かい。そしてみんな患者と真剣に向き合ってくださる。
この病の切なさを、感じてくださっているからだろうか。
そして先日の出来事。
友人の舞踏家加藤道行さんが、今年1月の脳梗塞様発作で、かなりやれることができなくて、ジレンマに陥っている龍のために、様々なジャンルで活躍するおもろい表現者4人をお連れしてくださり、龍と交流するお家劇場を開催することになりました。
加藤さんは、100歳超えても踊り続けた舞踏家大野一雄氏の弟子で、彼の最期を看取った方です。
加藤さんは介護の仕事をなさっていて、カラコロDanceプロジェクトの中のパーソナルセッションを行い、お家劇場といって、在宅の認知症の方のお宅を劇場に見立て、歌や踊りといったパフォーマンスを行っています。我が家でも舞踏で遊ぼう!というセッションをしてくださったこともあり、龍や母も、踊りや音楽で色んな人との交流を楽しむ時間に参加しました。
7月9日
朝から、失語でおもうように話せず、からだも、震え、脂汗で冷えて固まっていた龍。
はて、想像はしていたけど、おうち劇場には参加できないな、と、おもってました。
道行さんが、金魚のゴージャスワンピースではいってきてくれた瞬間、龍の目が輝きました。
なんと、さっきまで固まっていた体が、次第に柔らかなオーラに包まれて、2階のリラグゼーションルームまで、なめらかな足運び。
道行さんの導くままに、龍は彼の腿の上に頭を載せて横たわる。
私も彼の足元で、だいじょうぶよ~ 気流し。
歌手で、セラピストの莉玲 りれいさんがシンギング・リンの音を龍の波動に合わせてくれる。北條立記さんの奏でるチェロの叙情的な音で、胸がいっぱいひろがってゆく。優しい風を流すように佐藤ユリカさんが笛を吹く、皆さんの溢れる愛、自然にあるがままに受け入れる心持ちに、龍の体が柔らかく溶けてゆく。手足がしっとり暖かくなる。
龍 小学生
龍は、舞踏の世界に小さな頃からなじみ、かなり感覚的な人でした。そして、自然や生き物が大好きで、地球の生き物、宇宙の生き物、みんなに会いたい、、と心から望んでいる感覚的な人間でしたので、自由に生きることが許される、この場所で、久しぶりに笑みが出て、みなさんのからだから醸し出されるオーラにのって、自由に感じるままに過ごせた時間。
大切なものを取り戻した素敵な時間。参加してくださった皆様に感謝します。
わたしも、ガンクドラムに寄り添いながら、バチで鳴らして瞑想させてもらいました。みなさんの学曲も心地よかったです。チェロの生音がヨガ部屋に染み渡っています。
りれいさんのFacebookのコメント一部載せさせてもらいます。
・・・・・・・・
【ミトコンドリア病の治療する所が増えますように】
【暖かい時間】
海の生き物や鳥や生き物が大好きで
たくさんの絵や作品を作っている
龍くん。
龍くんはどんな人なのかな?
受け入れてもらえるかな?
龍くんどんなことに反応してくれるかな?
どんなお話をしてくれるかな?
どんなふうに時間を共有できるかな
ドキドキとわくわくで向かった
龍くんのお家
あるがまま、そのまま  の心で
zoom配信せずに龍君のタイミングで
加藤さんの主催するおうち劇場を
やってみようとなりました
北條 立記さんのチェロで始まり
佐藤 ユリカさんの優しい笛の音
それに合わせて、私の声や
加藤 道行さんの身体表現
シンギングリンの低音や
ガンクドラムも鳴らしてみる
高い声や音に反応して
新たな記憶が蘇って
少し眉間に皺がより
お話をし始めた
様子を見つつ
きららさんの「これは良い反応」という言葉に勇気をもらって、
歌も歌ってみる
龍くんが立ち上がって
たくさんたくさんお話をしてくれて
それに合わせて
海の生物になったり波や魚
クラゲなどになりながら
みんなで言葉や声を出してみた
きららさんのガイドもあり
みんなで輪になって
手を繋いでゆらゆらしていると
龍君が足踏みを始めて
輪になって踊る
龍くんが目をじっと見て
色んなことを話してくれる
昔の記憶、友達の名前、お父さんの事
心がじんわりと暖かくなる
母性本能のようなものが
胸に湧いてくる
龍君が私たちを拒否せずに
受け入れてくれたことが
ただただ嬉しくて
休み休みしばらく踊ったり
言葉を発し合ったりして居ました
龍くんも手があったかくなって
喜んでいると言う
手を握ってみた
あったかい^ ^!
龍君が絵を描くといって
部屋を出てゆき
みんなでついてゆく
歌や踊りは終わったが
龍君との一体感の後味を感じながら
龍くんの色鉛筆を次々と変えて
海の中の絵を描いているのを
見ていました
あったかいあったかい時間
みんなと来られて良かった!
どうかどうか
龍君にとって必要な治療が
病院で受けられますように
ミトコンドリア病の治療ができる医師や
病院が増えますように!
・・・・・・
心ひしがれて  泣き叫ぶ
外に向かって  感覚を取り戻す
だからわたしは踊る

ミトコンドリア病に対するアルギニンの保険収載及びアルギニン治療の周知啓発のお願い


 

ムクゲ  花言葉 信頼・尊敬

ミトコンドリア病患者会を始めて、5年経ちました。この間医療関係・介護関係、患者様との交流で大変力をいただきました。

息子のメラス進行・胃瘻造設など、今年は本人はもちろん家族にとっても、大きな岐路となりました。
みどりの会の代表として、皆さんから頂いた貴重な意見や希望などをまとめ、声を少しずつ出してゆき、少しでも前に進めたら良いと考えております。

皆様からの率直な意見をお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。

 

アルギニン製剤の保険適用とミトコンドリア病への適応、およびアルギニン治療の周知・啓発については、みどりの会立ち上げ時にも大きな目標でありました。
古賀靖敏先生からの校正も得られましたので、みどりの会のスタッフとともに声を広めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

 

『ミトコンドリア病に対するアルギニンの保険収載と周知啓発のお願い』

ミトコンドリア病メラスの息子を持つ母親の伊藤千恵子と申します。
希少難病ミトコンドリア病は、病態が多くの臓器にわたり、発症年齢も病状予後も多岐にわたるため、病を囲む人々の苦労は計り知れません。
中でも患者が国内約一千人と最も多く、思春期以降突然の脳伷塞様発作や痙攣を繰り返し、予後もおもわしくないメラス患者は、症状の差は人それぞれですが、多臓器の病状憎悪に加え、脳の高次機能不全によるコミュニケーション・認知障がい、精神症状の悪化で、家族の苦労はひとしおです。
私は、次男のミトコンドリア病メラス発症時に自分が行き詰まった経験から、多くの関係者の方々と情報交換し、少しでも未来に明るい希望を持ちたいという思いで、「ミトコンドリアみどりの会」という患者会を個人的に立ち上げました。

次男は17歳高校3年在学時にメラスを発症し、私はその時に久留米大学の古賀靖敏先生開発のアルギニン治療を知りました。
しかしながら、入院先の病院にアルギニン治療を施してほしいと再三にわたって要望いたしましたが、全く受け入れてもらえず、続け様に4度に渡る脳伷塞様発作に見舞われ、徐々に脳の機能がダメージを受け、認知症状悪化、精神障害憎悪、易疲労性などが進み、重篤な状態になっていきました。

在宅療養を開始後、少しでも病状を改善できるようにと地域の医療機関を訪ね回り、やっとの思いでアルギニン点滴静注をしてもらえる手段を得ることができました。
その後の8年間の在宅療養中は、不穏時や片頭痛・吐き気などを起こした時、食事も薬も取れない時など、アルギニン点滴静注のおかげで体調が改善され、好きな釣りや生き物の絵を描くことで、生きる喜びを見出すことができました。

自分はみどりの会の活動を通じ、アルギニンを早期に入れてもらい脳の改善が早かった方と、反面入れてもらえずに未だ苦しんでいる方の実態を見てまいりました。
そして、メラスを発症した患者に一刻も早くアルギニンを入れてもらい、脳のダメージを少しでも軽減してほしいという願いから、次第にアルギニン点滴静注の保険適用と、ミトコンドリア病への適応を望むようになりました。

その後古賀先生が、ご研究の成果であるアルギニン治療に関する資料を送ってくださり、アルギニン点滴静注の保険適用に向けて、厚労省医薬品審査管理課や製薬会社などに働きかけを行いました。
しかしながら、(親身になって話を聞いてくださる方にも巡り会えましたが)、一患者家族の力は非力でした。

暗中模索の中、古賀先生が信頼する国立成育医療研究センターの中村秀文先生が、社会保険診療報酬支払基金【審査情報提供検討委員会】の検討を経ることで、原則として保険適用が認められるルートを紹介してくださり、次いで古賀先生が、日本先天代謝異常学会から厚生労働省保険局医療課宛てに「医薬品の適応外使用事例」の申請書を提出してくださいました。
古賀先生はじめ複数の先生方による、アルギニンの有効性のデータの蓄積、論文発表やガイドラインへの掲載を基に、ようやくアルギニンの経口製剤と静注製剤の保険収載申請のスタートラインに立つことができたのです。
今は、アルギニンが支払基金で審査情報提供事例に決定され、日本中で保険適用が認められることに望みを託し、ミトコンドリア病で倒れた人たちに、少しでも希望が持てる日が訪れることを心待ちにするばかりです。

アルギニンの経口製剤と静注製剤はすでに別の難病で承認販売されていますので、メラスに対しても保険で支払われるのであれば困ることはないのではないかと考えられる方もおられるかもしれませんが、残念ながら次男の場合は、アルギニンがミトコンドリア病メラスの保険適用になっていないというだけで、治療を拒否されました。
今年、2022 年1月に起きたメラス発作再発時にも、救急搬送先の病院(8年前と同じ大学病院)で、そもそも当病院ではミトコンドリア病治療はできないという理由で、アルギニン点滴静注のみならず、アルギニン経口製剤も処方されませんでした。やっとのことで転院した国立の病院でアルギニン点滴静注を施してもらえたのは、再発後ひと月後のことでした。

メラスの脳卒中様発作は、治療のタイミングが遅くなると異常領域が徐々に拡大していき、その結果神経学的後遺障害が遷延し、最終的には不可逆的神経学的後遺症が残ります。またそのような発作を繰り返すことが、脳血管性認知症や寝たきりの要因になることが分かっています。

私たち患者家族は、ミトコンドリア病のことやアルギニン治療を、できるだけ多くの医療機関の方々にご理解いただき、ミトコンドリア病メラスを発症した患者には、一刻も早くアルギニン治療を始めることで予後が改善されるということを、地域の格差なく、広く周知していただくことを望みます。

私たち患者家族は、残されたいのちの時間を、家族とともに過ごす大切さを感じております。故に、頭痛や吐き気など不穏時でも、入院せずに自宅あるいは外来にて、アルギニン点滴静注を受けることも望みます。

介護する親も齢を重ね、日常生活での患者介護は、他者との協力・連携なしには立ち行かない状況にあります。しかしどんな状況であれ、患者の延命、病状の改善には全力で臨みたいと思う患者家族であります。

いのちの切岸に立たされた患者と家族が、共に共有する時間を少しでも豊かに過ごすための要望書を、ここに提出する次第であります。
アルギニンの経口製剤と静注製剤の保険適用と、ミトコンドリア病への適応を、患者家族一同こころから望んでおります。
審査が通りますよう、一同こころから、温かいお導きを望んでおります。

ミトコンドリアみどりの会
代表伊藤千恵子 患者家族一同

みどりの会患者会 グループホームなど介護支援について 報告

6月25日土曜日13時から15時まで
オンラインみどりの会患者会 グループホーム、介護支援について
今回のオンラインみどりの会患者会 渡邉美沙緒先生のグループホームのお話は私達の心に泉が湧く会であったと思います。そして直前に古賀靖敏先生がオブザーバーとして参加くださることになり、今春グループホームを立ち上げたばかりの友人も加わり、本当に盛りだくさんの貴重な知恵を賜り、心温まるひとときを作ることができましたこと、参加くださいました皆様に、感謝感激です。
●渡邉美佐緒先生
社会福祉法人ビーハッピー 理事、
生活介護 短期入所「みのりの家」相談支援事業所「えん」 共同生活援助「ビーハッピーホーム」居宅介護「りん」 グループホーム「ゆう」(建設中)
総合施設長

昭和25年東京生まれ。高校一年のとき、日本女子大付属高校校長、一番ヶ瀬康子先生の「しょうがいを持った子どもたちが光り輝いて暮らせる社会が成熟した社会。この人達が光そのものなのです。」というメッセージに心打たれ、福祉の勉強をしたい!現場で働きたい!との思いがスタート地点。その後しょがいのおもちの方の入所施設で働き、だんなさま(今のみのりの家の理事長)と知り合い、家庭を築き、男の子2人に恵まれました。旦那様の大病から、今を生きることを実感し、突然「夢」が湧いてきました。「空気として、その場に身を運んだら、誰と比べる必要もなく、その意味さえ存在しない場所を作りたい。その場に身を運んだら、素直に愛されている自分を感じられる空気のある場を、一日でも良いから実現したい」。気付いたら、口が夢物語を語っていたということです。お子さんたちも同じ福祉の仕事に携わり、そして嬉しいことに、その「夢」が形となり、ビーハッピーみのりの家を32年間(令和4年現在で34年)続けています。(令和2年月間「人間」ゆめのつづきより編集抜粋)

●古賀靖敏先生
久留米大学名誉教授・現ふくむら小児科 副院長
日本ミトコンドリア学会名誉理事長 アジアミトコンドリア学会理事長 
●藤岡章子氏
大学時代の演劇活動を活かし、埼玉県でバリアフリーコンサートなど好評を博す寿座座長。今春NPO法人を立ち上げ、グループホームの施設長をしている。
 美佐緒先生の本人の気持ちを常に察し、目に見えないものを感じ合う。利用者も介護者も対等であるという向き合い方、そしてその方の個性から醸し出されるものをともに過ごせた時間に感謝するというお話しをゆっくりしてくださいました。
これを実践として34年続けていらっしゃることに敬意を感じます。その理想をどこかで聞いてはいますが、実態は「介護がしんどい」という声に理想が形で埋まってしまっているケースを見てきました。
親でも「介護がしんどい」と音を上げたくなるのですから当然だと思います。
美沙緒先生は「苦手な介護の分野は、他の介護に委ね、何人かの介護人がワンチームで一人一人対応を実現している」ことをお話しくださいました。であればワンチームの信頼関係も大切であると思います。そして、「しんどい介護」を如何に充実してゆくかは、目に見えぬ心で感じ合う喜びを見出すことであるということもさり気なくお話しくださいました。これは一人介護ではなかなかできないものであります。
複数の利用者と複数の支援者の間で生まれるもの。
1⃣ワンチームの中ではそこで連携が生まれ、感受性を共有する喜び。
2⃣人として大事なものは何か、いのちの原点に立つこと。
3⃣いろんな病を持ついろんな悩みを持つ人が複雑に絡み合って生まれる新たな繋がり。
例えば
時間をかけゆっくりゆっくり、向き合うお話し
落ち込んで一時間かかる食事の介助が苦手な介助者はゆっくりが得意な介護者に変わってチームで見守るという感じです。
汲み取り方の難しいときも、言葉ではきつく響いてしまうので一呼吸おいて、気持ちに寄り添うようにしてゆくと、大変な介護の場が、宝物のひとときになる。
介助の場だけでなく家庭での過ごし方を家族と連携を無理なく進めないと、介護者も良い場のオーラを感じ会えることはできない。
ひとり親の自分が感じる介護にもあることを、さらりとお話くださり納得。
またこのようなお話しもありました。
津久井やまゆり園の事件以来、神奈川県の障害ある人難病の人を守る権利についての条例が変わり、グループホームも立ち上げのハードルが低くなりました。中身の充実のために、患者家族同士が集まってグループホームを立ち上げるということが一番やりやすいのではないかと思う。ただしNPOにするためにはたくさんの書類書き上げること必須(あっこさんからの助言)。
友人のあっこさんのグループホーム介護のお話し
その暖かさと持ち前の臨機応変ド根性で乗り越えている姿、勇気をもらえました。「さり気なくが好きなの。精神状態との向き合い方が大変な時など、ごめんね。自分もうまくできないの」と本音を言って、こちらの気持ちもわかってもらい長くお付き合いしてゆくようにすると、さり気なく場が和んでゆく。お試し期間中の、精神症状の悪くなる方との過ごし方に音を上げそうになったのだけど、気負いをやめて、自分に正直になったら、その方が変わってきてくれて、長続きしていたということでした。
古賀靖敏先生から
全国にある筋疾患に特化した専門病院についてのお話をいただきました。
国からの補助金を利用して、優れた機材を有し、リハビリにも力を入れている。親御さんが大変疲れ、抱え込むのは良くないので、自分は患者家族に優秀は施設を紹介し、喜ばれている。親がいなくなっても社会で患者をみていくのが理想であり、患者が社会の中で自立してゆくことも大事である。
最後にアルギニンのミトコンドリア病患者への有効性のお話しはとても納得行くものがありました。
参加者の感想の中にもありましたが、古賀先生のお話は地に足がついていて、とてもわかりやすく、安心感を植え付けてくれます。今回は、外来受診の中でのひとときの参加で、大変お忙しい中私達のために身を粉にしてくださる先生のお姿に勇気をもらいました。感謝。
皆さんのお話を聞きながら、なかなか家庭で自分一人で乗り越えられないときのヘルプがいろんな選択肢があったほうが良いなと思いました。一人の患者もいろんな側面を持ちます、今はこんな状態だから、といった選択肢は家族のも本人も安心の場になります。
またミトコンドリア病だけでないいろんな病の方からもいろんな知恵がいただけるのではないかと美沙緒先生が言っておられましたが、私も常日頃そのように思っています。
希少疾患ミトコンドリア病患者の介護は、病状や、進行によって、臨機応変に、対応してゆかなくてはいけないものと思います。様々な困難を乗り越えなくてはいけない介護は家族だけでなく、地域や本人の個性にも合わせて、セッテイングしなくてはいけないものとも思います。今後色んな角度でミトコンドリア病の周知・理解を求めることにおいても、様々な人とのお話が必要でないかと思います。
美沙緒先生がお帰りの玄関先でのお話
私のリラックスはバイオリンの音色なの。音楽がわかるわけではないけどバイオリンの奏でる音が脳内に行き渡ると、とっても楽になるのよ。
介護の無理は禁物!と言っても、常にないが起きるかわからない臨機応変に対処しなくてはいけない私たち。いつも心が青空なんて無理。泣きたいときは思い切り泣いて、吐き出すことも大事だと思います。今度皆さんのリラックス方法も聞いてみたいな。
参加いただいた方からの声たくさん頂いています。一部ですが掲載させていただきます。
◆グループホームのお話、大切にしていること、心がけていること、利用者さんの想い、チームワーク、、、等、温かい居心地、安心感が伝わってきて、こんな施設で過ごしてみたい、働いてみたいと思いました。

◆今回のzoom会、渡邉美佐緒さんの立ち位置に心ふるえるものを感じました。目には見えないものを「コトバ」として、“強く敏感に”、感受している人々。美佐緒さんがご自分の体験から実感した「強い疎外感を抱く人々の増加」。このことは、障碍者と呼ばれる方々に限らず健常者であるとみなされている方々の多くに広がりつつあるよう。じつは、わたしたちのこと。だからこそ、「障碍者」とか「健常者」とか「○○病患者」のような“枠”を取っ払う感性の復活が大事だと。

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今後の患者会の予定
●今夏、古賀靖敏先生をお招きしての懇親会を計画中。
●今回ギャラリーとしてお呼びした友人の加藤さんは、横浜で介護士として働き、ほぼボランティアで認知症や障害ある方などとお話・踊り・音楽などで、ボーダーレス交流の場(現在はオンライン)を作る活動をしています。その方との交流会も今後計画してみたいと思っています。

●発症して間もない方の不安や、小さなお子さんの対処の仕方も、感じ会える患者会もやってみたいと思います。

よろしくお願いします。