春分の日 みどりの会茶話会を開催しました

 

春分の日

あまり患者会でお話していないと思われる方をお誘いして懇親会を行いました。PTC743治験参加希望者や、最近みどりの会に相談してこられた方にも、お声をかけさせてもらいました。

みどりの会に連絡を頂いた方々からお話を聞くうちに、私はいろんな生活の匂いを感じ、生きることの意味を教えられます。
色んな人との交流に広がってほしいという願望もあったので、7年間みどりの会の活動を手伝ってくれている仲間にも入ってもらいました。

今回のzoom茶話会は1時半から3時まで行われ、皆さんの話したいことや聞きたいことが飛び交いました。

オンラインということもあり、また最初のうちは初対面の緊張もありますが、ミトコンドリア病の話をしているうちに、知らないうちに共鳴をするものを感じていきます。

私は脳梗塞様発作を起こして入院中の次男 龍のことが頭から離れませんでしたが、皆さんとのお喋りで、ホッとさせられたり、リセットできる自分を感じていました。

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次男龍のことをお話します。

精神症状が悪くなって投薬拒否が強くなり、結果、癲癇重責から脳梗塞様発作を起こしたという主治医の判断もあり、薬を確実に体内に届けるため、胃瘻造設に踏み切りました。

コロナ禍の真っ只中でしたが、幸い付添いが許可され、東京西徳洲会病院で胃瘻造設手術に付き添うことができました。
母子ともに個室で5日間過ごすなんて、出産以来ではないか???(笑)

施術前の検査も細かくしていただき、先生とも、難病の話に花が咲いてしまいました。

 

胃瘻施術してくださったは先生はシンゼルギデオン症候群という難病で次男さんをなくされています。難病の辛さをともに感じてくださる先生との巡り合いに感謝しました。

そして、改めて、本日の患者会でも、みなさんとの出会いに感謝しました。

 

PTC743(通称バチキノン)の治験参加者の募集要項の変更について

PTC743(通称バチキノン)の治験参加者の募集要項が変更になりました。
 
変更点は、参加者の年齢に関するものです。
従来は18歳未満という条件でしたが、新たに21歳未満に変更になりました。
これにより、参加基準がかなり緩和されたことになります。
 
また、遠方の方でも参加いただけるように、治験センター(いまのところ 千葉こども病院と 北海道大学)までの交通費の補助が出ることになりました。
 
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薬として国の承認を得るためには、その薬が病気の治療に効果がありかつ安全であるということを、科学に裏打ちされた「数値」として示さなくてはなりません。
そのため、治験に参加していただく患者様は、治験前にその病状を科学的な数値で把握する必要があります。その数値を、治験後の数値と比較することによって、初めて薬の有効性が証明されたことになります。
 
ミトコンドリア病は希少難病であるためそもそもの患者数が少なく、また非常に複雑な病であります故、患者さんの状態を明確に把握することが非常に困難です。
そのため、新薬候補が開発されても十分な治験参加者を集めることができず、治験に失敗するケースが相次いでおります。
アルギニン、ピルビン酸ナトリウム、アミノレブリン酸、など、多くの患者さんに効果が認められた薬であるにも関わらず、うまく行かなかったことも、その例であると思います。
辛い体の負担を思うと、遠方への治験参加に足踏みしてしまう患者様も多いとは思いますが、少しでも、患者様が楽になるように、そして治験の成功を後押ししたいという思いでおります。
 
治験にご協力いただけます方、あるいはご質問のある方は、下記までご連絡ください。
2022midorinokai@gmail.com
090-7196-2751(伊藤千恵子)
 
ミトコンドリアみどりの会 伊藤千恵子
 
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前回のお知らせでお送りした PTC743バチキノンの簡単な説明と 治験の募集要項を載せておきます。
 
まず、バチキノンというお薬の紹介をさせてください。
PTC743(バチキノン)は、ミトコンドリア病に伴う発作を引き起こすと考えられている体内の反応経路の1つを妨げる可能性があるとされています。特にミトコンドリア病に伴うてんかん発症の連鎖を断つために有効と考えられています
7年前に余命宣告されたお子さんが、この製剤の投与で、今も在宅で今も元気に過ごされているというお話も届いております
(注:PTC743はEPI743というお薬と同じものです)
治験は、千葉こども病院の村山圭先生が窓口になって行われます。 治験実施施設は、千葉こども病院、北大などが決まっています。

1月の倫理審査を経てとなりますが、治験へのエントリー期間は4月くらいまでということです。
 
 

 

1) 18歳未満の患者。 「21歳未満の患者」に変更になりました。

2) 次のいずれかに該当する方
A)てんかんを伴う遺伝性ミトコンドリア病患者
または
B)ミトコンドリア遺伝子変異または赤色ぼろ線維を伴うミオクロニーてんかんに続いて発症する別の形態のミトコンドリア病患者
3) ミトコンドリア病に伴うてんかんに6ヵ月以上罹患している患者。
4) 2種類以上の抗てんかん薬の投与を受けているにもかかわらず、過去4週間以内に6回以上の発作を起こしている患者。
みどりの会はご存知のように、伊藤個人で運営している患者会で、多くの患者様の情報を持っているわけではありません。皆様の中で、お心当たりのある方がおられましたら、お声を掛け合っていただきたく、少しでも有効な薬情報が患者家族のもとに届くことを願ってやみません。ミトコンドリア病は難治性の難病です。新薬に繋がる可能性のあることは、たとえ少しの可能性でも 諦めることなく追求していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。ーーー以下PTC743の治験参加者のためのパンフレットからのコピーをそのまま掲載しますーーー

Ø  MIT-E試験の参加者を募集しています!

ミトコンドリア病に伴うてんかん発症の連鎖を断つため、皆様のお力になりたいと考えています。

Ø  治験にご参加いただく理由

治験は、将来、てんかんを伴うミトコンドリア病を患う

小児や10代の患者さんを治せるかもしれない治療薬を見つけるための重要なステップです。

あなたとお子様が参加を決められた場合、研究者や医師がこの病気をより深く理解するために役立つとともに

医療の改善に向けた継続的な取り組みにおいて重要な役割を果たすことになります。

Ø  治験薬の飲み方

バチキノンとプラセボは、どちらも液体のお薬としてお渡しします。

ディスペンサーを使って、お子様の栄養チューブに液体のお薬を注入することができます。

一方、お子様が飲み込むことができる場合は、口から治験薬を飲み込んだ後、

脂肪由来のカロリーが25%以上である食事を取ります(食事なしでバチキノンを服用すると効かない場合があります)。

Ø  治験センターで実施すること

治験センターへの来院時に、お子さまの健康状態と治験薬の効果を次のようなさまざまな方法で評価します。

・電子機器(電話機のようなもの)を用いて、てんかんの徴候および症状に関する質問票に入力

・心臓の機能の確認

・体温、血圧、心拍数を測定

・採血および採尿

治験センターへの来院と来院の合間には、治験スタッフが所定の時期に電話で連絡を取ります。

これにより、お子様の発作、他のお薬の使用、治験薬に対する反応について、治験スタッフが最新の状況を把握します。

Ø  MIT-E試験の参加期間について

スクリーニング最長6週間

・お子様が治験に参加できるかどうかを確認します。

・お子様の発作の種類と回数の記録方法に関する、ご両親/介護者を対象とした2週間のトレーニングが含まれます。

主試験24週間

・参加者の半数にバチキノン、それ以外の半数にプラセボを投与します。

・治験センターへの来院は5回、治験スタッフとの電話連絡は3回です。

継続試験48週間

・すべての参加者にバチキノンを投与します。

・治験センターへの来院は4回、治験スタッフとの電話連絡は8回です。

追跡調査•

治験薬を最後に投与した日から30日後に、電話連絡を1回行います。

Ø  参加できる方の条件

以下の条件を満たす場合、お子様はMIT-E試験に参加できる可能性があります。

1) 18歳未満の患者

「21歳未満の患者」に変更になりました。2) 次のいずれかに該当する方
A)てんかんを伴う遺伝性ミトコンドリア病患者
または
B)ミトコンドリア遺伝子変異または赤色ぼろ線維を伴うミオクロニーてんかんに続いて発症する別の形態のミトコンドリア病患者

3) ミトコンドリア病に伴うてんかんに6ヵ月以上罹患している患者。

4) 2種類以上の抗てんかん薬の投与を受けているにもかかわらず、過去4週間以内に6回以上の発作を起こしている患者。

上記以外にもお子様が参加するための基準があります。詳細は治験スタッフからご説明いたします。

Ø  子どもに投与される治験薬について

・主試験でお子様がバチキノンの投与を受ける確率は50%、プラセボの投与を受ける確率は50%です。

・プラセボは見た目はバチキノンと似ていますが、有効成分は含まれていません。

・お子様にどちらの治験薬が投与されるかは選択できません。お子様がどちらの治験薬の投与を受けているかは、あなたにも治験スタッフにも知らされません。

・継続試験では、参加者全員がバチキノンのみの投与を受けます。

Ø  MIT-E試験について

てんかんを伴うミトコンドリア病の患者さんでは、10名のうち9名が従来の抗てんかん治療では効果がみられない発作を起こします。

MIT-E試験では、こうしたミトコンドリア病に伴う治療困難なてんかんを患う小児および10代の患者さんに対し、

バチキノンという名前の治験薬で発作の頻度を減らすことができるかを調べています。

バチキノンは、この特定の疾患の治療のため医療従事者が一般の患者さんに処方することを規制当局より承認されておらず、

そのためバチキノンは治験薬として扱われます。

<広告ポスターからコピー>(パンフレットと重複している箇所は省略しています)

Ø  ミトコンドリア病に伴うてんかんの治験にご登録いただける患者さんを募集しています。MIT-E試験

Ø  治験薬について

治験薬はバチキノンという名前のお薬です(PTC743としても知られています)。

バチキノンは、ミトコンドリア病に伴う発作を引き起こすと考えられている体内の反応経路の1つを妨げる可能性があります。

MIT-E試験の最初のパートでは、バチキノンとプラセボを比較します。

プラセボは見た目は治験薬と似ていますが、有効成分が含まれていないお薬です。

参加者の方々がバチキノンの投与を受ける確率は50%です。あなたがどちらのお薬の投与を受けているかは、あなたにも治験スタッフにも知らされません。

このパートは24週間続きます。その後、48週間の継続試験に参加することができます。継続試験では参加者全員がバチキノンのみの投与を受けます。

バチキノンとプラセボは、普段の飲食とともに服用する液体のお薬としてお渡しします。

Ø  ご参加いただける方

治療困難なてんかんを伴うミトコンドリア病の小児および10代の患者さん約60名が、世界中の治験センターでMIT-E試験に参加します。

Ø  治験の内容

治験期間を通して、お子様には以下のことを行っていただきます。

・スケジュールにしたがって、規定日に定期的に治験センターへ来院していただきます。

・これらの来院時には、医学的処置や検査を受けていただきます。

治験関連の治療または手当に関する費用はかかりません。また、参加者はいつでも、どのような理由でも治験への参加を取りやめることができます。

Ø  この治験への参加は完全に自由意志です-お子様も含め、MIT-E試験に参加しない選択をされても構いません。

また、いつでも、どのような理由でも、お考えを変えて治験への参加を取りやめることもでき、そのために通常の治療が影響を受けることはありません。』

QLife・遺伝性疾患プラス

啓蟄過ぎて、ポカポカ春の昼下がり、「QLife・遺伝性疾患プラス」という、遺伝性疾患情報専門メディアの編集部の山田さんと、zoomでお話する機会が得られました。

先日ある民間企業の方と、ゲノム解析と医療に関する話をしたばかりで、民間企業の実施するゲノム解析と患者会との関わり方についてみなさんと検討していた矢先でしたし、次男の胃ろう造設手術が近づいていて落ち着かない日々でもありましたので、難しい話になるのだろうなと少し憂鬱な気分でしたが、その先入観はすぐに消えました。

遺伝性の病気について、原因や治療法などの難解な知識を丁寧にわかりやすく解説し、最新の正確な情報を提供することで、前向きに生きる患者家族をサポートしようとしている姿勢を感じ、嬉しくなりました。

「QLife・遺伝性疾患プラス」は、遺伝性疾患を多様な側面から捉え、様々な情報を流し、国内外の公的情報サイトの紹介、専門家のお話、患者・家族会のインタビューなどを、写真を織り交ぜ、わかりやすく解説してくださっています。

今だと、「願いを叶え、疾病啓発につなげる」と題した、遺伝性疾患プラス2周年記念イベントを開催しています。患者家族の願いを叶えてくれるという夢のような企画です。以下に、募集要項を載せておきますので、興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか?

※新型コロナウイルス感染症の影響により変更になる可能性があります。

■応募条件
・遺伝性疾患プラス利用者(LINE友だち限定)
・遺伝性疾患を持つご本人、またはご家族
・願いに対する強い思い入れがある人
・後日、遺伝性疾患プラス・CaNoW等の関連メディアで掲載の動画や取材記事に、お名前(ニックネーム可)や疾患名の掲載が可能な方 / お写真や動画にお顔の露出可能な方
■募集締め切り3月31日(木)正午
■願いの実施予定時期 5月~10月頃

詳細は次の通り

 

 

遺伝性疾患プラス主催イベント

MCMオンライン患者会に参加して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月6日オンラインMCM患者会勉強会でした。13時半から17時20分ころまで

私は、自分が主催する患者会での立場を忘れ、一患者家族として参加させていただきました。

村山先生のお話は、今わたしがが一番大事に思っている診療基盤の構築の話に加え、新しい時代の黎明を感じるような遺伝子検査、グローバルな世界観の話も上がりました。

2014年次男のミトコンドリア病メラス発症当時は、情報がなかなかなくて雲を掴むような病でしたが、MCMの東京で開催された勉強会には、張り付くようにして後藤先生のお話を聞いたよう記憶が蘇ります。

しばらくMCMの活動が見られず、去年MCM代表の高橋さんから連絡をいただき、昨年の「オールジャパンミトコンドリア病患者会」開催の運びになりました。当時、先生たちとのコンタクトに大変苦労なさっている印象をもちました。

 

地道に先生たちとのコンタクトも取りながら、スタッフを仲間に入れて、歩んでこられたことを想像しながら、スタッフの笑顔と、患者家族それぞれの思いが一体化する、大変素敵な会であったと思います。

 

患者会に参加して得るもの、、、自分の苦しみの道のりに朝露の乗っかった野花を見つけたような感じになることです。

病気を背負って肩肘張って生きているような自分から、開放される瞬間です。

ほんのささやかながら、丹沢の山にあいさつをした今日

もっと、様々な人が、患者会に気軽に入れたらいいな、と思いました。

 

 

2022年2月20日みどりの会患者家族デトックス会

本日は、スコットランド~北海道~九州まで、10名の患者家族参加、13時から15時まで予定通り行えました。

 

私達ミトコンドリア病を囲む家族・親類は、ミトコンドリア病を患う患者を通して、艱難辛苦を味わうと同時に、かけがいのない命のことをたくさん学ばせてもらいます。今回の患者会のデトックスとは、患者に寄り添う自分のために、吐き出すことの意味も込めて使わせていただきました。

 

 

自分のことをお話しさせていただくと、次男龍が、2014年メラス発症から、計半年の入退院を経、在宅療養中7年近くは、通所に通い、釣りや、イラストも描き続けられたのでしたが、2022年1月、再び発作を起こし、救急搬送、そして転院。失認もひどく、胃瘻造設計画もあり、入院中です。

ミトコンドリア病の予後の難しさを、、、そして自分に足りなかったことを、思い知らされました。

私自身、もう一度スタートラインに戻って、メラスの息子と生き抜くために何が必要なのかを、彼を向かい入れるための家つくり、地域の病院や今後の介護のつながりなど、真剣に考えなくてはいけない境遇にあります。

今回の患者会は、そういう意味でも、どの方も真摯に患者と向き合い、苦難の道を切り開いているご様子は胸に響くものでしたし、話尽きないものでした。

中でも、地域の病院3つと遠方の専門医の病院との連携を果たしている方の話は、とても興味深く、その方のご苦労を知るとともに、自分に課せられた課題として、胸に刻みました。

Zoomを通して、遠方の方も含めて、いろんな生き方、いろんな環境、いろんな年齢、いろんな病状の方との交流が実現できたことに、心から感謝しております。

ミトコンドリア病対応病院探し、地域の病院と専門医のいる病院との連携、複数の科をまたいでの診察の連携、医師との意思疎通、ミトコンドリア病における精神症状の難しさ、癲癇の話、薬の話、腸の話(宿便について)、介護、グループホーム、療養施設と、話の内容は様々でした。

それぞれの希望にしたがって、考えていくことが必要ですし、今後さらに患者会として展開していかなくては行けない課題と思います。ミトコンドリア病にとって、今の体や心の問題もありますが、未来までも継続される信頼をつなげていくために、その方法は、とても複雑だと思うからです。

 

今回の患者会を原点に患者会同士の交流を深め、互いの疑問や悩みをぶちまけ、今まさに取り組んでいる人たちとの共有できることを学びの場として、今後、患者会を展開としていきたいと思います。

 

2021年さくらばたけまつりの様子

自分が表現を通じて、感じあいたい!と思って行っているさくらばたけまつりなどイベントについても、本気で取り組まなくてはいけないと思いました。

みどりの会茶話会のお知らせ

 


         ロウ梅  花言葉  慈愛

       2月20日 日曜日13時から15時位まで

                 みどりの会茶話会を行いたいと思います。  参加費無料

今回は患者家族とその関係者のみの会です。

特にテーマはありません。聞きたいこと 話したいこと 愚痴りたいこと

何でもござれ!

お話に慣れている人も、慣れない方も、気軽にみんなで輪になって話してみませんか?

 

申し込み方法に必要な記載項目

 

①お名前

②プロフィール(事前に皆さんで共有して良いプロフィールでお願いします。それ以外のものは別に記載して下さい)

③メールアドレス Zoom招待用のもの

④電話番号 当日連絡がつくもの

Zoom慣れていない方はスタッフがZoom指導いたしますのでその旨もお書き下さい。

連絡先

himawarinotubu@gmail.com

みどりの会伊藤千恵子まで送付下さい。

 

ーーーーーーーーーーーーフォーラムでお話した患者会の問題・課題も一部付記

 

 

 

◆病院間の連携と相談窓口 家族のこころとからだのケア

 

病院探しに苦労をしていませんか?病院間の連携、医師との意思の疎通に悩んでいませんか?

病状が変化すれば対応病院も替わり、病状が多臓器に渡れば、複数の科をまたぐ事になり、それらの連携も難しくなります。

また、ミトコンドリア病の精神障害の難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。症状がミトコンドリア病によるものか、精神病なのか、認知機能の低下なのか、高次機能障害によるものなのか、てんかん症状なのか、症状が複雑です。ミトコンドリア病の精神症状を診ていただける精神科医がほとんどいない現状では、患者は外にも出れずに、家族の悩みも複雑です。

それから、老いていく親が介護することの難しさを感じたときの入所先など、悩みはつきません。

ここに共鳴し合う仲間作りの必要性があります。皆さんそれぞれの悩みを共有しあい、知恵を出し合い、励まし合うことが大切です。

フォーラム みどりの会 お話とパワーポイント

 

みどりの会は、息子のメラス発症2014年から3年後に個人的に立ち上げたとても小さな会です。悩める人全てに開いていたいと、会員制にせず、規約もありません。

ひたすらミトコンドリアを愛し、ふれあい、助け合う精神でやってきました。

私のささやかな思いに、集まる様々な人のパワーとエールに助けられ、ここまでやってくることができました。

先生たちの温かいアドバイスも、福祉の方の支援も介入してもらい、苦しみも喜びも患者家族で共にすることで、ひとりじゃない~と歩んでこれました。

全てに感謝いたします。

今回のフォーラムでお話したこと、一部をこちらでも紹介させていただきます。

 

今回のパワーポイントは、遺伝カウンセラーとの茶話会で、難しい遺伝のお話を、私達の生活に置き換えて考えられる道筋を述べてくださった、加藤由里子さんが、ざっくりとしたイメージを形にしてくれました。心から感謝。

 

 

■みどりの会が考える、患者会の形を、花の形に例えてみました。

いのちのつぶ

ミトコンドリアは私たちの命をつなげる大切なつぶです。

生命活動の中心にあります。

いのちをつなげるための大切なものを、花びら一つ一つに認めていきます。

医療、病院、医師、薬⇒患者が倒れたときに、まず最初に頼る、大切なものです。

福祉、介護⇒急性期を過ぎて、在宅生活してゆくためには、福祉・介護の支援が必要になります。

権利⇒そのためにはいろんな法律や制度を学び、利用していかなくてはいけません

社会⇒孤立せずに地域で生きるため、そして学校通所仕事場とつながり、仲間をつくるために 患者会の存在が大切になります。

自然⇒自然との共生も大事です。災害時の対応も勉強しなくてはいけません。

感覚⇒生きていること、息をすること、それ自体が表現です。

どんないのちにも感覚があり、アートや遊びに触れることで 体と心の栄養になっていきます。

 

ここでは6枚の花びらを取り上げましたが、よく考えれば、もっとたくさんのはなびらが必要になるかもしれませんね。

これらの花びらは、色んな角度で有機的に結びつきます。

そして いのちの中心で強固につながればつながるほど、生命エネルギーは高まり、体や心に優しい風が流れてゆくことになると思います。

 

 

第6回ミトコンドリア病研究公開フォーラム終了報告

一年の一回のミトコンドリア病公開フォーラムは、年々新鮮な情報をたくさん聞くことができて、いろんな方面から勇気を頂いております。

今回も、いろんな方面から研究・創薬など先生たちのお話など、ミトコンドリア病研究の最新情報をたくさん聞くことができました。

 

”ミトコンドリア病患者家族がいかに楽しく生きていけるかの応援である”というメッセージを、主催のNPO 法人ミトコンドリア病医療推進機構の高柳 正樹先生からいただきました。。みなさんが手を携えて、ミトコンドリア病の希望に向かって歩む絵図を見いだせた思いがしました。

みどりの会は、とても小さな会ですが、フォーラムでは毎回お話の時間をいただき、歩みと今後の欠同計画などについてお話させてもらいました。次の項目で書かせていただきます。

 

村山先生を中心に、医療関係者が身を粉にしてこの日のためにセッティングしてくださることに、心から感謝いたします。

 

 

 

島田療育センター公開シンポジウムお知らせ

みどりの会の仲間から、みなさんとシェアしたいということで、以下のようなオンラインシンポジウムの情報が寄せられました。
島田療育センター公開シンポジウム
期日:2月11日(金)13:00~17:00
実施方法:オンライン(ZOOMウェビナー)
参加費:無料
小児期発症神経難病における生活支援の現状と課題
~ほんとうのことを話したい~
このコロナ禍でモヤモヤとした分断や出口のなさを実感しているときこそがある意味では様々なことを議論するチャンスという提案のもとに、開催される今回のシンポジウムは、3名の講師も魅力的です。
以下お知らせより抜粋。

◆熊谷くまがや晋一郎しんいちろう 氏 東京大学先端科学技術研究センター准教授/医師

生後まもなく脳性麻痺により手足が不自由となり、生活は電動車いす。小児科医として10年臨床経験を踏み現在は、障害を抱えた本人がその困難の解釈や対処法について思考実践する当事者研究の取り組みをテーマに研究。教育、診療を実践。

◆冨田とみた すなお 氏

都立小児総合医療センター 在宅診療科 部長、神経内科、総合診療科兼任/医師

◆大泉おおいずみえり 氏

高度医療ケアラー、在宅おふろ研究家
人工呼吸器を24時間使う子の母。「在宅オフロ研究かあさん」として介護当事者の視点から、人工呼吸器を使っている子どもたちの自宅での入浴事情を調査研究し「『超重症児』の在宅おふろ事例集」を発刊、人工呼吸器をつけた子どもと家族のための簡易浴槽「かえるのオフロ」をデザイン、製作、販売。
詳細は以下の通り
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小児期発症神経難病における生活支援の現状と課題
~ほんとうのことを話したい~

MA-5への期待

khb東日本放送が先日、ミトコンドリア病の新薬MA-5についてのニュースを放映しました。以下のリンクからご覧になれます。

https://youtu.be/wzFP3oHwsds

 

2022年1月19日、今日からMA-5の人への安全性・有効性を確かめる臨床試験が始まります。

私達ミトコンドリア病の患者家族が心から待ち望んでいた、ミトコンドリアに直接働きかけると期待される新薬。

ニュースの解説には、「細胞に薬が届くと、細胞内のミトコンドリアが元気になることが予測される。」「実際、患者の細胞の9割以上で効果が確認された」というお話もありました。

ミトコンドリア病患者に一日でも早く新薬を届けたいと、12年間研究を続けてこられた阿部高明先生のご尽力で開発されたMA-5が、一つ一つのハードルを越える姿を固唾を飲んで見守る思いです。

今年25歳になる息子の龍も、先週金曜日にてんかん発作を起こし、緊急入院しました。

7年間、在宅療養しながら様々な体調の波を乗り越え、家族とともに過ごしてきた宝物のような日々。集中治療室で横たわる息子に、新薬の歩みをそっと伝えることで、希望の光をみなさんと繋げていきたいです。